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Systemwalker Software Configuration Manager V14g 運用ガイド
Systemwalker

A.1 オペレーティングシステム

下図のような複数のルータがあるネットワークに仮想サーバを配備する場合には、ServerView Resource Orchestratorのネットワークリソースの設定方法に注意が必要です。

また、クローニングマスタのオペレーティングシステムにあらかじめスタティックルートの設定を行っておく必要があります。

図A.1 複数のルータがあるネットワーク

上図の例のような複数のルータがあるネットワークに仮想サーバを配備する場合、ルータを越えた位置にあるクライアントおよび管理サーバの双方と通信を行うためには、以下の複数のルーティング情報を仮想サーバに設定する必要があります。

本製品のプロビジョニング管理機能では、仮想サーバの配備時に、ミドルウェアのパラメーター設定を行うために、仮想サーバと通信を行います。このため、仮想サーバと管理サーバの間にルータがあり、仮想サーバと管理サーバのネットワークセグメントが異なっているネットワーク構成の場合、仮想サーバと管理サーバで通信を行うことが出来るように、クローニングマスタのオペレーティングシステムにあらかじめルーティング情報の設定を行っておく必要があります。

ServerView Resource Orchestratorのネットワークリソースの設定

ServerView Resource Orchestratorのネットワークリソースの設定において、仮想サーバに設定する複数のネットワークリソースのうち、1つのみにデフォルトゲートウェイの設定を行います。

「図A.1 複数のルータがあるネットワーク」の構成の場合、以下のように業務セグメントのネットワークリソースのみにデフォルトゲートウェイの設定を行います。

管理セグメント1のネットワークリソースにはデフォルトゲートウェイの設定は行いません。

クローニングマスタのスタティックルートの設定

仮想サーバが管理サーバと通信を行えるようにするために、クローニングマスタのオペレーティングシステムにあらかじめスタティックルートの設定を行っておきます。

L-ServerのオペレーティングシステムがWindowsの場合

クローニングマスタを採取するL-Serverで、routeコマンドを実行しスタティックルートの設定を行います。

「図A.1 複数のルータがあるネットワーク」の例の場合、以下のように、管理サーバのネットワークへのスタティックルートを設定しておきます。(ルータ2のIPアドレスが192.168.0.1の場合)

route -p add 192.168.1.0 mask 255.255.255.0 192.168.0.1 metric 1

L-ServerのオペレーティングシステムがLinuxの場合

クローニングマスタを採取するL-Serverで、/etc/sysconfig/static-routesファイルに設定を行います。

「図A.1 複数のルータがあるネットワーク」の例の場合、以下のように、管理サーバのネットワークへのスタティックルートを設定しておきます。(ルータ2のIPアドレスが192.168.0.1の場合)

any net 192.168.1.0 netmask 255.255.255.0 gw 192.168.0.1

注意

仮想サーバの配備対象となるネットワーク構成が複数ある場合、配備対象となるネットワークごとに、スタティックルートの設定を行った別々のクローニングマスタを作成しておく必要があります。

テンプレート情報の設定

スタティックルートの設定を行ったクローニングマスタは、その設定を行ったネットワークにのみ配備することができます。

このため、テンプレート情報に、クローニングマスタに対応するデフォルトのネットワークリソースを設定しておきます。

「図A.1 複数のルータがあるネットワーク」の例の場合、以下のようなテンプレート情報を登録します。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>
<template version="1.1">
	<name>TEMPLATE_SAMPLE1</name>
	<baseTemplateId />
	<ownerOrg>cfmgadm</ownerOrg>
	<ownerUser>cfmgadm</ownerUser>
	<publicCategory>PUBLIC</publicCategory>
	<designSheetPath />
	<releaseDate>2010/12/30</releaseDate>
	<numOfMaxVnet>2</numOfMaxVnet>
	<numOfMaxVm>10</numOfMaxVm>
	<productId />
	<description>Web/AP/DB 1サーバーモデル</description>
	<keyword>Web/AP/DB 1サーバーモデル</keyword>
	<estimate>0</estimate>
	<license>0</license>
	<support>0</support>
	<vnets>
		<vnet>
			<id>VNET1</id>
			<name>Gyoumu</name>
			<numOfMaxVm>10</numOfMaxVm>
			<resouceId>M01_1446</resourceId>  ※業務セグメントのネットワークリソース
		</vnet>
		<vnet>
			<id>VNET2</id>
			<name>Kanri1</name>
			<numOfMaxVm>10</numOfMaxVm>
			<resouceId>M01_943</resourceId>  ※管理セグメント1のネットワークリソース
		</vnet>
	</vnets>
	<servers>
		<server>
			<no>0</no>
			<imageId />
			<imageName>IMG001</imageName>  ※スタティックルートの設定を行ったクローニングマスタ
			<name>サーバ1</name>
			<serverType>sample_small</serverType>
			<vnics>
				<management>1</management> 
				<vnic>
					<no>1</no>
					<networkId>VNET2</networkId>
				</vnic>
				<vnic>
					<no>2</no>
					<networkId>VNET1</networkId>
				</vnic>
			</vnics>
		</server>
	</servers>
</template>

注意

仮想サーバの配備対象となるネットワーク構成が複数ある場合、配備対象となるネットワークごとに、テンプレート情報を登録する必要があります。