ページの先頭行へ戻る
Systemwalker Operation Manager  解説書
Systemwalker

2.2.2 こんなこともできます

複数サーバを監視する

複数サーバ配下のプロジェクトのジョブネットを、ログインユーザの権限に応じて監視したり操作することができます。また、Windowsサーバ、UNIXサーバが混在する環境を監視することもできます。

なお、本運用は、Systemwalker Operation Managerのみを導入した小規模システムの場合に向いています。Systemwalker Centric Managerを導入した中規模~大規模システムでジョブネットを監視する場合については、“2.11 Systemwalker Centric Managerと連携する場合”を参照してください。

ジョブネットを階層化する

ジョブネットの中に別のジョブネットをジョブとして登録することができます。ジョブネットの中にジョブネットを登録することを“ジョブネットの階層化”と呼びます。別のジョブネットを登録しているジョブネットを“親ジョブネット”、ジョブネットに登録されているジョブネットを“子ジョブネット”と呼びます。また、階層化されているジョブネットにおいて、階層の深さを“第N階層”と表現します。ジョブネットは、第5階層まで階層化することができます。

3階層のジョブネットを例として、構成図を以下に示します。

構成図において、ジョブネットAは第1階層、ジョブネットBは第2階層、ジョブネットCおよびジョブネットDは第3階層のジョブネットです。ジョブネットAは、ジョブネットBの親ジョブネット、ジョブネットBは、ジョブネットCとジョブネットDの親ジョブネットです。ジョブネットBは、ジョブネットAの子ジョブネット、ジョブネットCとジョブネットDは、ジョブネットBの子ジョブネットです。

リンクジョブネットによる階層化

1つのジョブネットを複数のジョブネットにジョブとして登録することができます。複数のジョブネットに登録されたジョブネットを“リンクジョブネット”と呼びます。リンクジョブネットには、定義情報となるジョブネットが存在します。リンクジョブネットの定義情報となるジョブネットを“マスタリンクジョブネット”と呼びます。リンクジョブネットは1つの親ジョブネットに複数登録することもできます。リンクジョブネットの例として、構成図を以下に示します。

構成図において、プロジェクト内の1つのマスタリンクジョブネットを定義情報とするリンクジョブネットが、ジョブネットAには2つ登録されています。また、ジョブネットBに登録されているリンクジョブネットも同じマスタリンクジョブネットを参照しています。

階層化したジョブネットに起動日を設定する

階層化した子ジョブネットに起動日を設定できます。また、マスタリンクジョブネットに起動日を設定することにより、リンクジョブネットにも起動日を設定できます。起動日を設定した子ジョブネット、およびリンクジョブネットをジョブとして登録することにより、運用日ごとにジョブネット構成を自動的に変更できます。

子ジョブネット、およびリンクジョブネットに起動日を設定する手順については、“Systemwalker Operation Manager 使用手引書”を参照してください。

4階層のジョブネットを例として、構成図を以下に示します。1日にジョブネットC、2日にジョブネットDを起動日として設定しています。

ジョブネットをグループ管理する

いくつかのジョブネットをまとめて1つのグループとして登録することにより、グループ単位で起動/監視/操作することができます。

グループを登録/監視/操作する手順については “Systemwalker Operation Manager 使用手引書”を参照してください。

グループの構成図を以下に示します。


イベント発生を起動契機とする

ジョブネットは、起動日をベースにした実行スケジュールのほかに、イベント発生を契機として起動することができます。ジョブスケジューラでは、イベントのことを“メッセージ事象”と呼びます。

メッセージ事象は、jobschmsgeventコマンドを使って発生させることができます。

jobschmsgeventコマンドを使って、メッセージ事象を発生させることによりジョブネットを起動させる運用例を以下に示します。

参考

メッセージ事象を利用したジョブネットの連携は、ジョブネットの動作状況が確認しにくい、メッセージ事象のクリア操作で運用が煩雑になる、などの欠点があります。同様の運用がジョブネットの階層機能で実現できる場合が多いため、ジョブネットの階層機能を利用した運用をお薦めします。

なお、ジョブネットの起動条件として、起動日をベースにした実行スケジュールとイベント発生による実行契機との組合せ(AND/OR)を指定することもできます。

jobschmsgeventコマンドの詳細については、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

サーバ間でジョブネットを連携する

前述のjobschmsgeventコマンドを使って、他のサーバに対してメッセージ事象を発生させることができます。この方法を利用して、他のサーバ上のジョブネットを任意に起動させることができます。

jobschmsgeventコマンドでの指定内容を以下に示します。

参考

異なるOSのサーバに対してメッセージ事象を発生させる場合は、ネットワークジョブを利用して該当サーバでメッセージ事象を発生させてください。

可変パラメタを指定してジョブネットを起動する

可変パラメタを指定してジョブネットを起動することができます。可変パラメタとは、あらかじめジョブ定義内に記述された変数(@.VPARAM)を置き換えるために渡されるパラメタです。可変パラメタを受信したジョブネット内のジョブは、あらかじめ記述された変数を、受信した可変パラメタに置き換えて起動します。

