持ち越しジョブネットの状態と操作について説明します。
持ち越しジョブネットに対する操作について説明します。
オペレータ対処用の操作
持ち越しジョブネットに対する操作は、Systemwalker Operation Managerのジョブネットに対する操作(強制終了・起動・再起動・停止・停止解除・無効・無効解除・確認・持越解除)の他に、“オペレータ対処”用に以下の操作が追加されています。
オペレータ対処用の操作は、[ジョブネットのプロパティ]ダイアログボックス-[基本情報]シートの[運用指示]で[オペレータ対処]を選択し、かつ日変わり時刻到来時の状態が“停止中”(打ち切りの操作は、“実行中”、“警告”、“持ち越し”も可能)のジョブネットに対して可能で、当日のスケジュールを適用したいときに操作します。
オペレータ対処用の操作 | 意味 |
---|---|
並列走行 | 運用指示が“オペレータ対処”で停止中のジョブネットを停止解除するとともに当日のジョブネットをスケジュールします。 |
追い越し | 運用指示が“オペレータ対処”で停止中のジョブネットはそのままで当日のジョブネットをスケジュールします。 |
打ち切り | 運用指示が“オペレータ対処”で停止中のジョブネットは無効状態、実行中/警告のジョブネットは強制終了、持ち越し状態のジョブネットは持越解除状態にして当日分のジョブネットをスケジュールします。 |
ジョブネットの状態と操作の関係
持ち越しジョブネットの状態と、可能な操作の関係を以下に示します。
“並列走行”、“追い越し”、“打ち切り”以外の操作は、マスタスケジュール管理機能が有効になっていない場合と同じです。詳細は、“Systemwalker Operation Manager 使用手引書”の“ジョブネットを操作する”を参照してください。
“並列走行”、“追い越し”、“打ち切り”の操作は、マスタスケジュール管理機能が有効となっており、かつ運用指示が“オペレータ対処”の場合のみに有効です。
状態 | 正常 | 異常 | 強制 | 警告 | 実行 | 実行 | 停止 | 無効 | 確認 | 持ち | 未 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
強制 | × | × | × | ○ | ○ | × | × | × | × | × | × |
起動 | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | × | × | ○ | ○ | ○ |
再起動 | × | ○ | ○ | × | × | × | × | × | ○ | × | × |
停止 | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | × | × | ○ | ○ | ○ |
停止 | × | × | × | × | × | × | ○ | × | × | × | × |
無効 | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | × | ○ | ○ | ○ |
無効 | × | × | × | × | × | × | × | ○ | × | × | × |
確認 | × | ○ | ○ | × | × | × | × | × | × | × | × |
持越 | × | × | × | × | × | × | × | × | × | ○ | × |
並列走行 | × | × | × | × | × | × | ○ | × | × | × | × |
追い越し | × | × | × | × | × | × | ○ | × | × | × | × |
打ち切り | × | × | × | ○ | ○ | × | ○ | × | × | ○ | × |
○:操作できます。 ×:操作できません。
注1) 疑似正常を含みます。 注2) 終了遅延を含みます。 注3) 開始遅延を含みます。 注4) 確認操作を有効とする設定がされている場合に有効です。 注5) 運用指示が、“オペレータ対処”の場合のみ有効です。
持ち越しジョブネットの操作ミスを防止する
持ち越しジョブネットを操作する時に、操作を確認するダイアログボックスを表示させることにより、操作ミスを防ぐことができます。操作の確認は、[操作の確認]ダイアログボックスで行います。
オペレータ対処用の操作に関する[操作の確認]ダイアログボックスは、以下のジョブネットの操作に対応しています。
オペレータ対処用の操作 | [操作の確認]ダイアログを表示する操作 |
---|---|
並列走行 | 停止解除 |
追い越し | 起動 |
打ち切り | 強制終了、無効、持越解除のうちいずれか |
[操作の確認]ダイアログボックスの表示/非表示の設定方法など詳細については、“Systemwalker Operation Manager 使用手引書”を参照してください。
持ち越しジョブネットに対する対処状態を以下の表に示します。
対処状態 | 意味 |
---|---|
削除 | 当日中に実行を開始できず、翌日にスケジュールを削除された状態です。 [運用指示]で“打ち切り”が指定されている、実行待ちのジョブネットが持ち越された場合や、当日に完了せず、[日変わり時刻到来時に持ち越し処理を行う]が設定されていないジョブネットがこの状態になります。 |
