本製品の以前のバージョン・レベルで抽出した定義ファイルを利用して、定義を新規追加する場合、互換オプションを使用することができます。
■互換オプションの指定方法
以下のいずれかの方法で指定します。
IJServe定義ファイルのVersionタグによる指定
IJServer定義ファイルのVersionタグで指定します。詳細は、“13.8.7 IJServer定義ファイル”を参照してください。
サブコマンドオプションによる指定
コマンド実行時に、“-v version”(versionには8.0のみ指定できます)を指定します。
本オプションは以下の場合に使用できます。
“ijserver”、“resource”、“service”のどれかのサブコマンドを使用している。かつ、
“-a”を指定している(新規追加)。
外部定義ファイルによる指定
以下の定義ファイルによって指定します。
C:\Interstage\J2EE\etc\isj2eeadmin.conf
/opt/FJSVj2ee/etc/isj2eeadmin.conf
【記述形式】
version=バージョン
(バージョンには8.0のみ指定できます)
【記述例】
version=8.0
インストール時、空のisj2eeadmin.confが作成されます。
isj2eeadmin.confが決められたディレクトリに存在しない場合や、項目名(version)に誤りがある場合、定義は無視されます。
互換オプションの優先順位を以下に示します。
IJServer定義ファイルのVersionタグの値
コマンドオプションの互換オプション指定値
外部定義ファイル(isj2eeadmin.conf)の互換オプション指定値
■互換オプションの機能
◆デフォルト値の切り替え
IJServer、J2EEリソース、Webサーバコネクタの新規追加の際に、互換オプションを指定すると、互換オプションで指定したバージョン・レベルのデフォルト値が有効になります。
本製品の以前のバージョン・レベルで抽出した定義ファイルを利用する場合、以前のバージョン・レベルからの既存の定義項目については、定義ファイルの抽出時に値が設定されていますので、本バージョン・レベルでも同等の動作となります。
しかし、本バージョン・レベルで追加された定義項目については、値が設定されていないため、以前のバージョン・レベルと動作が異なることがあります。
互換オプションを指定した場合は、本バージョン・レベルで追加された定義項目についても、以前のバージョン・レベルと同等の動作とすることができます。
本バージョン・レベルで追加され、かつ、デフォルト値が以前のバージョン・レベルの動作と異なるタグは以下です。
互換オプションを指定した場合は、以下のタグのデフォルト値が以前のバージョン・レベルの動作と同等になるように設定されます。
IJServer定義ファイル
タグ名 | 意味 | V9.0以降の | 8.0の動作 |
---|---|---|---|
<Version> | IJServerバージョン | 9.0 | 8.0 |
リソース定義ファイル
タグ名 | 意味 | V9.0以降の | 8.0の動作 |
---|---|---|---|
<Jdbc> | Symfoware用JDBCドライバのデータソース種別 | ConnectionPoolDataSource | DataSource |
<Jdbc> | File System Service Providerを使用するかどうか | NO | YES |
<Jdbc> | SQL Server用JDBCドライバのデータソース種別 | 2005 | 2000 |
<Jdbc> | File System Service Providerを使用するかどうか | NO | YES |
<Jdbc> | File System Service Providerを使用するかどうか | NO | YES |
Webサーバコネクタ定義ファイル
タグ名 | 意味 | V9.0以降の | 8.0の動作 |
---|---|---|---|
<WebServer> | Webサーバ名 | なし (注) | FJapache |
注) V9.0以降ではデフォルト値が無いため、タグを省略できません。
◆V8.0互換モードのIJServer
Versionタグの値に“8.0”が指定された場合、もしくは、互換オプションで“8.0”が有効になった場合、V8.0互換モードのIJServerが作成されます。
V8.0互換モードのIJServerでは、一部を除き、V9.0で追加された機能に関連するタグは無効となります。また、V9.0で設定方法が変更になったため、V8.0互換モードのIJServerでのみ有効となるタグもあります。
V9.0以降のIJServerとV8.0互換モードのIJServerの機能差異により、サポート状況が異なるタグを以下に示します。
タグ名 | 意味 | V9.0以降のIJServer | V8.0互換モードのIJServer |
---|---|---|---|
<ClassLoader> | クラスローダのトレース情報を出力するかどうか | 無効 (注1) | 有効 |
<ClassLoader> | クラスのオートリロード機能 | 有効 | 無効 |
<Web> | Servletコンテナの最大接続数 | 有効 | 無効 |
<Web> | Servletコンテナ同時処理数の初期値 | 有効 | 無効 |
<Web> | Servletコンテナ同時処理数の待機中の最大値 | 有効 | 無効 |
<Web> | リクエストURIのエンコーディング | 有効 | 無効 |
<Web> | リクエストボディ処理のエンコーディングをクエリパラメタに使用するかどうか | 有効 | 無効 |
<Web> | 静的リソースにディスパッチする際のエンコーディング | 有効 | 無効 |
<Web> | JSPのリロード方法 | 有効 | 無効 |
<Web> | 要求を受け付けるバーチャルホスト | 無効 (注2) | 有効 |
<Web> | IJServerと連携するWebサーバ | 有効 | 無効 |
<Web> | WebサーバコネクタがServletコンテナとの間でデータパケットを送受信するときに待機する最長の時間 | 有効 | 無効 |
<Web> | Servletコンテナひとつあたりの最大接続数 | 有効 | 無効 |
<Web> | 接続先コネクタの制限 | 無効 (注3) | 有効 |
<Web> | 接続を許可するWebサーバコネクタの証明書 | 無効 (注3) | 有効 |
<Datasources> | SQL文のキャッシュサイズ | 有効 | 無効 |
<Datasources> | ステートメントのクローズをJDBCドライバが自動的に行うかどうか | 有効 | 無効 |
<Datasources> | アプリケーションが使用するコネクションの監視 | 有効 | 無効 |
<Datasources> | SQL文実行の時間監視 | 有効 | 無効 |
注1) この項目はV9.0のIJServerより設定方法が変更になりました。V9.0以降のIJServerでの設定方法については、“移行ガイド”の“IJServerの移行について”の“クラスローダのトレース機能”を参照してください。
注2) この項目はV9.0のIJServerより定義位置が変更されました。V9.0以降のIJServerでの定義位置については、“13.8.7 IJServer定義ファイル”の“<IJServer><Web><Www>タグ”の“WebServer”の<VirtualHost>タグを参照してください。
注3) この項目はV9.0のIJServerより設定方法が変更になりました。V9.0以降のIJServerでの設定方法については、“移行ガイド”の“Servletサービス(Tomcat 5.5ベースのサーブレット実行環境)への移行”の“接続先コネクタの制限”を参照してください。
V8.0互換モードのIJServerについては、“J2EE ユーザーズガイド”の“J2EEアプリケーションが運用される環境(IJServer)”の“V8.0互換モードのIJServer”を参照してください。
◆IJServerとJDKの組み合わせ
IJServerのバージョンにより、使用できるJDKのバージョンが決まります。
IJServerとJDKの組み合わせを以下に示します。
IJServerのバージョン | JDK5.0 | JDK1.4 |
---|---|---|
V9.0以降のIJServer | ○ | × |
V8.0互換モードのIJServer | × | ○ |
指定できない組み合わせの場合は、エラーが出力されます。
たとえば、IJSever定義ファイルで、<Version>タグの値を8.0とし、<Common><JavaVersion>タグの値を5.0としてIJServerの作成を行った場合、コマンド実行時にエラーが発生し、IJServerの作成に失敗します。