決められた変数を利用してベースとなるジョブネットを定義しておき、可変パラメタを指定して起動することで、パラメタのみ異なる複数のジョブネット(業務)を運用する場合など、大量にジョブネットを定義する必要がなくなります。

可変パラメタを指定してジョブネットを起動する方法には、以下があります。

メッセージ事象の通知と同時に起動する

jobschmsgeventコマンドを使って、メッセージ事象発生の通知と同時に可変パラメタを渡してジョブネットを起動できます。

あらかじめ記述された変数を、メッセージ事象の通知とともに受信した可変パラメタに置き換えてジョブを起動します。

メッセージ事象の通知と同時に複写起動する

メッセージ事象発生の通知と同時に可変パラメタを渡してジョブネットを起動する場合に、起動対象のジョブネットを複写し、複写したジョブネットを起動することができます(以降、複写起動と呼びます)。パラメタが異なる複数のジョブネットを、異なるサフィックスをつけて並行で実行したり、ジョブネットの実行結果を上書きすることなく、異なるパラメタでジョブネットを実行できます。

動的に起動する

オペレータ操作により、可変パラメタを指定して起動したい場合や、異常時の復旧作業などで手動で可変パラメタを指定して起動したい場合に、動的に可変パラメタを指定した起動操作が可能です(以降、可変パラメタ起動と呼びます)。

可変パラメタを指定してジョブネットを起動する手順については、“Systemwalker Operation Manager 使用手引書”を参照してください。

ジョブ定義変数を利用してジョブ登録情報を一括置換する

あらかじめジョブ定義変数(@変数名@)を使用してジョブを定義しておき、ジョブが実行される時点でジョブ定義変数の値を一括変更させることができます。ジョブ定義のパスの環境定義など、簡単に一括置換できるため、運用環境が異なるシステム間での資産移行もスムーズに行うことができます。

詳細については、“Systemwalker Operation Manager 使用手引書”を参照してください。

GUIから定義情報をインポート/エクスポートする

Systemwalker Operation Managerクライアントの画面から、ジョブ/ジョブネットの定義情報、およびグループの定義情報がCSVファイルの形式でインポート/エクスポートできます。

インポート/エクスポートできるのは、以下のCSVファイルです。

ジョブネット定義CSVファイルおよびグループ定義CSVファイルの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”の“ジョブスケジューラコマンド”を参照してください。

インポートには、CSVファイルが存在するディレクトリ、または複数のCSVファイルを指定できます。インポート先は、“プロジェクト”です。プロジェクト配下に、CSVファイルに従ってジョブ/ジョブネットの定義情報、およびグループの定義情報がインポートされます。

エクスポートの対象範囲は、ジョブネット、親ジョブネット、子ジョブネット、マスタリンクジョブネット、グループ、プロジェクト、サブシステムです。対象範囲のジョブ/ジョブネットの定義情報、およびグループの定義情報から、指定したディレクトリ配下に、ジョブネット、グループごとにCSVファイルが作成されます。


V13.3.0以降のSystemwalker Operation Managerクライアントからインポート/エクスポートできるのは、以下のプラットフォーム/バージョンレベルのSystemwalker Operation Managerサーバの定義情報です。

詳細は、“Systemwalker Operation Manager 使用手引書”の、“GUIからインポート/エクスポートする”を参照してください。

Systemwalker Operation Manager上のユーザを利用する【UNIX版】

Systemwalker Operation Managerの各機能を利用するには、OS上に登録したユーザでログインするなど、通常、OS上のユーザの権限で利用する必要があります。UNIX版では、Systemwalker Operation Managerの各機能を利用するユーザを、Systemwalker Operation Manager上に登録し、管理できます(拡張ユーザ管理機能)。

拡張ユーザ管理機能を利用することにより、以下の利点があります。

拡張ユーザ管理機能により、Systemwalker Operation Manager上で管理されるユーザは、クライアントからの操作によって、Systemwalker Operation Managerの各機能を利用することができます。

電源未投入時のジョブネットを起動する

サーバの電源が投入されていない場合など、ジョブネットが起動予定時刻に起動できなかった時の処置を指定することができます。ジョブネット情報を登録する時に、“電源未投入時の処置として電源投入時に起動”を指定します。

