ページの先頭行へ戻る
Systemwalker Interstage 運用管理ガイド スケーラブル運用
Systemwalker

4.2.3 Traffic Directorへの切り離し出口と組み込み出口スクリプトを雛型に従って編集する

振り分けサーバのInterstage Traffic Directorへの切り離しと組み込みを行うために、以下のファイルを編集します。

切り離し出口と組み込み出口スクリプトを編集する

振り分けサーバのInterstage Traffic Directorへの切り離し出口と組み込み出口スクリプトの雛形は以下の場所に格納されています。スクリプトを編集した場合は、同じ格納先に同じファイル名で保存します。

OS

格納先パス

切り離し出口スクリプト名

組み込み出口スクリプト名

Windows版

Systemwalkerインストール先\Mpwalker.DM\mpdrmssv\etc

lbdisc.bat

lbconn.bat

Solaris版
Linux版

/opt/FJSVmpsdl/etc

lbdisc.sh

lbconn.sh

表4.1 Interstage Traffic Director切り離し出口スクリプト(雛形)
【Windows版】

REM load balancer disconnect script

REM Please configure batch-variables

SET CMDPATH=c:\temp
SET LOGPATH="%tmp%\%DRMSNODENAME%-disconnect.log"
SET TIMEOUT=10
SET WAIT=300
SET ALREADYDISC=
SET SLEEP=1810


REM Do not modify under this line.



表4.2 【Solaris版またはLinux版】

#!/bin/sh

# load balancer disconnect script

#
# Please configure shell-variables
#

CMDPATH="/opt/FJSVmpsdl/shell"
LOGPATH="/tmp/${DRMSNODENAME}-disconnect.log"
TIMEOUT="10"
WAIT="300"
ALREADYDISC=""
SLEEP="1810"

#
# Do not modify under this line.
#



表4.3 Interstage Traffic Director組み込み出口スクリプト(雛形)
【Windows版】

REM load balancer connect script

REM Please configure batch-variables

SET CMDPATH=c:\temp
SET LOGPATH="%tmp%\%DRMSNODENAME%-connect.log"
SET TIMEOUT=10
SET CONNECT=


REM Do not modify under this line.



表4.4 【Solaris版またはLinux版】

#!/bin/sh

# load balancer connect script

#
# Please configure shell-variables
#

CMDPATH="/opt/FJSVmpsdl/shell"
LOGPATH="/tmp/${DRMSNODENAME}-connect.log"
TIMEOUT="10"
CONNECT=""

#
# Do not modify under this line.
#



備考.

切り離し出口と組み込み出口スクリプトの編集箇所は、“Please configure batch-variables”で記述している以下の環境変数の設定値です。運用環境・運用方法に応じて編集してください。

また、“Do not modify under this line.”で記述している以降の行は編集しないでください。

切り離し出口スクリプトの編集項目を以下に示します。

表4.5 切り離し出口スクリプトの編集項目

環境変数

指定内容

備考

CMDPATH

Interstage Traffic Directorシャットダウン制御コマンド(nsstateコマンド)が格納されているパスをフルパスで記述します。

本環境変数の指定は、必須です。

LOGPATH

nsstateコマンドの実行結果を出力するファイル名を指定します。
本ファイルは保守情報ですので、nsstateコマンドの実行結果を採取しない場合は、Windows版の場合は“nul”を指定してください。Solaris版またはLinux版の場合は“dev/null”を指定してください。

雛形では、Windows版の場合は%tmp%配下に、Solaris版またはLinux版の場合は/tmp配下にDRMSNODENAME環境変数の値でファイルを出力するよう記述しているため、業務サーバのノード名単位でファイルが作成されます。定期的にファイルを削除してください。

TIMEOUT

nsstateコマンドの/timeoutオプションで指定する、振り分けサーバ(Interstage Traffic Director)からのレスポンス待ち合わせ時間を秒単位で指定します。

雛形では10秒となっています。

WAIT

nsstateコマンドの/waitオプションで指定する、すべてのコネクションが0になるまで待ち合わせる時間を秒単位で指定します。

雛形では300秒となっています。

ALREADYDISC

切り離し指示を行った際、既に業務サーバが切り離されていても適用処理を継続する場合は、設定値に“APPLYCONT”と記述します。

雛形では、設定値なしです(適用処理を継続せず切り離し異常とします)。

SLEEP

切り離し指示を行ってから、業務サーバに資源を適用するまでの待ち時間を秒単位で指定します。
この時間は、Interstage Traffic Directorのサイト負荷分散ポリシーで指定するシャットダウン時間+10秒(余裕値)を指定してください。

Interstage Traffic Directorで指定するシャットダウン時間のデフォルトは30分であるため、雛形では余裕値10秒を加えた1810秒となっています。

