PowerReplicationは、既存の業務にそのまま適用できるわけではありません。
次のような、PowerReplicationの仕組みや特徴を踏まえた上で、適用範囲を見極めることが必要です。
マスタとレプリカ間のデータ反映はリアルタイムではなく、非同期に行われます。
データ更新が頻繁に行われるシステムの場合、相手システムへのデータ反映に数時間かかる場合があります。
利用者プログラムのデータ更新の延長でPowerReplicationの処理が動作するため、データアクセス性能が遅くなる場合があります。
利用者プログラムの誤りやシステム異常によりデータベース間の整合性がなくなった場合、復旧のために一括方式の同期実行が必要です。この間、業務の一時停止が必要です。
このため、システム設計を行った上で、本稼動前に十分な検証を行うことが必要となります。
特に、データベース間の不整合を発生させないように設計することが重要です。
安定したシステム環境を構築するため、PowerReplicationの導入は、以下の流れで作業してください。
図1.9 導入の流れ
導入から運用までの作業の流れの詳細は、"第3章 導入/構築"を参照してください。