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Interstage Application Server OLTPサーバ運用ガイド
Interstage

4.1.1 CORBAワークユニットの起動

CORBAワークユニットの起動方法について説明します。
ワークユニットの起動には、コマンドを使用する方法と、Interstage管理コンソールを使用する方法があります。また、Interstage Application Serverの起動と同時にワークユニットを起動することもできます。


ポイント

  • ワークユニットに複数のアプリケーションが登録されている場合、および、プロセス多重度に2以上が設定されている場合、同一ワークユニットのプロセスは同時並行で起動されます。また、複数のワークユニットを同時並行で起動することもできます。

  • ワークユニットのプロセスは、すべてローカルシステムアカウントで動作します。任意のユーザアカウントで動作させることはできません。

  • ワークユニットのプロセスは、ワークユニット起動者の資格で動作します。そのため、ワークユニット起動者はワークユニット上のアプリケーションがアクセスする資源に対して、以下の権限を保持している必要があります。
    なお、ワークユニット起動者とは、isstartwuコマンドを実行したユーザ、および、Interstage管理コンソールにログインしワークユニットの起動操作を実施したユーザまたはワークユニット自動起動の起動ユーザ名で指定したユーザです。

    • ワークユニット定義で指定したディレクトリおよびファイルを使用するために必要なアクセス権。

    • ワークユニット上のアプリケーションが使用する資源に対する利用権。

  • ワークユニットを起動するユーザ名は、以下の2つの条件を満たしている必要があります。

    • OSが許可した文字で構成されている。

    • 8バイト以内の文字列で構成されている。


コマンドを使用する方法

isstartwuコマンドでワークユニット名を指定して起動します。

isstartwu ISSAMPLE1

isstartwuコマンドが複数同時に実行された場合、ワークユニットは同時並行で起動されます。

ワークユニットの起動に成功した場合、コマンドの応答メッセージとして、以下のメッセージが出力されます。

isstartwu: 情報: is30199:コマンドが正常に終了しました

ワークユニットの起動に失敗した場合、コマンドの応答メッセージとして、原因を示すメッセージが出力されます。出力されているメッセージの対処を「メッセージ集」で確認し、原因を取り除いた後、ワークユニットを再起動してください。なお、原因を示すメッセージは、同時にシステムログに出力される場合がありますので、システムログも確認し、出力されているメッセージの対処に従ってください。


Interstage管理コンソールを使用する方法

ワークユニットの起動は、以下の手順で行います。

  1. Interstage管理コンソールにログインします。

  2. Interstage管理コンソールの
    [Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [システム] > [ワークユニット]の[状態]タブ
    または、
    [Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [システム] > [ワークユニット] > [ワークユニット名]の[操作]タブ
    でワークユニットの起動操作を行います。
    なお、[Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [システム] > [ワークユニット]の[状態]タブで、ワークユニットの[チェックボックス]を複数選択し、起動した場合、ワークユニットは同時並行で起動されます。その場合、選択したワークユニットの起動がすべて完了してから応答が返ります。


ワークユニットの起動に成功した場合、Interstage管理コンソールに、以下のメッセージが出力されます。

IS: 情報: is41003: CORBAアプリケーションを起動しました(ワークユニット名=%s)

ワークユニットの起動に失敗した場合、Interstage管理コンソールに、以下のメッセージが出力されます。

IS: エラー: is20450:ワークユニット(%s)の処理に失敗しました 理由コード(%d)

%sには、ワークユニット名が表示されます。
%dには、理由コードが表示されます。理由コードは「メッセージ集」の該当メッセージIDの説明に記載されています。理由コードに応じた処置を行い、ワークユニットを再起動してください。
また、原因を示すメッセージは、同時にシステムログに出力される場合があります。システムログも確認し、出力されているメッセージの対処に従い、原因を取り除いた後、ワークユニットを再起動してください。