ポイント

振り分けサーバのInterstage Traffic Directorで指定するシャットダウン時間について

  • 業務サーバの切り離し指示から、実際に業務サーバが切り離されて保守可能な状態に遷移するまで、シャットダウン時間がかかります。この間、資源配付はSLEEP環境変数により資源の適用処理を待ち合わせ、業務サーバが保守可能な状態に遷移してから適用処理を行います。このため、シャットダウン時間が長いと、適用指示が完了するまで時間を要します。

  • 運用に合わせて、Interstage Traffic Directorで指定するシャットダウン時間をチューニングしてください。シャットダウン時間を短くすることで、適用処理の待ち合わせ時間も短くなります。
    設定は、Interstage Traffic Director管理コンソールの[サイト負荷分散ポリシー]の[故障監視]タブ→[メンテナンス]タブで[シャットダウン時間]を指定します。詳細は、Interstage Traffic Directorのマニュアルを参照してください。


組み込み出口スクリプトの編集項目を以下に示します。

表4.6 組み込み出口スクリプトの編集項目

環境変数

指定内容

備考

CMDPATH

Interstage Traffic Directorシャットダウン制御コマンド(nsstateコマンド)が格納されているパスをフルパスで記述します。

本環境変数の指定は、必須です。

LOGPATH

nsstateコマンドの実行結果を出力するファイル名を指定します。
本ファイルは保守情報ですので、nsstateコマンドの実行結果を採取しない場合は、Windows版の場合は“nul”を指定してください。Solaris版またはLinux版の場合は“dev/null”を指定してください。

雛形では、Windows版の場合は%tmp%配下に、Solaris版またはLinux版の場合は/tmp配下にDRMSNODENAME環境変数の値でファイルを出力するよう記述しているため、業務サーバのノード名単位でファイルが作成されます。定期的にファイルを削除してください。

TIMEOUT

nsstateコマンドの/timeoutオプションで指定する、振り分けサーバ(Interstage Traffic Director)からのレスポンス待ち合わせ時間を秒単位で指定します。

雛形では10秒となっています。

CONNECT

切り離し指示を行った際、既に業務サーバが切り離されていても自動的に組み込みを行う場合は、設定値に“YES”と記述します。

雛形は、設定値なしです(自動的に組み込みは行いません)。


ポイント

以下の環境変数は、資源配付と切り離し出口・組み込み出口スクリプトの情報受け渡しのための環境変数です。利用者が編集する必要はありません。

  • Interstage Traffic Director接続のためのユーザ名:DRMSUSERID

  • Interstage Traffic Director接続のためのパスワード:DRMSPASSWD

  • 業務サーバのノード名:DRMSNODENAME

  • 適用対象の資源グループ名:DRMSRSG

  • 適用対象のバージョン・レベル:DRMSVL

  • 切り離し出口でのInterstage Traffic Directorの状態:DRMSUSERINFO(注1)

  • 適用結果:DRMSAPLRESULT (OK or NG) (注2)

注1)

組み込み出口スクリプトのみ設定される環境変数です。切り離し指示を行った際、既に切り離しされた状態の場合のみALREADYDISCが設定されます。それ以外の場合はNullとなります。

注2)

組み込み出口スクリプトのみ設定される環境変数です。


Interstage Traffic Director用の連携ファイルを作成する

Interstage Traffic Director用の連携ファイルとは、切り離し出口および組み込み出口スクリプトで読み込むファイルであり、作成は必須です。

以下の格納先に作成してください。

OS

格納先パス

ファイル名

Windows版

Systemwalkerインストール先\Mpwalker.DM\mpdrmssv\etc

ipaddress.dat

Solaris版
Linux版

/opt/FJSVmpsdl/etc

ipaddress.dat
(注)

注)

ファイルのアクセス権(所有者、グループ、その他のユーザ)に、読み取り可能属性が必要です。


Interstage Traffic Director用の連携ファイルの記述形式を以下に示します。

各IPアドレスはカンマ区切りで指定し、適用対象の業務サーバが複数存在する場合は、適用対象の業務サーバごとに1行ずつ記述します。

管理LANのIPアドレス,振分けサーバのIPアドレス,サイト・ファームのIPアドレス,業務LANのIPアドレス
管理LANのIPアドレス

運用管理サーバの資源配付で定義している業務サーバのIPアドレスを指定します。

振り分けサーバのIPアドレス

振り分けサーバのIPアドレスを指定します。

サイト・ファームのIPアドレス

サイト・ファームの仮想IPアドレスを指定します。

業務LANのIPアドレス

適用対象の業務サーバにLANカードが複数枚搭載されている場合に業務LANのIPアドレス(Interstage Traffic Directorが認識している業務サーバのIPアドレス)を指定します。

LANカードが一枚の場合は、管理LANのIPアドレスと同じIPアドレスを指定します。


Interstage Traffic Director用の連携ファイルの作成例を以下に示します。