機能説明
本コマンドは、収集したログを二次媒体装置へ退避します。
記述形式
ETERNUS NR1000F series以外の場合
mpatmmediacopy | [-H サーバ名] [-A ログ識別名] [-D 複写先ディレクトリ] [{-F 日数 -T 日数 | -B 日付}] [-W YES | NO ] [-V しきい値] [-K LOG | LOGA | CSV | CSVA] [-U YES | NO] |
ETERNUS NR1000F seriesの場合
mpatmmediacopy | [-H サーバ名] [-A ログ識別名] [-D 複写先ディレクトリ] [{-F 日数 -T 日数 | -B 日付}] [-P 保持期間] [-K LOG | LOGA | CSV | CSVA] [-U YES | NO] |
オプション
二次媒体装置へ複写したいサーバ名を指定します。
ログ収集を依頼したサーバ名を指定します。IPアドレスの指定も可能です。
サーバ名は、ASCII(128文字以内)で指定します。
IPアドレスを指定する場合、先頭に0を付けると8進数での指定扱いとなるため、先頭に0は指定しないでください。
本パラメタを省略した場合、格納済みの全サーバが複写対象となります。
IPアドレスの指定の場合は、格納ディレクトリ内に収集したログファイル名のサーバ名がIPアドレス表記になっている必要があります。
二次媒体装置へ複写したいログ識別名を指定します。
ログ識別名は、ASCII(80文字以内)で指定します。
本パラメタを省略した場合、指定したサーバ配下のすべてのログ識別名が複写対象となります。
複写先ディレクトリをASCII(80文字以内)のフルパスで指定します。
本パラメタを省略した場合は、収集ログ二次媒体複写先設定コマンド(mpatmmediadef)で指定した複写先ディレクトリに複写します。
本パラメタに指定するディレクトリは実在している必要があります。実在していないディレクトリを指定した場合は、本コマンドはエラーとなります。
また、ルートディレクトリ(Windowsの場合 c:\ などの指定、UNIXの場合“/”)を指定した場合や、ディレクトリ名の最後にパス区切り文字(Windowsの場合"\"、UNIXの場合"/")を指定した場合は、本コマンドはエラーとなります。
本パラメタは、収集ログ二次媒体複写先設定コマンド(mpatmmediadef)で指定した複写先ディレクトリからの相対ディレクトリも指定可能です。相対ディレクトリには、“..”のような上位にさかのぼる指定はできません。
Windowsの場合、ドライブ名(例:“C:\”)から始まっているディレクトリ、UNIXの場合、ルートディレクトリ“/”から始まっているディレクトリが絶対パスとなります。
複写先ディレクトリを設定した場合、以下のユーザだけに限定するように複写先ディレクトリのアクセス権を変更します。
Windows: Administrators権限、およびSYSTEM権限
UNIX : root権限
二次媒体装置へ複写したいログデータの日数の範囲を指定します。
本パラメタで指定した範囲の日数のログを複写対象とします。
本パラメタは、必ず対で指定する必要があります。
本パラメタには、0以外の数値を指定します。
-F に指定する日数は、-Tに指定する日数より大きい値を設定します。同じ日数を指定することはできません。
本パラメタを省略し、-B パラメタも省略した場合は、1日前のログデータのみ複写対象となります。
-B パラメタと同時に指定することはできません。
(例) 3日前から1日前までの範囲のログを複写対象とする場合
-F 3 -T 1
二次媒体装置へ複写したいログデータの日付を指定します。
本パラメタで指定した日付のログだけを複写対象とします。
本パラメタは以下のように指定します。
YYYY: 西暦年を指定する。
MM : 01~12で月を指定する。
DD : 01~31で日付を指定する。
本パラメタは、二次媒体へのログの退避が何らかの原因で失敗した日付だけを、再退避する場合にだけ使用してください。
本パラメタに、本コマンドを実行した当日や未来の日付を指定して実行した場合はエラーとなります。
-F -T パラメタと同時に指定することはできません。
(例) 2010年07月25日のみを複写する場合
-B 20100725
書き込み属性を可にする場合は“YES”を、書き込み属性不可の場合は“NO”を指定します。
本パラメタを省略した場合、“NO”として処理します。
複写対象装置がETERNUS NR1000F seriesの場合は、本パラメタの設定を指定しないでください。
ディスク使用量のしきい値を%の単位で指定します。1~100で指定します。
