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ServerView Resource Orchestrator Express/Virtual Edition V3.1.0 導入ガイド

E.2 マネージャー

ここでは、マネージャーのアップグレードについて説明します。

マネージャーをクラスタで運用している場合、アップグレードインストールによる移行はできません。手動でアップグレードしてください。

ポイント

以降の手順の中で旧バージョンのServerView Resource Coordinator VEのマニュアルを参照している箇所は、旧バージョンのServerView Resource Orchestratorのマニュアルに読み替えてください。


移行資産

マネージャー上で移行の対象になる資産は以下のとおりです。

また、アップグレードインストールによる移行では、以下の資産も移行対象になります。

アップグレードインストールにより移行資産が以下のフォルダーに作成され、退避されます。アップグレードが完了するまで、以下のフォルダーは決して削除しないでください。

【Windowsマネージャー】
32bit(x86)の場合
ドライブ名\Program Files\RCVE-upgradedata
64bit(x64)の場合
ドライブ名\Program Files (x86)\RCVE-upgradedata

【Linuxマネージャー】
/var/opt/RCVE-upgradedata
/var/opt/backupscwdir


事前準備

アップグレードする前に、以下の準備と確認を行ってください。


アップグレードインストールによるアップグレード

RCVE V2.2.2以降から本バージョンへのアップグレードは、本製品のインストーラによるアップグレードインストールを利用できます。以下の手順で、アップグレードを行ってください。

注意

  • アップグレード作業が完了するまで、マネージャー、エージェント、その他機器のハードウェア設定、および構成を変更しないでください。

  • システムイメージ、クローニングイメージが存在する場合、アップグレード時に一時的に退避(コピー)するため、管理サーバに、システムイメージ、クローニングイメージと同容量の空きスペースが必要です。アップグレード前に、ディスク容量を確認してください。

  • アップグレードインストール時は、旧バージョンのインストールフォルダー、および配下のフォルダーやファイルを、コマンド プロンプト、エクスプローラまたはエディタなどで参照しないでください。
    参照している場合、アップグレードインストールが失敗します。
    アップグレードインストールに失敗した場合、参照を中止して再度アップグレードインストールを実行してください。

  • アップグレードインストールに失敗した場合、事前準備でバックアップしたシステムボリュームをリストアして、再度アップグレードインストールを実行してください。
    再度アップグレードインストールを実行しても問題が解決しない場合、当社技術員に連絡してください。

  • アップグレード前の状態に復旧する場合、事前準備でバックアップしたシステムボリュームをリストアしてください。

  • アップグレードインストールにより、旧バージョンに適用されていた修正は削除されます。

    【Linuxマネージャー】
    UpdateAdvisor(ミドルウェア)のコマンドを任意の場所で実行するためにPATH変数を設定していない場合、旧バージョンに適用されていた修正は削除されますが、製品情報とコンポーネント情報が削除されません。UpdateAdvisor(ミドルウェア)のマニュアルを参照し、修正適用管理簿から製品情報とコンポーネント情報を削除してください。

  • マネージャーをクラスタで運用している場合、アップグレードインストールによる移行はできません。手動でアップグレードしてください。

  • アップグレードインストール時に使用済みのポートが存在していると以下のメッセージが表示され、アップグレードインストールに失敗します。その場合は、当社技術員に連絡してください。

    【Windowsマネージャー】
    ServerView Resource Orchestratorで利用するポート番号:ポート番号はすでに使用されています。

    【Linuxマネージャー】
    The specified port number Port Number selected for ServerView Resource Orchestrator is already used.

  1. アップグレードインストール

    【Windowsマネージャー】
    2.1.2 インストール【Windowsマネージャー】」のインストールの手順1.から手順5.を参照して、本製品のインストーラを実行します。
    本製品のセットアップ画面が表示されます。使用許諾契約などの内容を確認し、<次へ(N)>ボタンをクリックしてください。
    旧バージョンから引き継ぐ設定内容が表示されるので確認し、<確認>をクリックしてください。アップグレードインストールが開始されます。

    【Linuxマネージャー】
    2.1.3 インストール【Linuxマネージャー】」のインストールの手順1.から手順5.を参照して、本製品のインストーラを実行します。
    使用許諾契約などの内容を確認し、"y"を入力してください。
    旧バージョンから引き継ぐ設定内容が表示されるので確認し、"y"を入力してください。アップグレードインストールが開始されます。

