GLSの仮想アダプターは、タグVLAN(IEEE802.1Q)による通信を行うことができます。
タグVLANを使用することにより、サーバに搭載されているNICの枚数など、ハードウェアの制約を受けることなく、お客様の業務を複数のネットワークに構築できます。
GLSでは、物理アダプターのタグVLAN機能またはGLSのタグVLAN機能を使用することで、タグVLANを使用した通信が可能になります。これにより、同一セグメントで接続されたネットワーク機器上に仮想的な複数のネットワークを構築できます。
タグVLANによる通信を行う場合の構成例を以下に示します。
物理アダプターのタグVLAN機能を使用した場合
以下の例では、物理アダプター1、2に作成された、タグVLANアダプター1、2、および3、4に対し、冗長化する仮想アダプター1、2が構成されています。また、ネットワークスイッチ1、2では、タグVLANが設定されており、VLAN ID=2、VLAN ID=3の2つのネットワークが構成されています。
なお、本構成は、NICがタグVLAN機能をサポートし、タグVLANアダプターを作成できる場合に使用できます。タグVLANアダプターの詳細は、各NICのマニュアルを参照してください。
図2.8 物理アダプターのタグVLAN機能を使用した場合の構成例
仮想アダプター1および仮想アダプター2は、物理回線を共有しており、それぞれ一意のMACアドレスとIPアドレスが割り当てられています。
仮想アダプター1は、VLAN ID=2でのトラフィックを制御し、リモートノード1と通信を行います。
仮想アダプター2は、VLAN ID=3でのトラフィックを制御し、リモートノード2と通信を行います。
GLSのタグVLAN機能を使用した場合
以下の例では、物理アダプター1、2に対し、冗長化する仮想アダプター1、2が構成されています。また、ネットワークスイッチ1、2では、タグVLANの設定が行われ、VLAN ID=2、VLAN ID=3の2つのネットワークが構成されています。
なお、本構成では以下の制限があります。
Windows Server 2003 R2の場合
NICがタグVLAN機能をサポートしている場合、静的IPv4アドレスを使用したユニキャストによる通信のみ行えます。
Windows Server 2008以降のOSの場合
物理アダプター以外のアダプター(Intel PROSetのリンクアグリゲーションなど)を束ねている場合、静的IPv4/IPv6アドレスを使用したユニキャストによる通信のみ行えます。
上記以外の通信を行う場合は、物理アダプターのタグVLANアダプターを束ねる構成を使用してください。
図2.9 GLSのタグVLAN機能を使用した場合の構成例
仮想アダプター1および仮想アダプター2は、物理回線を共有しており、それぞれ一意のMACアドレスとIPアドレスが割り当てられています。
仮想アダプター1は、VLAN ID=2でのトラフィックを制御し、リモートノード1と通信を行います。
仮想アダプター2は、VLAN ID=3でのトラフィックを制御し、リモートノード2と通信を行います。
注意
物理アダプターのタグVLANアダプターを束ねる場合、GLSのタグVLAN機能は使用しないでください。