ページの先頭行へ戻る
Systemwalker Service Quality Coordinator 使用手引書(ダッシュボード編)
Systemwalker

3.2.1 導入前の作業【UNIX版】

ダッシュボードサーバでは、各ソフトウェアが使用する共用資源に関してシステムパラメタのチューニングを行う必要があります。チューニングが必要なシステムパラメタとその値については以下の表を参照してください。パラメタにより、既に設定されている値(初期値)に加算する場合と、既に設定されている値と比較し大きい方の値(最大)を設定する必要があります。(加算の場合、設定のシステム上限値も確認してください)各パラメタがどちらに当たるかは、表の「種別」を参照してください。

詳細についてはSolarisおよびLinuxのマニュアルなどを参照してください。


■ Solarisの場合

ダッシュボードサーバは、以下のプロジェクト配下で動作します。

システムパラメタのチューニング値
【共有メモリ】

パラメタ

説明

種別

特権

project.max-shm-memory

共有メモリセグメントの最大サイズ

108388350

加算

特権レベル

project.max-shm-ids

共有メモリ識別子の最大数

70

加算

特権レベル

【セマフォ】

パラメタ

説明

種別

特権

project.max-sem-ids

セマフォ識別子の数

1468

加算

特権レベル

process.max-sem-nsems

セマフォ識別子ごとの最大セマフォ数

512

最大

特権レベル

process.max-sem-ops

セマフォコールごとの最大操作数

50

最大

特権レベル

【メッセージキュー】

パラメタ

説明

種別

特権

process.max-msg-qbytes

待ち行列上の最大バイト数

65536

最大

特権レベル

project.max-msg-ids

メッセージ待ち識別子の数

529

加算

特権レベル

process.max-msg-messages

メッセージキュー内のメッセージの最大数

1024

加算

特権レベル


ポイント

特権レベルは、/etc/projectファイルに”privileged”を指定します。

チューニング作業手順

システムパラメタを編集するには、/etc/projectファイルを編集します。

注意

システムパラメタを設定する際には、システムの初期値および、設定可能な値の上限を確認した後、値を確認してください。確認方法の例は以下のとおりです。

  1. 以下のコマンドを使用して現在システムに設定されている上記表に該当するパラメタの設定値を確認します。

    # projects -l

    [確認コマンド実行例]

    # projects -l
    system
    projid : 0
    comment: "System account"
    users : (none)
    groups : (none)
    attribs:
    user.root
    projid : 1
    comment: "root user"
    users : root
    groups : root
    attribs:
    noproject
    projid : 2
    comment: ""
    users : (none)
    groups : (none)
    attribs:
    default
    projid : 3
    comment: "Default project setting"
    users : (none)
    groups : (none)
    attribs: 
    # newtask -p default
    # prctl $$
    process: 1000: sh
    NAME PRIVILEGE VALUE FLAG ACTION RECIPIENT
    process.max-port-events
    privileged 65.5K - deny -
    system 2.15G max deny -
    process.max-msg-messages
    privileged 8.19K - deny -
    system 4.29G max deny -
    system 16.8M max deny -
    *
    

  2. 上記の表(システムパラメタのチューニング値)を参照し、現在の設定値と比較を行い、パラメタごとに最大、加算の種別を考慮して、適切な設定値を算出します。算出した結果を/etc/projectファイルに定義します。


注意

  • 設定値は、プロジェクトごとに1行で記載してください。

  • チューニングパラメタの設定は、システムとスーパーユーザーに対して行ってください。

システムパラメタの確認

上記設定をした後、以下のコマンドにより設定情報を確認できます。

# projects -l

[確認コマンド実行例]

# projects -l
system
projid : 0
comment: "System account"
users : (none) 
groups : (none) 
attribs: project.max-msg-ids=(privileged,527,deny)    ←projectファイル設定内容が"attribs"に反映されていることを確認
process.max-msg-qbytes=(privileged,162972,deny)         (各変数に手順2で算出した値が設定されていれば成功)
process.max-sem-nsems=(privileged,512,deny) 
process.max-sem-ops=(privileged,50,deny) 
project.max-sem-ids=(privileged,829,deny) 
project.max-shm-memory=(privileged,3398861600,deny) 
user.root
projid : 1
comment: "root user"
users : root
groups : root
attribs: project.max-msg-ids=(privileged,527,deny) 
process.max-msg-qbytes=(privileged,162972,deny) 
process.max-sem-nsems=(privileged,512,deny) 
process.max-sem-ops=(privileged,50,deny) 
project.max-sem-ids=(privileged,829,deny) 
project.max-shm-memory=(privileged,3398861600,deny) 
noproject
projid : 2
comment: ""
users : (none) 
groups : (none) 
attribs: 
default
projid : 3
comment: "Default project setting"
users : (none) 
groups : (none) 
attribs:

■ Linuxの場合

システムパラメタのチューニング値
【共有メモリ】

パラメタ

説明

種別

shmmax

共有メモリの最大セグメントサイズ

57413492

最大

shmmni

共有メモリセグメントの最大数

71

加算

【セマフォ】

パラメタ

説明

種別

para1

セマフォ識別子あたりの最大セマフォ数

512

最大

para2

システム全体のセマフォ数

6287

加算

para3

セマフォコールあたりの最大演算子数

50

最大

para4

システム全体のセマフォ識別子数

1468

加算

【メッセージキュー】

パラメタ

説明

種別

msgmax

メッセージの最大サイズ

16384

最大

msgmnb

1つのメッセージキューに保持できる最大値

32768

最大

msgmni

メッセージキューIDの最大値

527

加算

チューニング作業手順

システムパラメタを編集するには、/etc/sysctl.confファイルにチューニングのためのレコードを以下のように追加します。

  1. 以下のコマンドを使用して、現在システムに設定されている上記表に該当するパラメタの設定値を確認します。

    #/sbin/sysctl -a

  2. 上記の「システムパラメタのチューニング値」を参照し、現在の設定値と比較を行い、パラメタごとに最大、加算の種別を考慮して、適切な設定値を算出します。


  3. /etc/sysctl.confを編集します。

    システムパラメタをチューニングするために、手順 2の算出結果を元に/etc/sysctl.confファイルを編集します。


  4. /etc/sysctl.confへの編集内容が反映されていることを、以下のコマンドで確認します。

    #/bin/cat /etc/sysctl.conf

  5. 上記設定を有効にするために、下記のどちらかの方法を実行します。

    方法1: システムをリブートして設定を反映

    # cd /
    # /sbin/shutdown -r now

    方法2: /sbin/sysctl -pを使用して設定を反映

    # /sbin/sysctl -p /etc/sysctl.conf

  6. 設定したシステムパラメタが反映されていることを、以下のコマンドの出力から確認します。

    # /sbin/sysctl -a

    [確認コマンド実行例]

    # /sbin/sysctl -a
          ・
          ・
        (省略)
          ・
          ・
    kernel.sem = 738 54761 60 3898
    kernel.msgmnb = 44237
    - 8 -
    kernel.msgmni = 1911
    kernel.msgmax = 19815
    kernel.shmmni = 4298
    kernel.shmall = 2097152
    kernel.shmmax = 139986287
          ・
          ・
        (省略)
          ・
          ・