  2. アップグレードインストール終了後の再起動【Windowsマネージャー】

    アップグレードインストールが終了したあと、アップグレードを完了させるためにシステムを再起動します。

注意

エージェントのアップグレードを行わずに、システムイメージのバックアップ、およびクローニングイメージの採取を使用する場合、マネージャーのアップグレード完了後に管理対象サーバを再起動するか、関連サービスを再起動してください。
管理対象サーバと関連サービスの再起動については、「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」の「5.2 エージェント」を参照してください。


手動によるアップグレード

クラスタで運用しているRCVEのマネージャーから、ROR VEへのアップグレードは、一括設定の構成定義ファイルの読込み(インポート)、および構成定義ファイルの書出し(エクスポート)を利用して行います。

以下の手順で、アップグレードを行ってください。

参照

一括設定については、以下のマニュアルを参照してください。

  • 「操作ガイド VE」

    • 「第12章 リソース登録および変更のための一括設定」

    • 「付録B 一括設定用の構成定義ファイル(CSV形式)」

注意

  • アップグレード作業が完了するまで、マネージャー、エージェント、その他機器のハードウェア設定、および構成を変更しないでください。

  1. 保守モードの設定

    旧バージョンのRORコンソールから、すべての管理対象サーバを保守モードに設定してください。

  2. 構成定義ファイルの書出し(エクスポート)

    旧バージョンの一括設定を利用し、構成定義ファイルをCSV形式で出力します。エクスポート中は、本製品のほかの操作を実行しないでください。

    出力方法については、「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」を参照してください。

  3. 移行資産の退避(コピー)

    1. 旧バージョンの証明書の退避(コピー)を行ってください。

      以下のフォルダーまたはディレクトリを退避(コピー)してください。

      【Windowsマネージャー】
      RCVE V2.2.2の場合
      インストールフォルダー\Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\certificate
      インストールフォルダー\Manager\etc\opt\FJSVrcxdm\certificate
      インストールフォルダー\Manager\sys\apache\conf\ssl.crt
      インストールフォルダー\Manager\sys\apache\conf\ssl.key
      ROR VE V3.0.0以降の場合
      インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\certificate
      インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\opt\FJSVrcxdm\certificate
      インストールフォルダー\SVROR\Manager\sys\apache\conf\ssl.crt
      インストールフォルダー\SVROR\Manager\sys\apache\conf\ssl.key

      【Linuxマネージャー】
      /etc/opt/FJSVrcvmr/opt/FJSVssmgr/current/certificate
      /etc/opt/FJSVrcvmr/sys/apache/conf/ssl.crt
      /etc/opt/FJSVrcvmr/sys/apache/conf/ssl.key

    2. 旧バージョンのシステムイメージ、クローニングイメージが格納されているフォルダーをインストールフォルダーとイメージファイル格納フォルダー配下以外の場所に退避(コピー)してください。
      デフォルトのイメージファイル格納フォルダーを使用している場合は以下のフォルダーまたはディレクトリを退避(コピー)してください。

      【Windowsマネージャー】
      RCVE V2.2.2の場合
      インストールフォルダー\ScwPro\depot\Cloneimg
      ROR VE V3.0.0以降の場合
      インストールフォルダー\SVROR\ScwPro\depot\Cloneimg

      【Linuxマネージャー】
      /var/opt/FJSVscw-deploysv/depot/CLONEIMG

      デフォルトから変更している場合、変更先の"Cloneimg"フォルダーまたは"CLONEIMG"ディレクトリを退避(コピー)してください。

    3. 以下の情報を退避(コピー)してください。

      • ポート番号の設定

        【Windowsマネージャー】
        ドライブ名\WINDOWS\system32\drivers\etc\services

        【Linuxマネージャー】
        /etc/services

      • イベント連携のバッチファイル/スクリプトファイル

        【Windowsマネージャー】
        RCVE V2.2.2の場合
        インストールフォルダー\Manager\etc\trapop.bat
        ROR VE V3.0.0以降
        インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\trapop.bat

