ページの先頭行へ戻る
ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 15.0 運用ガイド

B.2.4 シェルスクリプトのカスタマイズ

レプリケーションの前後処理シェルスクリプトのカスタマイズ方法を、以下に説明します。

レプリケーション対象ボリュームをアンマウントしたくない場合

レプリケーション対象がボリュームグループの場合

ファイルシステムが構築された論理ボリュームを含むボリュームグループがレプリケーション対象の場合は、前後処理シェルスクリプトの修正が必要です。

シェルスクリプトに対して必要な修正を実施後、複写元ボリューム用の前処理シェルスクリプト(RepSrc.pre)の118行目、および複写先ボリューム用の前処理シェルスクリプト(RepDst.pre)の112行目のexit文をコメント(“#”)化してください。

注意

  • カスタマイズしていない状態では、ボリュームグループに対する前処理がエラーになります。

  • 複写先ボリュームがボリュームグループの場合は、後処理シェルスクリプトにおいて、複写先ボリュームをLVMとして使用可能にするためにvgcfgrestoreコマンドによってボリュームグループ構成情報のリストアを実施しています。記載のシェルスクリプトでは、標準のバックアップファイル「/etc/lvmconf/“ボリュームグループ名”.conf」からボリューム構成情報のリストアを行っています。ボリュームグループ構成情報が別ファイルにバックアップされている場合は、シェルスクリプトをカスタマイズしてください。

  • クラスタ運用している場合は、クラスタを構成する各ノードにボリュームグループ構成情報が存在している必要があります。

  • mountコマンドやfsckコマンドなどのOSコマンドのパラメーターやオプションは、運用に合わせて適宜修正してください。

  • 共有モードのボリュームグループの場合

    複写先ボリューム用の後処理シェルスクリプト(RepDst.post)の78~118、121、122、および152行目をコメント化して、複写先ボリューム用の後処理シェルスクリプトでは共有モードのボリュームグループを再構成しないようにしてください。

    レプリケーション実行後に以下の作業を手動で実施して、ボリュームグループを再構成してください。

    1. ボリュームグループの停止(業務を構成している全ノードで実行します)

      # /usr/sbin/vgchange -a n <vg_name>
      #
    2. ボリュームグループ構成情報のリストア(ボリュームグループを作成したノードで実行します)

      # /usr/sbin/vgcfgrestore -n <vg_name> <pv_path>
      #
    3. 共有可能なボリュームグループのマーク(ボリュームグループを作成したノードで実行します)

      # /usr/sbin/vgchange -S y -c y <vg_name>
      #
    4. ボリュームグループの起動(業務を構成している全ノードで実行します)

      # /usr/sbin/vgchange -a s <vg_name>
      #

ファイルシステム名

複写元ボリューム用の後処理シェルスクリプト(RepSrc.post)の150行目、複写先ボリューム用の後処理シェルスクリプト(RepDst.post)の127、139、217行目のファイルシステム名は、運用に合わせて適宜修正してください。

VERITAS Cluster Serverでクラスタ運用する場合

VERITAS Cluster Serverでクラスタ運用する場合で、複写先/複写元のボリュームのマウントポイントがクラスタ業務に登録されているときは、前後処理シェルスクリプトのカスタマイズが必要です。

前後処理シェルスクリプト内のアンマウント/マウント処理を、マウントポイントリソースのオフライン/オンライン処理に変更してください。

また、マウントポイントリソースのオフライン/オンラインを行ってから実際にボリュームがアンマウント/マウントされるまでに時間差があります。そのため、実際にアンマウント/マウントされるまで待ち合わせる処理(sleepやdfコマンドの結果を監視するなど)をオフライン/オンラインの成否を判定する個所の後に追加してください。

以下に、前後処理シェルスクリプトのカスタマイズ例を示します。

[例] 複写元ボリューム用の前処理シェルスクリプト(RepSrc.pre)の、アンマウント処理変更

[77、87、137、146行目]

(変更前)

/usr/sbin/umount $mount_point

(変更後)

/opt/VRTSvcs/bin/hares -offline リソース名 -sys システム名

[例] 複写元ボリューム用の前処理シェルスクリプト(RepSrc.pre)の、アンマウント待ち処理の追加

[106、165行目]

(追加)

while /usr/bin/df -l "$device">/dev/null 2>&1; do :; done

[例] 複写先ボリューム用の前処理シェルスクリプト(RepDst.pre)の、アンマウント処理変更

[71、81、121、130行目]

(変更前)

/usr/sbin/umount $mount_point

(変更後)

/opt/VRTSvcs/bin/hares -offline リソース名 -sys システム名

[例] 複写先ボリューム用の前処理シェルスクリプト(RepDst.pre)の、アンマウント待ち処理追加

[100、149行目]

(追加)

while /usr/bin/df -l "$device">/dev/null 2>&1; do :; done

[例] 複写元ボリューム用の後処理シェルスクリプト(RepSrc.post)の、マウント処理変更

[98、102、104、117、121、123、157、166行目]

(変更前)

/usr/sbin/mount $device $mount_point
/usr/sbin/mount -F $fs $device $mount_point
/usr/sbin/mount -F $fs $lvname $lv_mount_point

(変更後)

/opt/VRTSvcs/bin/hares -online リソース名 -sys システム名

[例] 複写元ボリューム用の後処理シェルスクリプト(RepSrc.post)の、マウント待ち処理追加

[143、185行目]

(追加)

while ! /usr/bin/df -l "$device">/dev/null 2>&1; do :; done

[例] 複写先ボリューム用の後処理シェルスクリプト(RepDst.post)の、マウント処理変更

[165、169、171、188、190、224、233行目]

(変更前)

/usr/sbin/mount $device $mount_point
/usr/sbin/mount -F $fs $device $mount_point
/usr/sbin/mount -F $fs $lvname $lv_mount_point

(変更後)

/opt/VRTSvcs/bin/hares -online リソース名 -sys システム名

[例] 複写先ボリューム用の後処理シェルスクリプト(RepDst.post)の、マウント待ち処理追加

[210、252行目]

(追加)

while ! /usr/bin/df -l "$device">/dev/null 2>&1; do :; done