本パラメタは、-Pパラメタと同時に指定できません。
本パラメタと-Pパラメタを指定しなかった場合は、80として処理します。
ディスク使用量のしきい値を超えるファイルを処理した時点で、本コマンドは複写エラーとなります。
本パラメタは複写対象装置がETERNUS NR1000F seriesにたけ有効なパラメタです。
ETERNUS NR1000F seriesへ保持する期間(日数)を設定します。
0~3650で指定します。
本パラメタを指定することにより、本コマンド実行から、指定した日数の23:59まで、ETERNUS NR1000F seriesへの保持が可能となります。
本パラメタを指定することにより、複写先のファイルのアクセス時間を変更します。
0 を指定した場合、複写対象装置ETERNUS NR1000F seriesの設定に従う設定を行います。
本パラメタは、-Vパラメタと同時に指定できません。
本パラメタは、-W YESと同時に指定できません。
二次媒体に退避するログの種別を指定します。
収集したログを退避する場合は“LOG”を指定します。
圧縮したログを退避する場合は“LOGA”を指定します。
監査ログ分析機能で正規化したログを退避する場合は“CSV”を指定します。
圧縮した正規化ログを退避する場合は“CSVA”を指定します。
本オプションを省略した場合は、“LOG”が指定されます。
退避時のログデータの改ざんチェックを行う場合は“YES”、行わない場合は“NO”を指定します。
本オプションを省略した場合は、“NO”が指定されます。
復帰値
複写処理は正常終了しました。
一部の複写処理は失敗しました。
複写対象のファイルが存在しませんでした。
ログデータの内容の変更を検出しました。
複写処理は失敗しました。
参照
コマンド格納場所
Windows | Systemwalkerインストールディレクトリ\mpwalker.dm\bin |
UNIX | /opt/systemwalker/bin |
実行に必要な権限/実行環境
【Windows】
Administrator権限が必要です。
Windows Server 2008で本コマンドを実行する場合、[管理者として実行]を選択して起動したコマンドプロンプト上で実行してください。
以下にコマンドプロンプトの起動例を示します。
[スタート]-[アクセサリ]-[コマンドプロンプト]を右クリックして表示されるメニューから、[管理者として実行]を選択して起動する。
運用管理サーバ、中継サーバで実行可能です。
【UNIX】
システム管理者(スーパーユーザ)権限が必要です。
運用管理サーバ、中継サーバで実行可能です。
注意事項
必要な権限を持ったユーザIDで本コマンドを実行してください。
本コマンドは、以下のコマンドや処理を実行中の場合、実施できません。
ファイル転送情報定義コマンド(mpatmtrsdef)
収集ログ二次媒体複写先設定コマンド(mpatmmediadef)
収集ログ二次媒体複写コマンドの退避対象ログに関係する被管理サーバとログ識別名のログ収集中の場合
収集したログの圧縮コマンド(mpatmarchive)
圧縮したログの解凍コマンド(mpatmextract)
収集したログの改ざん確認コマンド(mpatmchecklog)
収集したログの削除コマンド(mpatmdellog)
複写先のディレクトリに同名のファイルが存在する場合、以下のように扱います。
ファイルサイズが同じ場合
複写を実行しません。「複写先上に既に同一サイズのファイルが存在します。」メッセージが出力されます。
ファイルサイズが異なる場合
別名で保存されます。
[テキストログの場合]
ファイル名が“Server_LogName_Code_Date_XX.log”の場合
Server:サーバ名
LogName:ログ識別名
Code:文字コード
Date:日付(YYYYMMDD形式)
XX:分割通番(2GB以上で分割されていない場合は存在しません)
NNN:通番(001~999)(注)
注)999を超える通番になった場合、その旨をメッセージ通知し、ファイルのコピーは失敗します。
[バイナリログの場合]
ファイル名が “Server_LogName_Code_Date_File_XX.log”の場合
Server:サーバ名
LogName:ログ識別名
Code:文字コード
Date:日付(YYYYMMDD形式)
File:バイナリファイルの元ファイル名(拡張子前の“.”は“_”に置き換え)
XX:分割通番(2GB以上で分割されていない場合は存在しません)
NNN:通番(001~999)(注)
注)999を超える通番になった場合、その旨をメッセージ通知し、ファイルのコピーは失敗します。