        【Linuxマネージャー】
        /etc/opt/FJSVrcvmr/trapop.sh

    注意

    • マネージャーをクラスタで運用している場合、上記のフォルダーまたはディレクトリは共有ディスク上に配置されています。配下のファイル、フォルダーまたはディレクトリが正しく退避(コピー)されているか確認してください。
      なお、退避(コピー)先は共有ディスク上のフォルダーまたはディレクトリでも問題ありませんが、マネージャーのクラスタサービスのセットアップ時に作成した、"RCoordinator"配下以外の場所を指定してください。

    • マネージャーをクラスタで運用している場合、フォルダーまたはディレクトリの退避(コピー)はプライマリーノードで実行してください。

    • システムイメージ、クローニングイメージを退避(コピー)する前に、ディスク容量を確認してください。システムイメージ、クローニングイメージのディスク容量については、「ServerView Resource Coordinator VE インストールガイド」を参照してください。システムイメージ、クローニングイメージが格納されているフォルダーが存在しない場合、この手順は必要ありません。

    マネージャーをクラスタで運用している場合、旧バージョンの「ServerView Resource Coordinator VE インストールガイド」の「B.4 設定解除」を参照し、クラスタサービスの削除、および旧バージョンのマネージャーをアンインストールしてください。

    注意

    マネージャーをアンインストールすると、ユーザーアカウントの情報も削除されます。手順7.を参照してRORコンソールから再設定してください。

  4. 旧バージョンのマネージャーのアンインストール

    旧バージョンのマネージャーをアンインストールしてください。詳細は、「ServerView Resource Coordinator VE インストールガイド」を参照してください。

    マネージャーをクラスタで運用している場合、旧バージョンの「ServerView Resource Coordinator VE インストールガイド」の「B.4 設定解除」を参照し、クラスタサービスの削除、および旧バージョンのマネージャーをアンインストールしてください。

    注意

    • 「ServerView Resource Coordinator VE インストールガイド」の事前準備に記載されている「サーバの削除」は行わないでください。HBA address renameを利用している管理対象サーバを削除した場合、マネージャーのアップグレード完了後に管理対象サーバの再起動が必要です。

    • マネージャーをアンインストールすると、ユーザーアカウントの情報も削除されます。手順7.を参照してRCコンソールから再設定してください。

  5. 本バージョンのマネージャーのインストール

    本バージョンのマネージャーをインストールします。
    インストールについては、「2.1 マネージャーのインストール」を参照してください。

    マネージャーをクラスタで運用している場合、「付録D マネージャーのクラスタ運用設定・削除」を参照し、マネージャーのインストール、およびクラスタサービスのセットアップを行ってください。

    注意

    マネージャーインストール時の[管理LANの選択]画面では、旧バージョンと同一の管理LANを指定してください。

    マネージャーのインストール後、以下の手順で、手順3.で退避(コピー)した証明書とイメージファイル格納フォルダーを復元してください。

    1. マネージャーを停止します。

    2. 退避(コピー)したイメージファイル格納フォルダーをインストール時に指定したフォルダーに復元します。

      デフォルトのイメージファイル格納フォルダーを使用している場合、以下のフォルダーまたはディレクトリに復元してください。

      【Windowsマネージャー】
      インストールフォルダー\SVROR\ScwPro\depot\Cloneimg

      【Linuxマネージャー】
      /var/opt/FJSVscw-deploysv/depot/CLONEIMG

      デフォルトから変更している場合、変更先のフォルダーに復元してください。
      イメージファイル格納フォルダーを退避していない場合、この手順は必要ありません。

    3. 退避(コピー)した証明書を、マネージャーのインストールフォルダーに復元します。
      以下のフォルダーまたはディレクトリに復元してください。

      【Windowsマネージャー】
      インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\certificate
      インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\opt\FJSVrcxdm\certificate
      インストールフォルダー\SVROR\Manager\sys\apache\conf\ssl.crt
      インストールフォルダー\SVROR\Manager\sys\apache\conf\ssl.key

      【Linuxマネージャー】
      /etc/opt/FJSVrcvmr/opt/FJSVssmgr/current/certificate
      /etc/opt/FJSVrcvmr/sys/apache/conf/ssl.crt
      /etc/opt/FJSVrcvmr/sys/apache/conf/ssl.key

    4. 事前準備で退避した情報を復元します。

      • ポート番号の設定

        退避した情報に従って、ポート番号を変更してください。
        ポート番号の変更方法については、「操作ガイド VE」の「8.2 ポート番号の変更」を参照してください。
        ポート番号をデフォルトから変更していない場合、この手順は必要ありません。

