運用管理の初心者でも、1週間で基本的な監視システムを構築できることを目的として説明しています。構築したシステムでは、データやアプリケーションの資源を、運用管理サーバから業務サーバを経由して、クライアントへ配付し適用することもできます。
監視システムを簡単に構築するために、以下の機能を提供しています。
簡易設定モードでのポリシー設定機能
Systemwalkerテンプレート
上記の機能を利用するには、以下のシステム構成で構築することが前提となります。
通信負荷を軽減し、システムを効率的に管理するために、階層構造を構築して管理します。サーバやクライアントには、目的や役割に応じて以下のインストール種別をインストールします。
運用管理サーバ
業務サーバ
運用管理クライアント
クライアント
以下に、インストール種別について説明します。
運用管理サーバ
管理者が監視業務、さらにはトラブルの復旧業務などを行うためのサーバです。運用管理サーバは、管理対象のサーバやクライアント、アプリケーション、ネットワーク機器などから通知されるすべての情報を集中管理します。
業務サーバ
一般の業務を行うサーバです。(基幹業務で使用するサーバやOA業務のファイルサーバなどです。)
Systemwalker Centric Managerの“業務サーバ”をインストールすることにより、運用管理サーバからの管理対象となります。
運用管理クライアント
運用管理サーバを操作するためのコンソール機能を持つクライアントコンピュータです。運用管理サーバと同等の機能(画面)を利用することができるため、管理者は、運用管理クライアントより監視業務を行うことができます。
クライアント
一般の業務で利用するネットワーク上でもっとも下位のパーソナルコンピュータやワークステーションです。
前提条件
簡易設定モードや、Systemwalkerテンプレートを使用して監視システムを構築する場合、以下の条件を満たすことが必要です。
運用管理サーバ・運用管理クライアントは、Systemwalker専用で新規インストールするものとします。
監視対象の業務サーバは、30台以下です。
監視対象は、富士通の主要ミドルウェア製品(Interstage、Symfoware、Systemwalker)、OS、およびハードウェアです。
部門管理サーバは、導入しません。
Web連携機能は、使用しません。
必要なディスク/メモリ容量、および動作OS
インストールに必要なハードウェア資源、ソフトウェア資源、および動作OSについては、“Systemwalker Centric Manager 解説書”を参照してください。
監視対象にインストールするSystemwalker Centric Managerのバージョン
想定しているシステムを構築する場合、サーバには、Systemwalker Centric Manager V13.3.0以降が新規インストールされている必要があります。
また、稼働状態の監視、およびネットワーク性能監視を行う場合は、サーバにSNMPエージェントがインストールされている必要があります。
Systemwalker Centric Managerのインストールについては、“Systemwalker Centric Manager 導入手引書”の各サーバおよびクライアントの環境構築を参照してください。
データベース領域の見積もり
Systemwalker Centric Managerを運用するためには、インストール領域のほかに、データベース領域が必要です。データベース領域は、運用管理サーバのディスク上に確保してください。
データベース領域のサイズは、およそ管理対象とする機器の数と管理対象とする情報数に依存します。
本書では、300ノードモデルの規模のフレームワークデータベースとインベントリデータベースを作成します。データベース領域の見積もりを以下に示します。
【Windows版】
データベース領域は、NTFS上に作成してください。ファイルシステムがFATの場合は、別のNTFSのドライブをデータベース領域とするか、またはファイルシステムをNTFSに変更してください。
ディスク容量を参考にデータベースを構築するドライブを決定します。
フレームワークデータベース
ディスク容量:341Mバイト
内訳は、以下のとおりです。
データベースログファイル:130Mバイト
データベースディクショナリファイル:64Mバイト
リポジトリ/ログデータベーススペース:147Mバイト
リポジトリ/ログデータベーススペースの容量は、リポジトリ領域、オブジェクトログ領域、監視メッセージログ領域、監視イベントログ領域の容量の合計です。それぞれの領域の見積もりを以下に示します。
リポジトリ領域:63 Mバイト
オブジェクトログ領域:35 Mバイト
監視メッセージログ領域:35 Mバイト(平均保持件数:20,000件)
監視イベントログ領域:14 Mバイト(平均保持件数:5,000件)
インベントリデータベース(データベース種別:Systemwalker標準)
ディスク容量:
インデックスあり:42Mバイト
インデックスなし:30Mバイト
【UNIX版】
本書では、RDBログファイル用パーティションをレギュラーファイルとしてデータベースを作成します。この場合、運用管理サーバに以下のデータベース領域が必要になります。
RDB管理情報専用パーティション
RDBディクショナリ用パーティション
データベーススペース用パーティション
必要となるディスク容量は、以下のとおりです。
フレームワークデータベース
ディスク容量:547Mバイト
内訳は、以下のとおりです。
RDB管理情報専用パーティション:300Mバイト
RDBディクショナリ用パーティション:100Mバイト
データベーススペース用パーティション:147Mバイト
データベーススペース用パーティションの容量は、リポジトリ領域、オブジェクトログ領域、監視メッセージログ領域、監視イベントログ領域の容量の合計です。それぞれの領域の見積もりを以下に示します。
リポジトリ領域:63 Mバイト
ログ領域(オブジェクトログ):35 Mバイト
ログ領域(監視メッセージログ):35 Mバイト(平均保持件数:20,000件)
ログ領域(監視イベントログ):14 Mバイト(平均保持件数:5,000件)
インベントリデータベース
ディスク容量(注1):
データベース種別がSystemwalker標準の場合(注2):42Mバイト
データベース種別が標準の場合(注3):22Mバイト
SE版の場合、データベース種別を、“Systemwalker標準”と“標準”から選択することができます。
通常はこの形式のデータベースを使用します。
データベースを構築するために、特別なパーティションを必要とします。
データベースの構築のために特別なパーティションを必要としませんが、大規模なシステム構成には適していません。
ポイント
オブジェクトログ、監視メッセージログおよび監視イベントログはサイクリックに利用され、すべての領域を使用すると古いものから順に上書きされます。