ユーザログテーブル用のRDBディレクトリファイルを含むリカバリを行う場合、データベースをすべて参照してリカバリするため、大変時間を必要とします。業務を再開するのに必要なDSIを把握している場合は、ユーザログテーブル用のRDBディレクトリファイルのリカバリ時間を短縮することができます。RDBディレクトリファイルのリカバリ時間の短縮方法は、rdbrcvdicコマンドのddlオプションとrdbrcvコマンドのDIRモードによって行います。
rdbrcvdicコマンドでddlオプションを指定すると、RDBディレクトリファイルのデータベース資源のアクセス情報のリカバリは行いません。rdbrcvコマンドのDIRモードでDSI名を指定すると、そのDSIに関するRDBディレクトリファイルのデータベース資源のアクセス情報だけをリカバリします。このことにより、目的業務の再開までの時間を短縮することができます。残りのDSIに関するRDBディレクトリファイルのデータベース資源のアクセス情報は、目的業務と並行してリカバリすることができます。
参照
rdbrcvコマンドおよびrdbrcvdicコマンドの指定方法の詳細は、“Interstage Business Application Server リファレンス”を参照してください。
以下に、rdbrcvdicコマンドのddlオプションとrdbrcvコマンドのDIRモードを使用して、リカバリ時間の短縮化を行う場合の例を以下に示します。
■リカバリ操作の手順


DIR_FILE1: ユーザログテーブル用のRDBディレクトリファイル
DIR_FILE2: RDBディクショナリ用のRDBディレクトリファイル
![]()
(1) Symfoware/RDBを起動します。 ――― rdbstartコマンド
(2) データベースを定義します。 ――― rdbddlexコマンド
(3) RDBディクショナリの退避データを取得します。 ――― rdbdmpdicコマンド
(4) 目的業務を実行します。
★ 障害発生
(5) Symfoware/RDBを停止します。 ――― rdbstopコマンド
(6) 媒体障害の場合は、障害ボリュームを取り換えます。 ――― CE作業
(7) ボリュームを取り換えた場合は、ボリュームの構成情報を復元します。
――― partedコマンド
(8) RDBディクショナリおよびRDBディレクトリファイルを ――― rdbrcvdicコマンド
リカバリします。ただし、RDBディレクトリファイルのデータ (FWモードの
ベース資源のアクセス情報はリカバリしません。 ddlオプション)
(9) Symfoware/RDBを起動します。 ――― rdbstartコマンド
(10) 異常時に備えてRDBディクショナリの退避データを ――― rdbdmpdicコマンド
取得します。
(11) 目的業務で使用するDSIのアクセス情報を ――― rdbrcvコマンド
リカバリします。 (DIRモード)
(12) 目的業務を実行します。
(13) 目的業務で使用しないDSIのアクセス情報を ――― rdbrcvコマンド
リカバリします。 (DIRモード) |
■リカバリ操作例
![]()
$ rdbstart
$ rdbddlex -d ULOG_DB /rdb/ddl.dat
$ rdbdmpdic -f dicback@/backup/rdb -y -e
目的業務の実行
rdb: ERROR:qdg03121u: RDBIIディクショナリにおいて 入出力障害が発生しました
(システム名=rdbsys1)
$ rdbstop
CE作業 … 媒体障害の場合は、障害ボリュームの交換およびボリューム構成情報の復元
$ rdbrcvdic -F -f dicback@/backup/rdb -du 1M -w /home/rdb1/work -y -ddl
rdb: INFO:qdg02654i: rdbrcvdicコマンドの処理を開始します (システム名=rdbsys1)
rdb: INFO:qdg12694i: DSI‘ULOG_DB.業務ログ表DSI1’の定義情報のみを復元しアクセス禁止状態にしました (システム名=rdbsys1)
・
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rdb: INFO:qdg02655i: rdbrcvdicコマンドの処理が正常終了しました (システム名=rdbsys1)
$ rdbstart
$ rdbdmpdic -f dicback@/backup/rdb -y -e
$ rdbrcv -D -i ULOG_DB.業務ログ表DSI1
rdb: INFO: qdg02654i: rdbrcvコマンドの処理を開始します (システム名=rdbsys1)
rdb: INFO: qdg02581i: DSI‘ULOG_DB.業務ログ表DSI1’を復元しました
rdb: INFO: qdg02655i: rdbrcvコマンドの処理が正常終了しました (システム名=rdbsys1)
目的業務の再実行
$ rdbrcv -D -t /home/rdb1/rcv.list
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/home/rdb1/rcv.listの内容を以下に示します。
ULOG_DB.業務ログ表DSI2 ULOG_DB.業務ログ表DSI3 |