本製品が提供するクラウド環境が被災した際、バックアップ環境でクラウド環境を維持して業務を継続するDisaster Recovery機能を提供します。
運用サイトのストレージをバックアップサイトに複製することで、運用サイトが被災した際にバックアップサイトに切り替えて業務の継続を実現します。
ここでは、L-PlatformとL-ServerのDisaster Recoveryの前提条件について説明します。
Disaster Recovery環境を構築する際の前提条件
Disaster Recovery環境を構築する際の前提条件は、以下のとおりです。
以下の構成をサポートします。
Windowsマネージャーがインストールされた管理サーバ
管理対象サーバ
物理L-Server
VMwareまたはHyper-Vの仮想L-Server
ブレードサーバ
CB(Connection Blade)がスイッチモードまたはエンドホストモード
IBPモードは利用できません。
切替えを行う物理サーバ数分のDRライセンスが必要です。
以下の環境は、運用サイトとバックアップサイトで合わせてください。
本製品のマネージャーのバージョンレベル
本製品のマネージャーのインストールフォルダー
管理対象サーバのサーバ構成
運用サイトとバックアップサイトでサーバの数が異なる場合、運用サイトで動作していたすべての業務を継続できません。このため、運用サイトとバックアップサイトを同じサーバ構成(サーバツリーおよびネットワークツリーが同じ表示内容となるように設定)にすることをお勧めします。
サーバツリーおよびネットワークツリーに登録するリソース名(シャーシ名は除く)
サーバ名は、マッピング定義を用意することにより、異なる名前をつけることができます。
ネットワーク機器構成(機種、結線、ファーム、アカウント設定)
ネットワーク機器の自動設定機能を使用している場合、同じ構成にしてください。
外部ネットワークとSANスイッチの設定(ゾーニング、VLAN設定、CBアップリンクポート)
事前にネットワークの手動設定を行う場合、同じ設定にしてください。
以下のチューニングパラメーター
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data配下の設定(以下の設定を除く)
- storage_portset.rcxprop
- storage_vmhost.rcxprop
インストールフォルダー\SVROR\Manager\rails\config\rcx\vm_guest_params.rb
チューニングパラメーターの設定については、「トラブルシューティング集」の「3.2 その他のL-Serverの操作」の「仮想L-Serverを停止するとメッセージ番号 69122が表示され、L-Serverの停止に失敗する。」を参照してください
本製品のインストール時に作成する兼任管理者のユーザー名
運用サイトで「導入ガイドCE」の「第19章 環境のカスタマイズ」にしたがって実施した以下のカスタマイズ設定は切替え前にバックアップサイトに反映する必要があります。環境構築時に合わせて設定を行うか、切替え時に反映してください。
「19.1 メールの設定」
「19.2.3 申請プロセスの設定の変更方法」
「19.2.4 使用する申請プロセスの変更方法」
「19.3 ダッシュボードのカスタマイズ」
「19.4 仮想サーバのホスト名設定」
「19.5 リソース名の設定方式の設定」
「19.6 オーバーコミット機能の設定」
「19.7 L-Platform APIの環境設定の変更」
「19.9 物理L-Serverのシステムディスク設定」
「19.12 許諾の編集」
「19.13 利用者登録時の規約の編集」
編集した以下のファイルは退避しておいてください。
インストールフォルダー\RCXCFMG\config\command_config.xml
インストールフォルダー\RCXCFMG\config\mail_config.xml
インストールフォルダー\RCXCFMG\config\vsys_config.xml
インストールフォルダー\RCXCTMG\Charging\conf\accounting.properties
インストールフォルダー\RCXCTMG\MyPortal\config\application_process.properties
インストールフォルダー\RCXCTMG\MyPortal\config\custom_config.xml
インストールフォルダー\RCXCTMG\MyPortal\config\managerview_config.xml
インストールフォルダー\RCXCTMG\MyPortal\config\license\create\default
インストールフォルダー\RCXCTMG\MyPortal\config\license\reconfigure\default
インストールフォルダー\RCXCTMG\MyPortal\config\license\return\default
インストールフォルダー\RCXCTMG\SecurityManagement\conf\portal.properties
インストールフォルダー\IAPS\F3FMihs\servers\FJapache\htdocs\sopdocs\pub\html\ja\cRegApply_agreement.forUse_ja.html
以下は、運用サイトとバックアップサイトで一意の値を設定してください。
管理サーバのコンピュータ名
切替え、切戻しごとにコンピュータ名を変更する必要があるため、一度使用したコンピュータ名を再び使用することはできません。
サーバツリーに登録するサーバに設定するIPアドレス
物理L-Serverを作成する際、IPアドレスを自動設定する場合に一意のIPアドレスとしてください。
管理サーバに登録するストレージ装置のIPアドレス
レプリケーションを行うために必要です。
兼任管理者のユーザー名、およびインフラ管理者のユーザー名
本製品のインストール時に作成した兼任管理者のユーザー名は除きます。
仮想L-Serverを使用するシステムの場合、以下の構成にしてください。
VMホスト: 物理L-Server上に構築
VM管理製品: 物理L-Serverまたは管理サーバ上に構築
管理サーバ上に構築した場合、VM管理製品のバックアップおよびリストアで復旧を行う必要があります。
RORコンソールの利用者から運用サイトとバックアップサイトの切替えを意識させない運用にするため、以下のどちらかの構成にしてください。
運用サイトとバックアップサイトの管理サーバで同じIPアドレスを設定し、管理サーバのホスト名(FQDN名)を合わせてください。
この構成の場合、運用サイトの管理サーバとバックアップサイトの管理サーバは、同時に同じネットワークに接続しないでください。
運用サイトとバックアップサイトの管理サーバで異なるIPアドレスを設定し、管理サーバのホスト名(FQDN名)を合わせてください。
この構成の場合、DNSサーバのFQDNの接続先IPアドレスに、運用サイトの管理サーバのIPアドレスを設定します。切替え時に、このIPアドレスをバックアップサイトの管理サーバのIPアドレスに切り替えます。
管理サーバの以下の資源は、レプリケーション対象です。レプリケーション対象ディスクの容量見積に加えてください。詳細は、「運用ガイド CE」の「18.1 導入」を参照してください。
物理サーバのイメージ格納フォルダー
rcxmgexportコマンドの出力
rcxstorageコマンドの出力
定義ファイルおよびユーザースクリプト
構成定義だけ作成済みのL-Serverは、運用サイトからバックアップサイトへの切替え対象外です。
本製品を利用したDisaster Recovery環境のシステム構成例
本製品を利用したDisaster Recovery環境のシステム構成イメージは以下のとおりです。
図7.4 Disaster Recovery環境のシステム構成例
また、物理L-Serverおよび仮想L-Serverが混在したシステム構成の例は、以下のとおりです。
図7.5 VM管理製品を物理L-Serverに構築する場合の例
図7.6 VM管理製品を管理サーバに構築する場合の例