ジョブネット情報の登録についての概要は、“Systemwalker Operation Manager 使用手引書”を参照してください。

スケジュールサーバのシステムダウン時に業務を継続する

スケジュールサーバがシステムダウンした場合でも、実行中のネットワークジョブ(スケジュールサーバとは別のサーバで実行されているジョブ)は強制終了されず実行を継続させることができます。スケジュールサーバが再起動された時に、実行サーバ上で実行中であったジョブの状態を確認して、スケジュール情報ファイルに自動的に反映します。後続のジョブがある場合は、自動的にジョブネットが再起動されて、業務の実行を継続します。

スケジュールサーバのシステムダウン時にネットワークジョブの実行を継続するかどうかは、実行継続モード切り替えコマンドによって定義します。定義方法については、“Systemwalker Operation Manager 使用手引書”を参照してください。

注意

  • 実行継続モードの有効/無効の設定は、連携するすべてのサーバで統一する必要があります。統一されていない場合の動作は保証されません。

  • 実行継続モードを有効に設定しても、実行サーバ(スケジュールサーバとは別のサーバ)がシステムダウンした場合、実行中のネットワークジョブは異常終了し、実行は継続されません。実行継続モードは、実行サーバのシステムダウン時に業務を継続するかどうかを設定するものではなく、スケジュールサーバのシステムダウン時に業務を継続するかどうかを設定するものです。

ネットワークジョブの実行サーバを二重化する

ネットワークジョブで指定した実行サーバがシステムダウンしていた場合、または通信経路が途絶えている場合、第2候補の実行サーバへ自動的にネットワークジョブの実行を依頼することができます。

ネットワークジョブの実行サーバを二重化する場合は、第1候補、第2候補の実行サーバをジョブの登録時に定義します。定義方法については“Systemwalker Operation Manager 使用手引書”を参照してください。

注意

  • 第1候補および第2候補の両方のサーバがシステムダウンしていた場合、ジョブは実行時に異常終了します。

  • 第1候補および第2候補には、ローカルホスト名を指定しないようにしてください。

テストモードで運用する

複数サブシステム運用をしている場合に、現在運用中のサブシステムとは別のサブシステム上で、テストモードとして事前に先のスケジュールの実行確認をすることができます。OSの時間を変更しなくても、任意のサブシステムだけに仮想時間を設定することができるので、仮想時間を設定したサブシステム上で実行確認を行うことができます。仮想時間の定義方法については、“Systemwalker Operation Manager 使用手引書”を参照してください。

なお、SE版では複数サブシステム運用はサポートされていませんが、仮想時間の設定は可能です。本運用前に仮想時間を設定して、運用テストを実施できます。

ジョブネットの起動設定を一時変更する

起動時刻や終了予定時刻など、ジョブネット情報登録時に起動条件として設定した情報を一時変更することができます。一時変更の指定期間中、対象ジョブネットは、変更した起動環境に従って起動されます。指定期間を過ぎた時点で、元の起動環境に戻ります。

変更方法についての概要は、“Systemwalker Operation Manager 使用手引書”を参照してください。

起動パラメタを変更する

インストール後のジョブスケジューラサービスの起動パラメタには、省略値が設定されていますが、必要に応じて変更することができます。

起動パラメタの内容および設定方法については、“Systemwalker Operation Manager 導入手引書”を参照してください。

API/出口を利用する

以下のAPI/出口を利用することにより、利用者の運用に合わせて、動作環境をカスタマイズすることができます。API/出口の詳細については、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

各種情報を出力する

ジョブスケジューラが管理している以下の情報を、jobschprintコマンドを使って、標準出力に出力することができます。jobschprintコマンドの詳細については、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

ジョブネット/ジョブ/グループの操作ミスを防止する

クライアントでジョブ/ジョブネット/グループを操作する時に、操作を確認するダイアログボックスを表示させることにより、操作ミスを防ぐことができます。操作の確認は、[操作の確認]ダイアログボックスで行います。

[操作の確認]ダイアログボックスの設定方法など詳細については、“Systemwalker Operation Manager 使用手引書”を参照してください。

終了コードによって後続ジョブを切り分ける

先行ジョブの終了コードの値によって、どの後続ジョブを実行するかを切り分けることができます。

下図のように、起動条件として、ジョブAの終了コードが10以下の場合はジョブBを起動し、終了コードが10より大きい場合はジョブCを起動するといった設定ができます。

詳細は、“Systemwalker Operation Manager 使用手引書”を参照してください。