      • イベント連携のバッチファイル/スクリプトファイル

        以下のファイルを置き換えて復元してください。

        【Windowsマネージャー】
        インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\trapop.bat

        【Linuxマネージャー】
        /etc/opt/FJSVrcvmr/trapop.sh

    5. マネージャーを起動します。

      マネージャーの起動方法と停止方法については、「運用ガイド VE」の「2.1 マネージャーの起動と停止」を参照してください。

    注意

    マネージャーをクラスタで運用している場合、以下に注意してください。

    • イメージファイル格納フォルダーと証明書の復元は、共有ディスクがマウントされた状態で、かつプライマリーノードで行ってください。

    • イベント連携のバッチファイル/スクリプトファイルの復元は、両ノードで行ってください。

  6. ユーザーアカウントの設定

    事前準備で記録した情報に従って、RORコンソールから、ユーザーアカウントの設定を行います。
    ユーザーアカウントの設定については、「操作ガイド VE」の「第5章 ユーザーアカウントの設定」を参照してください。

  7. 構成定義ファイルの編集

    旧バージョンで構築していた環境に応じて、手順2.でエクスポートした構成定義ファイル(CSV形式)を編集します。
    すべてのリソースの操作欄を"new"に変更してください。

    RCVE V2.2.2以降からアップグレードする場合は、以下のセクションに含まれるリソースの操作欄は"new"に変更しないでください。

    • ServerAgent

    • ServerVMHost

    • Memo

    構成定義ファイル(CSV形式)の編集方法については、「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」、を参照してください。

    注意

    予備サーバ情報が設定されている場合、以下の方法で予備サーバ情報の設定を削除してください。

    [SpareServer]セクションで、[operation]をハイフン("-")にしてください。

  8. 本バージョン環境の構築

    構成定義ファイルの読込み(インポート)を行い、本バージョンの環境を構築します。
    以下の手順で、本バージョン環境の構築を行ってください。

    1. 構成定義ファイルの読込み(インポート)

      編集が完了した構成定義ファイルの読込み(インポート)を行います。
      読込み方法については、「操作ガイド VE」の「12.2 構成定義ファイルの読込み(インポート)」を参照してください。

    2. エージェントの登録

      RORコンソールから、事前準備で記録した情報に従って、エージェントを登録します。エージェントの登録は、管理対象サーバのOSが起動した状態で行ってください。

      エージェントの登録については、「第7章 管理対象サーバに対するソフトウェアのインストールとエージェントの登録」を参照してください。

      エージェントの登録完了後、RORコンソールからすべての物理OS、VMホストが表示されているか確認してください。VMゲストが存在するVMホストを登録している場合、すべてのVMゲストが表示されているか確認してください。

    3. 予備サーバ情報の設定

      RORコンソールから、事前準備で記録した情報に従って、予備サーバ情報を登録します。
      予備サーバ情報の登録については、「操作ガイド VE」の「18.2 サーバ切替えの設定」を参照してください。

    4. ラベル、コメントおよび連絡先情報の登録

      ラベル、コメント、および連絡先情報を登録していた場合、手順6.で"new"に変更した構成定義ファイル(CSV形式)の操作欄をハイフン("-")に戻し、[Memo]セクションに含まれるリソースの操作欄を"new"に変更してください。
      構成定義ファイル(CSV形式)の編集方法については、「操作ガイドVEを参照してください。
      編集が完了したら、構成定義ファイルの読込み(インポート)を行います。
      読込み方法については、「操作ガイド VE」の「12.2 構成定義ファイルの読込み(インポート)」を参照してください。

  9. 保守モードの設定

    事前準備で記録した情報に従って、アップグレードを行う前に保守モードに設定していた管理対象サーバを、保守モードに設定してください。
    保守モードの設定については、「操作ガイド VE」の「付録C 保守モード」を参照してください。

注意

エージェントのアップグレードを行わずに、システムイメージのバックアップ、およびクローニングイメージの採取を使用する場合、マネージャーのアップグレード完了後に管理対象サーバを再起動するか、関連サービスを再起動してください。

関連サービスの再起動については、「運用ガイド VE」の「2.2 エージェントの起動と停止」を参照してください。