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Interstage Business Application ServerV10.0.0 アプリケーション開発ガイド
Interstage

3.1.1 アクティビティ

  
アクティビティとは、各業務処理実行アプリケーションを呼び出す非同期アプリケーション連携実行基盤を指します。

ルーティング定義画面上では、メッセージのルーティング先を示すアクティビティを追加し、それぞれのアクティビティに対して、以下の定義を行います。

上記の各定義は、上に示したアクティビティのアイコンをダブルクリックして表示される[アクティビティ定義]画面から設定します。

以下に業務処理実行アプリケーションの定義、メッセージ格納キューの定義、および補償ルートの定義の詳細を示します。

業務処理実行アプリケーションの定義

[アクティビティ定義]画面の[業務処理実行アプリケーション]タブでは、業務処理実行アプリケーションの説明、および実行時に呼び出す業務処理実行アプリケーションの定義情報の設定を行います。

画面イメージを以下に示します。

設定の詳細は、“5.2.4.3 アクティビティの設定”を参照してください。

注意

  • 1つのアプリケーションを、複数のアクティビティで定義することができます。

  • 業務処理実行アプリケーションには、COBOLおよびJavaアプリケーションを定義することができます。

メッセージ格納キューの定義

アクティビティとして指定したすべての要素に対し、メッセージ格納キューの定義を行います。

以下にフロー定義ツールで定義するキューの概念図を示します。
色の異なるキューはそれぞれ別のキューを指します。ただし、実際のルーティング定義画面上にはキューの図は表示されません。

それぞれのアクティビティに対して、処理を要求するメッセージを格納するキューを定義します。
複数のサーバに存在するキューを自由に配置してフローを設計することができます。また、同じキューを1つのルート上に複数定義することも可能です。

それぞれのキューの詳細定義は、[アクティビティ定義]画面の[メッセージ格納キュー]タブで、[処理要求メッセージ格納キュー(Destination)]に定義します。

以下に定義画面イメージを示します。

注意

  • 同じ処理要求メッセージ格納キューを1つのルート上に複数使用することも可能です。その場合、それぞれのキューに異なる業務処理実行アプリケーションを定義することが可能となります。ただし、代行ルートを使用する場合は、通常のルートと同じキューを指定することはできません。

  • 1つの処理要求メッセージ格納キューを、複数のフロー定義で配置することが可能です。その場合、おのおので違う業務処理実行アプリケーションを定義することも可能となります。

  • 定義情報の保存時にキューが未設定であった場合、フロー定義をフロー定義DBへ登録する際、[プロパティ]画面の[省略時に使用するキュー(Destination)]の値が自動的に設定されます。
    [省略時に使用するキュー(Destination)]の設定の詳細は、“5.2.6 プロパティ”を参照してください。

  • 業務処理実行アプリケーション内でキューを利用することは可能ですが、その場合は非同期アプリケーション連携実行基盤で利用していないキューだけを利用してください。非同期アプリケーション連携実行基盤で利用しているキューをアプリケーションで利用した場合、非同期アプリケーション連携実行基盤が取得すべきメッセージをアプリケーションが削除してしまう可能性があるため、メッセージの保証ができなくなる危険性があります。

補償ルートの定義

非同期アプリケーション連携実行基盤では、処理要求メッセージ格納キューでメッセージを受信してから業務処理実行アプリケーションを呼び出し、次のキューへメッセージを送信するまでの間にユーザが指定した異常が発生した場合、メッセージが通過してきた処理を取り消すための補償処理メッセージを送信することができます。

補償処理メッセージは、ユーザが指定した補償ルートを通るメッセージであり、すでに処理が完了した業務処理実行アプリケーションに対し、取消しを行う業務処理実行アプリケーションを呼び出します。
実行ルート、または条件ルートに対して補償ルートを指定することで、補償処理メッセージが流れる経路を決定することができます。補償ルートを実行させるための異常は、補償ルートを指定している実行ルート、または条件ルートの出力先になっているアクティビティ上で定義します。補償ルートを実行する異常を定義している1つのアクティビティ(業務処理実行アプリケーション)から複数の補償ルートが出力されている場合は、異常が発生した際に受信したメッセージが通過してきた経路を逆に戻るようルーティングされます。

[アクティビティ定義(COBOL)]画面の[補償ルート]タブでは、補償ルートを実行する契機となるエラーコードを設定します。
[アクティビティ定義(Java)]画面の[補償ルート]タブでは、[補償ルートを実行する異常]タブにおいて補償ルートを実行する契機となるアプリケーション例外を指定します。[除外する異常]タブにおいて、補償ルートを実行する契機から除外するアプリケーション例外を指定します。
また、[呼出し定義]において、補償ルートを実行する際に呼び出す取消し処理用の業務処理実行アプリケーションの定義情報を設定します。

以下に画面イメージを示します。

設定の詳細は、“5.2.4.7 補償ルートの設定”を参照してください。
また、補償ルート時のフロー設定については“3.1.7 補償ルート”を参照してください。