図A.5 ECの流れ
セッション操作 | Expressで使用するコマンド |
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開始 | acec start |
一時中断 | acec suspend |
再開 | acec resume |
反転 | acec reverse |
停止 | acec cancel |
開始
ECのセッションを開始します。コピー元のパラメーターで指定したデータを、すべてコピーします。
コピー元のパラメーターで指定したデータのコピーが完了した場合、対応する領域に書き込みをします。コピー先の領域にも、変更したデータを書き込みます。
コピー元のパラメーターで指定した領域のデータをすべてコピーした後は、ECの機能によって、コピー元とコピー先のデータは同じ状態になります。
このコピー元とコピー先のデータが同じになっている状態のことを、等価状態とよびます。
等価状態になっている場合にコピー元のデータを変更したときは、等価状態を維持するために、コピー先にもコピー元と同じ変更が反映されます。この状態のことを等価性維持状態とよびます。
ECのセッションが等価状態になるまで、コピー先ボリュームに対する読み書きができません。
Destination Access Permission機能を設定した場合、ECのセッションが等価状態になっても、コピー先ボリュームに対する読み書きができません。コピー先ボリュームにアクセスするには、ECのセッションを一時中断してください。
Destination Access Permission機能を設定していない場合は、ECのセッションが等価状態になると、コピー先ボリュームへの書込みはできませんが、読込みは可能です。
参照
Destination Access Permission機能の詳細は、『ETERNUS SF 運用ガイド Copy Control Module編』の「EC/RECにおけるDestination Access Permission機能の利用」を参照してください。
一時中断
ECのセッションを一時中断します。コピー先ボリュームに対して読み書きが可能です。
ECのセッションが等価性維持状態のときだけ、一時中断できます。
停止状態とは異なり、コピー元ボリュームとコピー先ボリュームの変更が記録され続けます。
再開
一時中断状態のECのセッションを再開します。一時中断中にあったコピー元ボリュームのすべての変更をコピー先ボリュームに反映し、等価状態にします。
セッションを再開することで、等価状態にするために差分コピーをします。差分コピーは全面コピーよりもコピーする量が少ないため、セッションの開始よりもコピーにかかる時間を短縮できます。
しかし、ECのセッションが一時中断状態のときにコピー先ボリュームのデータだけ変更すると、セッションを再開することで、コピー先ボリュームで変更したデータはすべて失われます。
コンカレントサスペンド
複数のEC/RECセッションを同時にサスペンドする、ETERNUS ディスクアレイの機能です。
この機能によって、複数のボリュームで構成されたデータベースなどが、整合性のとれた状態で容易にコピーできます。
反転
ECのセッションのコピー方向を反転します。
ECのセッションが一時中断状態のときだけ実行できます。
停止
ECのセッションを停止します。
以下のどれかの場合にECのセッションを停止するときは、ミラーリングが不完全な状態です。ECのセッション停止後に、コピー先ボリュームを使用できません。
初期コピー中の状態
エラーが発生して一時中断した状態
以下のどれかの場合にECのセッションを停止するときは、ミラーリングが完了しています。ECのセッション停止後に、コピー先ボリュームを使用できます。
等価性維持状態
一時中断状態