中止 | 当日中に処理を完了できず、翌日に強制的に終了させた状態です。 [運用指示]が“打ち切り”であり、かつマスタスケジュール管理環境設定で、[持ち越し打ち切り時の動作]を[動作中ジョブネットの強制終了]に設定している、実行中または警告のジョブネットを強制終了した場合、または、停止中のジョブネットを無効状態にした場合に、この状態になります。 ただし、異常ジョブがある警告状態のジョブネットを強制終了した場合、“未対処”になります。 |
持ち越し | 当日中に処理を完了できず、翌日にスケジュールを実行している状態です。 [運用指示]が“打ち切り”で、かつマスタスケジュール管理環境設定で[持ち越し打ち切り時の動作]を[動作中ジョブネットの処理を継続する]に設定している場合、[運用指示]が“完了待ち”、“並列走行”の場合に、この状態になります。 |
翌日完了 | 当日中に処理を完了できず持ち越され、翌日に処理が完了した状態です。以下の場合に、この状態になります。 ・[運用指示]が“打ち切り”で、かつマスタスケジュール管理環境設定で[持ち越し打ち切り時の動作]を[動作中ジョブネットの処理を継続する]に設定しているジョブネットが正常終了になった場合 ・[運用指示]が“完了待ち”、“並列走行”のジョブネットが正常終了、無効状態になった場合 |
未対処 | オペレータによる対処がされていない状態です。 [運用指示]で“オペレータ対処”が指定され、対処がされていない場合、この状態になります。 |
対処済 | オペレータによる対処がされた状態です。 [運用指示]で“オペレータ対処”が指定され、対処がされた場合、この状態になります。 |
[マスタスケジュール管理状況監視[持ち越しジョブネットの監視]]ウィンドウに表示される持ち越しジョブネットに対する運用指示とその意味を以下の表に示します。
運用指示 | 意味 |
---|---|
打ち切り | オペレータの対処を不要とし、自動的にジョブネットを打ち切ります。[マスタスケジュール管理環境設定]の[持ち越し打ち切り時の動作]の設定により、実行中/警告/停止中のジョブネットに対する処理(強制終了または継続)が行われます。 |
完了待ち | オペレータの対処を不要とし、自動的に翌日へ持ち越します。翌日のスケジュールは、持ち越したジョブネットが完了した時点でスケジュールされます。 |
並列走行 | オペレータの対処を不要とし、自動的に翌日へ持ち越します。翌日のスケジュールは、持ち越したジョブネットの完了にかかわらず、日変わり時刻が到来するとスケジュールされます。 |
オペレータ対処 | オペレータの対処を必要とするジョブネットです。運用者の判断をした後で持ち越しを行います。当日内に完了できなかった未実行のジョブネットは翌日停止状態になります。 |
運用指示ごとのジョブネットの動作について説明します。
運用指示が、打ち切り-継続の場合
運用指示が打ち切りで、[マスタスケジュール管理環境設定]ダイアログボックスの、[持ち越し打ち切り時の動作]で、[動作中ジョブネットの処理を継続する]を選択した場合の動作について以下に示します。
| 日変わり時刻前のジョブネット状態 | 日変わり時刻の処理 | 日変わり時刻後のジョブネット状態 | 対処状態 | 操作後のジョブネット状態 | 対処状態 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 実行待ち | スケジュールを削除する | 未実行 | 削除 | - | - |
2 | 異常終了 | 何もしない | 異常終了 | 未対処 | 確認済/正常終了 | 翌日完了 |
3 | 無効 | 中止 | ||||
4 | 上記以外 | 持ち越し | ||||
5 | 警告 | 何もしない | 警告 | 持ち越し | 正常終了 | 翌日完了 |
6 | 無効 | 中止 | ||||
7 | 上記以外 | 持ち越し |
ジョブネット状態の実行待ちには開始遅延を含み、実行中には終了遅延を含みます。
当日分の同名ジョブネットは、日変わり時刻が到来するとスケジュールされます。
運用指示が、打ち切り-強制終了の場合
運用指示が打ち切りで、[マスタスケジュール管理環境設定]ダイアログボックスの、[持ち越し打ち切り時の動作]で、[動作中ジョブネットの強制終了]を選択した場合の動作について以下に示します。
| 日変わり時刻前のジョブネット状態 | 日変わり時刻の処理 | 日変わり時刻後のジョブネット状態 | 対処状態 | 操作後のジョブネット状態 | 対処状態 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 実行待ち | スケジュールを削除する | 未実行 | 削除 | - | - |
2 | 異常終了 | 何もしない | 異常終了 | 未対処 | 確認済/正常終了 | 翌日完了 |
3 | 無効 | 中止 | ||||
4 | 上記以外 | 持ち越し | ||||
5 | 実行中 | ジョブネットを強制終了する | 強制終了 | 中止 | - | - |
6 | 警告 | ジョブネットを強制終了する | 異常終了 | 未対処 | 確認済/正常終了 | 翌日完了 |
7 | 無効 | 中止 | ||||
8 | 上記以外 | 持ち越し | ||||
