ここでは、管理サーバのオンラインバックアップについて説明します。
管理サーバのオンラインバックアップでは、メータリングのデータベースのバックアップにPostgreSQLのPITR(Point In Time Recovery)の仕組みを利用しています。
PITRを使ったバックアップ・リストアでは、以下の2つの資産をバックアップおよびリストアします。
ベースバックアップ
ベースバックアップは、データベースクラスタ(データベースのデータが記録されるファイル群)全体をバックアップしたものです。
WALファイル
WAL(Write Ahead Logging)ファイルとは、データベースへの更新内容が記録されるファイルです。
上記2つの資産のバックアップは、対応する2つのバックアップ方式(ベースバックアップ・差分バックアップ)のコマンド実行時にそれぞれ取得されます。
PITRを使ったバックアップ・リストアの資産は、コマンド実行時に指定したバックアップ先とは関係なく、設定ファイルで指定しているディレクトリに保存されます。設定方法の詳細は、「8.5 メータリングのオンラインバックアップの設定」を参照してください。
管理サーバのオンラインバックアップの2つのバックアップ方式について、それぞれ以下に説明します。
ベースバックアップ
ベースバックアップとは、データベースクラスタ(データベースのデータが記録されるファイル群)全体をバックアップするものです。
以下のコマンドを実行します。
コマンドの詳細は、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「1.8.11 rcxmgrbackup」を参照してください。
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxmgrbackup -dir directory -base [-cleanup] <RETURN>
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxmgrbackup -dir directory -base [-cleanup] <RETURN>
注意
バックアップコマンドが正常終了しない場合がありますので、以下の操作は行わないでください。
バックアップコマンド実行中のCtrl+Cによる強制終了
バックアップコマンド実行中のマネージャーの停止
上記の操作を行った場合、状況に応じて、以下の対処が必要になります。
次回以降のベースバックアップが正常終了しない場合は、以下のコマンドを実行してください。
このコマンドを実行すると、ベースバックアップが正常終了するようになります。
コマンドの詳細は、「リファレンスガイド CE」の「2.9 ctmg_resetbackuperror(ベースバックアップエラーの復旧)」を参照してください。
インストールフォルダー\RCXCTMG\bin\ctmg_resetbackuperror.bat
処理結果は、標準出力に出力されます。
処理結果の内容とその意味を以下に示します。
処理結果 | 復帰値 | メッセージ |
---|---|---|
正常終了 | 0 | Successfully reset the base-backup error. |
エラー | 0以外 | Failed to reset the base-backup error. |
マネージャーの起動に失敗する場合
上記コマンド(ctmg_resetbackuperror)を実行しないでしばらく運用を続けてからマネージャーを停止すると、以降のマネージャーの起動に失敗する場合があります。このとき、以下のようにデータベースのログファイルにエラーメッセージが出力されます。
データベースのログファイル
インストールフォルダー\RCXCTMG\Charging\log\psql-nn.log (注1)
注1) "nn"部分は、ログが出力された日を表す2ケタの数字です。
エラーメッセージ
例) アクセス制御のデータベースの起動が失敗した場合
LOG: could not open file "pg_xlog/xxxxxxxx" (log file 0, segment xx): No such file or directory (注2) LOG: invalid checkpoint record PANIC: could not locate required checkpoint record HINT: If you are not restoring from a backup, try removing the file "C:/Fujitsu/ROR/RCXCTMG/Charging/pgsql/data/backup_label".
注2) ログの"xxxxxxxx"および"xx"部分は、不定です。
このような場合は、以下のファイルを削除してください。このファイルを削除すると、マネージャーの起動が正常終了するようになります。
インストールフォルダー\RCXCTMG\Charging\pgsql\data\backup_label
差分バックアップ
データベースへ更新内容は、16MBのサイズごとに複数のファイルに出力されます。
このファイルをWAL(Write Ahead Logging)ファイルと呼びます。
通常、16MB書き込まれるごとに、書込み対象のWALファイルが切り替わり、書込みが完了したWALファイルはバックアップディレクトリ配下の「wal」ディレクトリに退避されます。
rcxmgrbackupコマンドを実行します。
rcxmgrbackupコマンドを定期的に実行することで、退避されたWALファイルに記録されるデータベースの更新内容を一定期間維持できます。たとえば、1時間ごとにrcxmgrbackupコマンドを実行すると、最新の1時間以内の更新内容まで退避されます。
コマンドの詳細は、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「1.8.11 rcxmgrbackup」を参照してください。
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxmgrbackup -dir directory [-cleanup] <RETURN>
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxmgrbackup -dir directory [-cleanup] RETURN>