[圧縮ログ(元ファイルがテキストログ)の場合]
ファイル名が“Server_LogName_Code_Date_XX.loga”の場合
Server:サーバ名
LogName:ログ識別名
Code:文字コード
Date:日付(YYYYMMDD形式)
XX:分割通番(2GB以上で分割されていない場合は存在しません)
NNN:通番(001~999)(注)
注)999を超える通番になった場合、その旨をメッセージ通知し、ファイルのコピーは失敗します。
[圧縮ログ(元ファイルがバイナリログの場合)]
ファイル名が“Server_LogName_Code_Date_File_XX.loga”の場合
Server:サーバ名
LogName:ログ識別名
Code:文字コード
Date:日付(YYYYMMDD形式)
File:バイナリファイルの元ファイル名(拡張子前の“.”は“_”に置き換えられます)
XX:分割通番(2GB以上で分割されていない場合は存在しません)
NNN:通番(001~999)(注)
注)999を超える通番になった場合、その旨をメッセージ通知し、ファイルのコピーは失敗します。
[正規化ログの場合]
ファイル名が“Server_LogName_Code_DateCCC.csv”の場合
Server:サーバ名
LogName:ログ識別名
Code:文字コード
Date:日付(YYYYMMDD形式)
CCC:通番(001~999)(注)
NNN:通番(001~999)(注)
注)999を超える通番になった場合、その旨をメッセージ通知し、ファイルのコピーは失敗します。
[圧縮した正規化ログの場合]
ファイル名が“Server_LogName_Code_DateCCC.csva”の場合
Server:サーバ名
LogName:ログ識別名
Code:文字コード
Date:日付(YYYYMMDD形式)
CCC:通番(001~999)(注)
NNN:通番(001~999)(注)
注)999を超える通番になった場合、その旨をメッセージ通知し、ファイルのコピーは失敗します。
複写先ディレクトリを設定した場合、以下のユーザだけに限定するように複写先ディレクトリのアクセス権を変更します。
Windows: Administrators権限、およびSYSTEM権限
UNIX : root権限
UNIX環境でNFSマウントしたネットワーク上のパスを複写先ディレクトリに指定した場合は、事前に問題なくパスにアクセスできることを確認してください。ファイルサーバのダウンなどが原因でパスが利用できない場合、NFSタイムアウトが発生するまで処理が終了しません。
syslogへの日本語出力をサポートしていない環境の場合、実行結果は英語で表示されます。
syslogへの日本語出力をサポートしていない環境は以下の通りです。
HP-UX版
AIX版(SJIS環境)
使用例1
ログ識別名:log1のみのログファイルを5日分、書き込み不可属性で二次媒体へコピーします。
mpatmmediacopy -A log1 -D Z:\LogData -F 5 -T 1 -W NO -K LOG
使用例2
しきい値90%ですべてのログファイルを1日分、二次媒体へ複写します。
mpatmmediacopy -D Z:\LogData -S 90
使用例3
すべてのログファイルを1日分、ETERNUS NRへ複写します。
mpatmmediacopy -D Y:\LogData -P 10
使用例4
収集ログ二次媒体複写先設定コマンド(mpatmmediadef)で“F:\savelog”を設定し、その配下の“F:\savelog\svr1\log1”にサーバsvr1のログ識別名log1のログファイルを1日前のログデータだけ複写します。
mpatmmediacopy -H svr1 -A log1 -D svr1\log1
使用例5
圧縮したログのうち、ログ識別名:log1のみのログファイルを5日分、書き込み不可属性で二次媒体にコピーします。
mpatmmediacopy -A log1 -D Z:\LogData -F 5 -T 1 -W NO -K LOGA
使用例6
正規化したログのうち、ログ識別名:log1のみのログファイルを5日分、書き込み不可属性で二次媒体にコピーします。
mpatmmediacopy -A log1 -D Z:\LogData -F 5 -T 1 -W NO -K CSV
使用例7
圧縮した正規化ログを二次媒体にコピーします。
mpatmmediacopy -F 5 -T 1 -K CSVA
実行結果/出力形式
mpatm: 情報: 2: mpatmmediacopyコマンドを開始します。 [警告メッセージ、エラーメッセージを標準エラーに出力します]