4.1.1.1 Interstage Application Serverの起動に連動したワークユニットの自動起動

Interstage Application Serverの起動時に、CORBAワークユニットを自動起動する方法について説明します。


Interstage管理コンソールを使用する方法

Interstage管理コンソールを使用すると、Interstage Application Serverの起動時に、ワークユニットを自動起動することができます。

Interstage管理コンソールの
[Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [システム] > [ワークユニット]の[新規作成]タブ
または、
[Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [システム] > [ワークユニット] > [ワークユニット名]の[環境設定]タブ
で[ワークユニット設定]の「ワークユニット自動起動」から「自動起動する」または「自動起動しない」を設定してください。
「自動起動する」を選択したワークユニットは、Interstage Application Serverの起動の延長で、全てのワークユニットが同時並行で起動されます。また、ワークユニットの起動が完了した後に、Interstage Application Serverの起動の応答が返ります。



SolarisとLinuxの場合には「自動起動する」を選択した場合、起動ユーザ名を指定します。
起動ユーザ名は、Interstage管理コンソールにスーパユーザでログインした場合は、システムに登録されている任意のユーザ名を指定できます。スーパユーザ以外でログインした場合は、ログインユーザ名のみ指定できます。
登録されている起動ユーザ名の変更は、スーパユーザでログインした場合は、任意のユーザ名に変更できますが、スーパユーザ以外でログインした場合は、ログインユーザ名にのみ変更できます。


Interstage管理コンソールを使用しない方法


Windowsの場合には、ワークユニット自動起動設定ファイルを作成することにより、Interstage Application Server起動時にワークユニットを自動的に起動させることができます。

ワークユニットを自動起動させる手順を以下に示します。

  1. Interstage Application Serverを停止します。

  2. ワークユニット自動起動設定ファイルを作成し、自動起動させたいワークユニット名を記述します。ワークユニット自動起動設定ファイルについては「付録E ワークユニット自動起動設定ファイル 」を参照してください。

  3. Interstage Application Serverを起動すると、指定されたワークユニットが自動的に起動されます。


注意

グローバルトランザクション連携を行うワークユニットでは、自動起動はできません。



SolarisとLinuxの場合には、Interstage Application Server起動時にワークユニットを自動的に起動させることはできません。そのため、シェルプログラムで、Interstage Application Serverの起動コマンドの後に、ワークユニット起動コマンドを記述してください。マシン起動時に、Interstage Application Serverを自動起動し、ワークユニットも自動起動したい場合は、RCプロシジャに、ワークユニット起動コマンドを記述してください。


4.1.1.2 起動時間監視

ワークユニットの起動完了までの待ち時間を指定することができます。ワークユニット起動待ち時間を指定すると、アプリケーションプログラムの初期処理において問題が発生し、起動処理がハングアップした場合や遅延したときに、プロセスを強制停止し、起動処理を中止させることができます。

なお、ワークユニット起動待ち時間は、0から65535の値を指定することができます。デフォルトが180秒です。変更する場合は、ワークユニット定義コマンドまたはInterstage管理コンソールよりワークユニットの環境設定を変更してください。なお、起動完了まで処理を中断したくない場合は、ワークユニット起動待ち時間に0を指定します。


コマンドを使用する方法

ワークユニット定義の「Startup Time(ワークユニット起動待ち時間)」に監視時間を設定してください。

ワークユニット定義ファイル

[Control Option]
Startup Time:200

isaddwudefコマンドでワークユニット名を指定して登録します。

isaddwudef -o ISSAMPLE1

Interstage管理コンソールを使用する方法

  1. Interstage管理コンソールにログインします。

  2. Interstage管理コンソールの
    [Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [システム] > [ワークユニット]の[新規作成]タブ
    または、
    [Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [システム] > [ワークユニット] > [ワークユニット名]の[環境設定]タブ
    で[ワークユニット設定]の「ワークユニット起動待ち時間」に監視時間を設定してください。