AdvancedCopy Managerでは、以下の方式でZFSのバックアップ/リストアをサポートします。
バックアップ運用の目的ごとに選択してください。
ZFSのスナップショット機能(以降、“ZFSスナップショット”と略します)を利用したオンラインバックアップ
ZFSのexport/import機能を利用したオフラインバックアップ (システム停止/ストレージプールの切離し)
オンラインバックアップ
ZFSのスナップショットを使用したバックアップ方式です。
ZFSスナップショットとzfs send/zfs receiveコマンドを組み合わせて、バックアップを行います。業務などへの影響を考慮し、定期的(例:日単位)の差分バックアップと、一定周期(週単位や月単位)のフルバックアップとを組み合わせて実施する運用を推奨します。
ZFSスナップショットを使用してバックアップを行うため、ZFSファイルシステムの稼働状態でもバックアップできますが、バックアップ・リストア時の運用ごとにデータの整合性を確保する必要があります。整合性の確保はアプリケーションやデータ種別(DBなど)ごとに異なるため、各運用において検討してください。
従来(UFS)のバックアップとの相違
ZFSのオンラインバックアップは、zfs send/zfs receiveコマンドを使用して、スナップショットで取得したデータをバックアップサーバにバックアップします。そのため、UFSのバックアップと比較して、以下のような特徴があります。オンラインバックアップが必須の場合、運用要件に応じて、UFSの使用も検討してください。
バックアップ量に応じた処理時間がかかります。
バックアップ量に応じたCPU負荷およびディスク負荷(他サーバへのバックアップ時はネットワーク負荷)が発生します。
注意
システム領域のオンラインバックアップはサポートしていません。システム領域の場合はオフラインバックアップを実施してください。
ポイント
差分バックアップは前回のスナップショットからの差分だけバックアップするため、バックアップ量は更新量に依存します。
差分バックアップは、フルバックアップと同じバックアップ用ストレージプールにバックアップされます。バックアップ用ストレージプールを構成している物理ディスクに障害が発生した場合、同じバックアップ用ストレージプール内のすべての差分バックアップが影響を受けるため、定期的なフルバックアップを推奨します。
スナップショット全体をバックアップします。初回のバックアップ時および一定周期(週単位や月単位)でのバックアップ時に実施します。
前回の差分バックアップ(またはフルバックアップ)からの更新データだけをバックアップします。
オフラインバックアップ
ZFSストレージプールのexport/import機能を使用したバックアップ方式です。
ストレージプールの整合性を保証するため、AdvancedCopy Managerでのバックアップ/リストアはオフライン状態で実施してください。バックアップ対象のZFSストレージプールの用途(システム領域/データ領域)に応じて、以下の対応を実施してください。
バックアップ対象がシステム領域の場合
バックアップ対象のサーバを停止してから、バックアップ/リストアします。
バックアップ/リストアの手順は、「システム領域のバックアップ/リストア」を参照してください。
バックアップ対象がデータ領域の場合
ストレージプールを切り離してから、バックアップ/リストアします。
バックアップ/リストアの手順は、「データ領域のバックアップ/リストア」を参照してください。
注意
AdvancedCopy Managerは、ZFSのストレージプールを構成するデバイス単位で操作します。ZFSストレージプールとしての整合性を保つため、ZFSストレージプール内のすべてのデバイスで同期をとって操作してください。