管理対象サーバに事前に予備サーバを指定しておくことで、サーバが故障したときに、自動的に予備サーバへ切り替えて起動させる機能です。
予備サーバへの切替え方式は、ブートディスクの接続方式に応じて、以下の2種類があります。
HBA address rename
サーバがSANストレージ装置上にあるブートディスクから起動するSANブート環境の場合、事前にHBA address renameによるI/O仮想化(*1)によってサーバのI/Oアダプター(HBA)に設定したWWN(World Wide Name)を予備サーバに引き継ぎ、ブートディスクを予備サーバに接続して起動します。
*1: 「2.2.9 I/O仮想化」を参照してください。
VIOMサーバプロファイル切替え
サーバがSANまたはLANに接続されているストレージ装置上にあるブートディスクから起動するブート環境の場合、事前にVIOMによるI/O仮想化(*1)によってサーバプロファイルに設定したWWN(World Wide Name)、MACアドレス、ブート設定およびネットワーク設定を予備サーバに引き継ぎ、ブートディスクを予備サーバに接続して起動します。
サーバプロファイルについては、ServerView Virtual-IO Managerのマニュアルを参照してください。
*1: 「2.2.9 I/O仮想化」を参照してください。
LANスイッチに以下の設定がされている場合、予備サーバへの切替え時にLANスイッチの設定変更も自動的に行います。
VLAN
ポートグループ(PRIMERGY BX900/BX400シリーズのLANスイッチブレードのIBPモードの場合)
予備サーバは、業務や運用形態(物理サーバと仮想サーバが混在する環境)に関係なく、共通のサーバを指定し、共有化を図れます。
また、サーバ仮想化ソフトウェアの高可用性機能と組み合わせることで、物理サーバと仮想サーバで1台の予備サーバを共有できます。
なお、自動リカバリは、クラスタソフトウェア(PRIMECLUSTERなど)と比べて以下の違いがあります。
異常の検出範囲
サーバ管理ソフトウェア(ServerView Agents)とサーバ管理装置(マネジメントブレード、マネジメントボードまたはリモートマネジメントコントローラー)で検知できるハードウェア故障を検出します。システムの反応速度の低下は検出できません。