標準インストールやカスタムインストールを利用して本製品をインストールする場合、インストール先フォルダ名やインストールする機能などのインストーラに必要な情報を対話形式で入力する必要があります。
サイレントインストール機能では、インストール時に必要な情報をあらかじめ作成しておいた応答ファイルから読み込むことで、対話形式での情報入力を一切行わずにインストールを行います。
使用上の条件
同一製品が対象のシステムにインストールされている場合には、本機能を利用することはできません。事前にアンインストールしてから実施してください。
ターミナルサービスが運用されている環境においては、ターミナルサービスをインストールモードに変更してから実施してください。
インストールモードへの変更方法:
CHANGE USER /INSTALL
作業は、コンピュータの管理者またはAdministratorsグループのメンバで実施してください。
注意
Windows Vista、Windows Server 2008またはWindows 7で実行する場合
管理者権限が必要であるため、管理者のコマンドプロンプトから実行してください。以下に管理者のコマンドプロンプトの起動方法を示します。
[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム](*)>[アクセサリ]>[コマンドプロンプト] を選択して右クリックします。
コンテキストメニューから[管理者として実行]をクリックします。
ユーザーアカウント制御のダイアログボックスが表示された場合は[続行]をクリックします。
(*) クラシック[スタート]メニューの場合は、[プログラム]
サイレントインストールの手順
以下の手順でインストールします。
応答ファイルの作成
サイレントインストールを実行するためには、インストールに必要な情報が記録された応答ファイルが必要です。インストーラを一度実際に対話形式で実行し、画面の入力情報を記録させます。
応答ファイルを作成する場合、以下のパラメタでインストーラを起動してください。
例) 応答ファイルをC:\tmp\setup.issに作成する場合
(CD-ROMドライブ)\INST\Disk1\issetup.exe -r -f1C:\tmp\setup.iss
上記コマンドを実行後、通常のインストール操作と同様にインストールを行ってください。
インストール後、C:\tmpフォルダ配下にsetup.issという応答ファイルが作成されます。
サイレントインストールの実行
"1.応答ファイルの作成"で作成した応答ファイル(setup.iss)を、サイレントインストールを実行するマシン上の任意のフォルダに格納し、以下のパラメタでインストーラを起動し、サイレントインストールを行います。そのとき、インストール結果を保存するログファイルについても設定を行います。
例) 応答ファイルをC:\tmp\setup.iss、ログファイルをC:\tmp\setup.logとする場合
(CD-ROMドライブ)\INST\Disk1\issetup.exe -s -f1C:\tmp\setup.iss -f2C:\tmp\setup.log
上記のコマンドは実行後、すぐ復帰しますが、インストール処理は実行されます。
インストール結果の確認
サイレントインストールが成功したかどうかを確認するために、ログファイルを開きます。
ログファイルの[ResponseResult]セクションの"ResultCode"に結果コードが設定されています。以下に結果コードの意味を記載します。
結果コード |
結果コードの意味 |
---|---|
0 |
インストール成功 |
-1 |
一般的なエラー |
-2 |
無効モード |
-3 |
応答ファイルに必要なデータがない
|
-4 |
メモリ不足 |
-5 |
応答ファイルが見つからない |
-6 |
応答ファイルに書き込めない |
-7 |
ログファイルに書き込めない |
-8 |
応答ファイルへのパスが無効である |
-9 |
正当なリストタイプ(文字列または数値)でない |
-10 |
データタイプが無効である |
-11 |
不明なエラーが発生した |
-12 |
ダイアログボックスの順序が違う |
-51 |
指定されたフォルダを作成できない |
-52 |
指定されたファイルまたはフォルダにアクセスできない |
-53 |
無効なオプションが選択された |
結果コードの意味から対処方法が判断できない場合や、上記以外のコードの場合は、再度1.の手順からやり直してください。
エラーを回避することができない場合は、通常の標準インストールまたはカスタムインストールでインストールを実施してください。
注意事項
サイレントインストールを実行するコンピュータ上には、応答ファイル作成時に指定したインストールフォルダと同じドライブを準備する必要があります。
サイレントインストールは非同期で実行されます。サイレントインストール直後にセットアップなどの作業を実施する場合はご注意ください。
ログファイルの[ResponseResult]セクションの"ResultCode"には、サイレントインストール終了時に最終結果が書き込まれます。インストール実行中は、インストール成功を示す"0"が設定されていますので、サイレントインストールの実行プロセスである"setup.exe"、または"_is[X].exe"([X]は1~4桁の16進数)が終了してから確認してください。
Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7でサイレントインストールを実行する場合、ユーザーアカウント制御(UAC)の警告メッセージが表示されることがありますが、処理を続行してください。なお、ユーザーアカウント制御を無効化することで表示を抑止することもできます。
インストール前にターミナルサービスをインストールモードに変更した場合、インストール終了後に実行モードに変更してください。
実行モードへの変更方法:
CHANGE USER /EXECUTE