Interstageの起動/停止時に、異常が発生した場合の対処方法について説明します。
Interstage起動時に異常が発生した場合には、まずOSのチューニングが正しく行われているか確認してください。詳細については、“チューニングガイド”を参照してください。
Interstage起動時の異常
isstartコマンド(*)によるInterstageの起動処理中に異常が発生した場合、起動の完了しているサービスをすべて停止した後、起動処理を中止します。
ただし、停止処理中に異常が発生した場合は、処理は中断されます。
以下のいずれかに、Interstage起動に失敗した原因を示すメッセージが出力されていますので、メッセージの出力を確認し、そのメッセージに対する対処を実施してください。
isstartコマンドの投入画面
イベントビューア(アプリケーションのログ)
/var/adm/messages
/var/log/messages
また、インタフェースリポジトリへ登録したインタフェース情報が多い場合や、CORBAサービスの動作環境ファイルであるconfigに対して“logging = yes”を定義した場合、インタフェースリポジトリやネーミングサービスの起動に時間がかかります。インタフェースリポジトリやEJB用インタフェースリポジトリおよびネーミングサービスの起動に1分以上かかった場合、Interstageの起動に失敗しますので注意してください。
この条件にあてはまる場合には、isstartコマンド実行前に、環境変数IS_ISV_SVCCTRL_TIMERを設定してください。
IS_ISV_SVCCTRL_TIMERには、本メッセージ出力からod20001またはod30102のメッセージが出力されるまでの秒数+90の値を設定してください。
たとえば、is20102が、10時00分00秒に出力され、od20001またはod30102が、10時00分10秒に出力された場合、環境変数IS_ISV_SVCCTRL_TIMERには、100を設定します。
IS_ISV_SVCCTRL_TIMER=100
export IS_ISV_SVCCTRL_TIMER
なお、本現象は、is20102のメッセージ出力内容により特定できます。is20102のメッセージが出力されている場合には、“メッセージ集”を参照し、原因の特定および対処を行ってください。
(*):マシンブート時のInterstageの自動起動も含みます。
Interstage起動時にis30141のメッセージが出力される異常
isstartコマンドの実行画面に、“Daemon start fails”のメッセージが出力されている場合は、再度、isstartコマンドを実行してください。
Interstage起動時にis30151のメッセージが出力される異常
マルチシステム機能を使用している場合、本コマンドと同時にisdeletesysコマンドまたはiscreatesysコマンドを実行した可能性があります。その場合は、isdeletesysコマンドによりシステムを削除してください。
Interstageの起動時に時間がかかる
Interstageの起動時に時間がかかる場合、以下の原因が考えられます。
Interstage シングル・サインオンにおいてSSOリポジトリにロール定義およびサイト定義を多量に登録してリポジトリサーバを運用し、かつInterstage HTTP Serverと連動設定を行っている場合、Interstageの起動に時間がかかることがあります。本現象の詳細および回避方法については、“15.2.5 リポジトリサーバに関するトラブル”を参照してください。
ネーミングサービスに対してネーミングコンテキストの登録・削除を繰返し行ったあとにInterstageの起動を行った場合、Interstageの起動に時間がかかることがあります。本現象の原因は、ネーミングサービスの起動処理に時間がかかるためであり、特に問題はありません。
Interstage停止時の異常
isstopコマンドで停止中に異常が発生した場合、異常の発生したサービス名を含むエラーメッセージを表示して終了します。停止時の異常の対処方法については、“メッセージ集”を参照してください。対処後、再度isstopコマンドを実行してください。
また、動作中のCORBAのアプリケーションが多い場合などに、CORBAサービスの停止に時間がかかります。CORBAサービスの停止に1分以上かかった場合、Interstageの停止に失敗した旨を表すis20110のメッセージが出力されますので注意してください(CORBAサービスの停止処理は継続されます)。
この条件にあてはまる場合には、isstopコマンド実行前に、環境変数IS_ISV_SVCCTRL_TIMERを設定してください。IS_ISV_SVCCTRL_TIMERには、od10003のメッセージ出力からod10005のメッセージが出力されるまでの秒数+60の値を設定してください。
たとえば、od10003が、10時00分00秒に出力され、od10005が、10時02分00秒に出力された場合、環境変数IS_ISV_SVCCTRL_TIMERには、180を設定します。
IS_ISV_SVCCTRL_TIMER=180
export IS_ISV_SVCCTRL_TIMER
なお、メッセージの出力結果が、以下の両方の条件を満たす場合に、上記の対処を実施してください。
- is20110のメッセージに表示された理由コードが15である。
- is20110のメッセージ出力後、od10005のメッセージが出力された。
Interstage停止処理が無応答
ワークユニットを停止せずに、アプリケーションの入れ替えを行った場合、isstopコマンドでInterstageを停止しようとした時に、isstopコマンドがハングアップすることがあります。アプリケーションを入れ替える場合、必ずワークユニットの停止を行ってから入れ替える必要があります。
Interstage停止時にis30168のメッセージが出力される異常
マルチシステム機能を使用している場合、本コマンドと同時にisdeletesysコマンドまたはiscreatesysコマンドを実行した可能性があります。その場合は、isdeletesysコマンドによりシステムを削除してください。
Interstage起動/停止時にアプリケーションポップアップが発生する場合
isstartコマンドおよびisstopコマンドを実行時に、以下のアプリケーションポップアップが発生した場合、デスクトップヒープが使い果たされている可能性があります。本現象が発生した場合、OSが公開している情報に従ってデスクトップヒープを拡張してください。
Apache.exe - アプリケーション エラー : アプリケーションを正しく初期化できませんでした (0xc0000142)。 [OK] をクリックしてアプリケーションを終了してください。
RCプロシジャからInterstageおよびワークユニットを起動するとコンソールログインができなくなった場合
RCプロシジャにInterstage起動を行うスクリプトを登録して、サーバ・ブート時に起動スクリプトからInterstageを起動すると、その後コンソール端末からのログイン時に以下のメッセージが出力され、ログインできなくなることがあります。
console login: root Warning -- ttymon cannot allocate controlling tty on "/dev/console", there may be another session active on this port.
この場合、Interstage起動スクリプトに記述したInterstageの起動処理の前に、コンソールメッセージを抑止するための環境変数を設定することで、現象を回避することができます。
IS_ISV_CONSOLE_OUTPUT=OFF
すべてのコンソールメッセージが抑止されるわけではありません。
#!/sbin/sh # INTERSTAGE start procedure ... # Set Environment Variable IS_ISV_CONSOLE_OUTPUT=OFF export IS_ISV_CONSOLE_OUTPUT ... # Execute Start Command isstart ...
上記の対処が有効となっているのを確認するためには、メッセージtd11028がシステムログ(/var/adm/messages)には出力されて、コンソールには出力されていなければ有効となっていると判断できます。