9 | 停止中 | ジョブネットを無効にする | 無効 | 中止 | - | - |
強制終了により警告状態となったジョブネットを強制終了した場合は、日変わり時刻後のジョブネット状態は強制終了となります。この場合の対処状態は中止となります。
ジョブネット状態の実行待ちには開始遅延を含み、実行中には終了遅延を含みます。
当日分の同名ジョブネットは、日変わり時刻が到来するとスケジュールされます。
運用指示が、完了待ち/並列走行の場合
運用指示が完了待ち/並列走行の場合の動作について以下に示します。
| 日変わり時刻前のジョブネット状態 | 日変わり時刻の処理 | 日変わり時刻後のジョブネット状態 | 対処状態 | 操作後のジョブネット状態 | 対処状態 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 異常終了 | 何もしない | 異常終了 | 持ち越し | 確認済/正常終了/無効 | 翌日完了 |
2 | 未実行 | 削除 | ||||
3 | 上記以外 | 持ち越し |
ジョブネット状態の実行待ちには開始遅延を含み、実行中には終了遅延を含みます。
当日分の同名ジョブネットは、運用指示が“完了待ち”の場合は、対処状態が“翌日完了”になったときにスケジュールされます。運用指示が“並列走行”の場合は、日変わり時刻が到来するとスケジュールされます。
運用指示が、オペレータ対処の場合
運用指示がオペレータ対処の場合の動作について説明します。
日変わり時刻後の対処状態
日変わり時刻前後のジョブネットの状態と、日変わり時刻後の対処状態は以下のとおりです。
| 日変わり時刻前のジョブネット状態 | 日変わり時刻の処理 | 日変わり時刻後のジョブネット状態 | 対処状態 |
---|---|---|---|---|
1 | 異常終了 | 何もしない | 異常終了 | 持ち越し |
2 | 実行待ち | 停止にする | 停止中 | 未対処 |
3 | 停止中 | 何もしない | 停止中 | 未対処 |
4 | 実行中 | 何もしない | 実行中 | 持ち越し |
ジョブネット状態の実行待ちには開始遅延を含み、実行中には終了遅延を含みます。
ジョブネットの操作と対処状態
ジョブネットを操作した場合の対処状態は、以下のとおりです。
| ジョブネットの状態 | ジョブネットの操作 | 操作後のジョブネットの状態 | 対処状態 |
---|---|---|---|---|
1 | 異常終了 | 確認 | 確認済 | 対処済 |
2 | 起動 | 正常終了 | 対処済 | |
3 | 正常終了以外 | 持ち越し | ||
4 | 停止 | 停止中 | 未対処 | |
5 | 停止中 | 停止解除 | 正常終了 | 対処済 |
6 | 停止解除 | 実行中 | 持ち越し | |
7 | 追い越し | 停止中 | 未対処 | |
8 | 無効 | 無効状態 | 対処済 | |
9 | 打ち切り | 無効状態 | 対処済 | |
10 | 持ち越し | 起動 | 正常終了 | 対処済 |
11 | 正常終了以外 | 持ち越し | ||
12 | 停止 | 停止中 | 未対処 | |
13 | 無効 | 無効状態 | 対処済 | |
14 | 持越解除 | 未実行 | 削除 | |
15 | 実行中 | 強制終了 | 強制終了 | 持ち越し |
16 | 警告 | 強制終了 | 異常終了(注) | 持ち越し |
強制終了により警告状態となったジョブネットを強制終了した場合は、強制終了となります。
ジョブネット状態の実行待ちには開始遅延を含み、実行中には終了遅延を含みます。
当日分の同名ジョブネットは、運用指示が“オペレータ対処”の場合、対処状態が“未対処”、“持ち越し”の場合はスケジュールされません。持ち越しジョブネットが“対処済”になったときにスケジュールされます。
[ジョブネットのプロパティ]の[運用指示]で“オペレータ対処”となっているものは、持ち越しジョブネットに対し、以下のような対処が可能です。
未実行のジョブネットの処理はせず、当日のジョブネットをスケジュールしたい
ジョブネットの操作で“打ち切り”を実行します。
停止中となっている未実行のジョブネットは無効状態となり、当日のジョブネットがスケジュールされます。
ジョブネット操作で“無効”操作をした場合と同様の動作になります。
未実行のジョブネットの処理を完了させて、当日のジョブネットをスケジュールしたい
ジョブネットの操作で“停止解除”を実行します。
停止解除後のジョブネットの状態は、“持ち越し”状態となり、起動条件が整った時点で実行されます。
[ジョブネットのプロパティ]の[運用指示]で、“完了待ち”を指定した場合と同等の対処となります。
未実行のジョブネットの処理と当日のジョブネットのスケジュールを同時に行いたい
ジョブネットの操作で“並列走行”を実行します。
未実行のジョブネット(停止中)を停止解除して、さらに当日のジョブネットのスケジュールを行います。
[ジョブネットのプロパティ]の[運用指示]で、“並列走行”を指定した場合と同等の対処となります。
未実行のジョブネットはそのままにして、当日のジョブネットをスケジュールしたい
ジョブネットの操作で“追い越し”を実行します。
未実行のジョブネット(停止中)はそのまま継続して、さらに当日のジョブネットのスケジュールを行います。