Systemwalker Centric Managerでは、ネットワークやシステム、業務などの状況を集中的に監視することができます。以下のようなさまざまな目的で使用できます。
サーバ、ネットワーク機器の電源投入/切断状態を集中して監視する
ネットワーク負荷の集中箇所を監視しトラブルを未然に防止する
管理者のいないサーバで発生するトラブルをセンタで集中して監視する
トラブル発生による業務への影響をすばやく把握する
ウィルス検出製品と連携し、ウィルスを早期検出する
Systemwalker Centric Managerでは、ネットワーク、システム、アプリケーションについて、次の観点から集中的に監視することができます。
障害の監視
稼働状況の監視
性能の監視
Systemwalker Centric Managerのエージェントを導入していないサーバ/クライアントの監視
ホストの監視
さらに、ネットワーク、システム、アプリケーションについての監視を組み合わせ、業務の観点から監視することができます。
また、監視したい事象の発生をアクション定義の機能を使用し、管理者へ音声などで通知することができます。
障害の監視
Systemwalker Centric Managerでは、システム異常、ネットワーク異常などの発生をイベントとして集中的に監視できます。稼働状況や性能を監視している場合の異常もイベントとして監視することができます。
障害の監視は、個々のシステム、アプリケーションなどの単位のほか、業務単位で監視することが可能です。
イベントが発生すると、[Systemwalkerコンソール]画面に通知され、どこで、どのようなイベントが発生したかを確認することができます。
さらに、イベントの発生をメールなどで自動的に管理者へ通知するなどのアクションを自動的に実行することができます。アクションの自動実行については“自動アクション”を参照してください。
[Systemwalkerコンソール]から行う障害の対処
監視画面から直接、ほかのアプリケーションを起動することができます。ネットワーク機器の管理ツールや、[Systemwalker Operation Manager]ウィンドウを呼び出すことにより、監視イベントの詳細な調査や対処が可能になります。
障害の監視対象を以下に示します。
監視する障害の種類 | 部門管理/業務サーバ | クライアント | ネットワーク機器 | |
---|---|---|---|---|
Windows | UNIX | |||
ネットワーク | ○ | ○ | ○ | ○ |
システム | ○ | ○ | △ | - |
アプリケーション/業務 | ○ | ○ | - | - |
○:監視可能
△:一部監視可能
-:対象外
Systemwalker Centric Managerが導入されていないノードも管理可能です。ただし、トラップ監視/MIB監視では、SNMPエージェントからのトラップ受信/MIB収集により監視を行うため、SNMPエージェントが動作していることが必要です。
イベント監視は、Windows(R) 2000、Windows(R) XP Professional、Windows(R) Vista(Home Basic、Home Premiumを除く)、Windows(R) 7(Home Premiumを除く)で可能です。
稼働状況の監視
Systemwalker Centric Managerでは、サーバやルータ、アプリケーションなどの稼働/停止状態を集中的に監視します。
[Systemwalkerコンソール]に、稼働/停止などの状態や、状態の変化を通知します。状態の変化とは、停止状態への遷移または起動状態への遷移を示します。
稼働状況の監視対象を以下に示します。
監視する稼働状況の種類 | 部門管理/業務サーバ | クライアント | ネットワーク機器 | |
---|---|---|---|---|
Windows | UNIX | |||
ネットワーク/システム(稼働状態の監視) | ○(注) | ○(注) | ○(注) | ○(注) |
アプリケーション/業務 | ○ | ○ | - | - |
○:監視可能
-:対象外
稼働状態の監視では、Systemwalker Centric ManagerやSNMPエージェントが導入されていないノードも管理可能です。稼働状態の監視の“状態表示”では、インタフェース情報のMIBを収集し、監視を行うため、SNMPエージェントが動作していることが必要です。
また、稼働状態の監視では、監視に使用する以下のプロトコルを一覧から選択できます。
ICMP、SNMP、HTTP、FTP、TELNET、DNS、POP3、SMTP、HTTPS、Database、任意ポート
性能の監視
Systemwalker Centric Managerでは、システム、ネットワーク、アプリケーション、業務などの性能を集中的に監視します。各種性能情報を収集し、グラフ表示により性能の傾向を知ることができます。また、あらかじめ設定されたしきい値超えを監視し、性能の異常をイベントとして管理者へ通知します。しきい値超えを監視することで、性能トラブルの未然防止が可能です。
ネットワークやシステムの性能は、以下のように監視します。
ネットワーク性能監視
ネットワークシステム全体の性能状況(トラフィック情報)を把握するための機能です。ネットワークシステム全体に一律のしきい値を適用して監視します。
サーバ性能監視
監視システムごとに個別のしきい値を適用して、それぞれのシステムがその特性どおりに運用できているかを監視します。
監視の目的に合わせて、上記機能を使い分けることができます。ネットワークやシステムの性能監視の詳細については、“ネットワーク/システムの性能を監視する”を参照してください。
ネットワーク上に分散された複数のサーバ上に存在するアプリケーションの性能は、アプリケーション管理で集中して監視します。
アプリケーション管理による性能監視では、監視システムごとに個別の基準を適用して、それぞれのシステムがその特性どおりに運用できているかを監視することができます。アプリケーション管理については、“アプリケーションの性能を監視する”を参照してください。
ネットワークやシステムの性能監視に必要なエージェント
ネットワークやシステムの性能を監視するには、それぞれ以下のエージェントの機能が動作している必要があります。
監視対象 | SNMPエージェント | Systemwalker Centric Managerのシステム性能収集エージェント |
---|---|---|
ネットワークの性能 | ○ | × |
ネットワークの性能とシステムの性能 | ○ | ○ |
サーバ性能 | ○ | ○ |
○:必要
×: 不要
性能の監視対象を以下に示します。
性能監視の種類 | 部門管理/業務サーバ | クライアント | ネットワーク機器 | |
---|---|---|---|---|
Windows | UNIX | |||
ネットワークの性能の監視 | ○(注2) | ○(注1、注2) | ○(注2) | ○(注2) |
システムの性能の監視 | ○ | ○ | - | - |
アプリケーションの性能の監視 | ○ | ○ | × | - |
○:監視可能×:監視不可
-:対象外
Linuxは制限があります。“OS別機能差一覧”を参照してください。
注2)
Systemwalker Centric Managerが導入されていないノードも管理可能です。
Systemwalker Centric Managerのエージェントを導入していないサーバ/クライアントの監視
Systemwalker Centric Managerのエージェントを導入していないサーバ/クライアントの監視をインストールレス型エージェント監視といいます。
インストールレス型エージェント監視は、管理者が被監視システムにSystemwalker Centric Managerのエージェント機能を手動でインストールすることなく、運用管理/部門管理サーバから監視可能にするための機能です。
インストールレス型エージェント監視では、以下の2つの方式があります。
運用管理/部門管理サーバ上のインストールレス型エージェントが、被監視システムに対してSystemwalker Centric Managerのエージェント機能を配付することなく、被監視システムのOS機能を利用して監視を行います。
運用管理/部門管理サーバ上のインストールレス型エージェントが、被監視システムに対して自動でSystemwalker Centric Managerのエージェント機能を配付して監視を行います。非デプロイ方式よりも幅広い機能を利用できます。
インストールレス型エージェントで監視する場合と、インストール型エージェントを導入したサーバ/クライアントを監視する場合の差異を以下に示します。
インストールレス型エージェントの場合デプロイ方式 非デプロイ方式 | インストール型エージェントの場合 | |
---|---|---|
監視方法 | 一定時間間隔で情報を取得し、監視します。 | リアルタイムで監視します。 |
ネットワーク負荷 | すべてのイベントを一旦監視サーバに集めるため、導入している場合に比べ、監視サーバと業務サーバの間の通信データ量が大きくなります。 | 業務サーバでイベントをフィルタリングできるため、監視サーバと業務サーバの間の通信データ量を抑えることができます。 |
構成 | システムの構成に合わせて、2階層や3階層のシステム構成を柔軟に組むことができます。1台の監視サーバで監視できるサーバは300台までです。 | システムの構成に合わせて、2階層や3階層のシステム構成を柔軟に組むことができます。 |
ホストの監視
Systemwalker Centric Manager GEEは、TCP/IPネットワーク上のUNIXシステムやWindowsシステムを監視する機能に加えて、グローバルサーバ、SURE SYSTEM、Millennium Global ServerおよびS390ファミリ、PRIMEQUEST(以降、これらを併せてホストと呼びます)を監視することができます。
ホストの監視についての詳細は、“Systemwalker Centric Manager 使用手引書 グローバルサーバ運用管理ガイド”の“グローバルサーバ監視について”を参照してください。