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Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド(データベース連携サービス編)

11.2 リソース定義ファイルの作成

  リソース定義ファイルは、データベースごとに作成し、データベースに接続するための情報など(リソース定義)をテキスト形式で記述します。


ポイント

  Interstage管理コンソールを使用する場合、JTS用のリソース定義ファイルを作成する必要はありません。


OTS用のリソース定義ファイルの記述


  リソース定義ファイルは、ANSI形式で保存します。


  リソース管理プログラムをスレッドモードとして動作させる場合に、THREADS=TRUEを記述します。

  リソース定義ファイルの設定例を以下に示します。


Oracle用のリソース定義ファイル例
# 環境変数
  ENVIRON ORACLE_SID=ORCL
# 使用するデータベースシステム名と OPENINFO文字列、CLOSEINFO文字列
  NAME=oracle_rmp
  RMNAME=Oracle_XA
  OPENINFO=Oracle_XA+Acc=P/system/manager+SesTm=0
  CLOSEINFO=

Oracle用のリソース定義ファイル例(プロセスモード)
# 環境変数
  ENVIRON ORACLE_SID=ORCL
  ENVIRON ORACLE_HOME=/opt/oracle
  ENVIRON LD_LIBRARY_PATH=/opt/oracle/lib
# 使用するデータベースシステム名と open 文字列、close 文字列
  NAME=oracle_rmp_process
  RMNAME=Oracle_XA
  OPENINFO=Oracle_XA+Acc=P/system/manager+SesTm=0
  CLOSEINFO=

Oracle用のリソース定義ファイル例(スレッドモード)
# 環境変数
  ENVIRON ORACLE_SID=ORCL
  ENVIRON ORACLE_HOME=/opt/oracle
  ENVIRON LD_LIBRARY_PATH=/opt/oracle/lib
# 使用するデータベースシステム名と open 文字列、close 文字列
  NAME=oracle_rmp_thread
  RMNAME=Oracle_XA
  OPENINFO=Oracle_XA+Acc=P/system/manager+SesTm=0
  CLOSEINFO=
  THREADS=TRUE

Symfoware/RDB用リソース定義ファイル例
# 使用するデータベースシステム名とOPENINFO文字列、CLOSEINFO文字列
  NAME=symfo_rmp
  RMNAME=RDBII
  OPENINFO=TO 'DB1' USER 'system/manager'
  CLOSEINFO=

Symfoware/RDB用リソース定義ファイル例 (プロセスモード)
# 環境変数
  ENVIRON LD_LIBRARY_PATH=/opt/FSUNrdb2b/lib
# 使用するデータベースシステム名とOPENINFO文字列、CLOSEINFO文字列
  NAME=symfo_rmp_process
  RMNAME=RDBII
  OPENINFO=TO 'DB1' USER 'system/manager'
  CLOSEINFO=

Symfoware/RDB用リソース定義ファイル例 (スレッドモード)
# 環境変数
  ENVIRON LD_LIBRARY_PATH=/opt/FSUNrdb2b/lib
# 使用するデータベースシステム名とOPENINFO文字列、CLOSEINFO文字列
  NAME=symfo_rmp_thread
  RMNAME=RDBII
  OPENINFO=TO 'DB1' USER 'system/manager'
  CLOSEINFO=
  THREADS=TRUE

MQD用リソース定義ファイル例
環境変数
  ENVIRON LD_LIBRARY_PATH=/opt/FJSVmqd/lib
# 使用するMQDシステム名とOPENINFO文字列、CLOSEINFO文字列
  NAME=mqd_rmp
  RMNAME=XA_MQD
  OPENINFO=MQD:MQD001
  CLOSEINFO=
  THREADS=TRUE

  リソース定義ファイルはテキストエディタで作成します。リソース定義ファイルの書式を以下に説明します。なお、1文字目に“#”を記述された場合は、コメント行とみなします。


ENVIRON env = "data"

  dataに、リソース管理プログラムまたはリソース管理プログラムと同じプロセス内で動作するデータベースライブラリに渡す環境変数envを設定します。環境変数を渡す必要がない場合は、省略可能です。

  なお、Symfoware Server V10以降を使用する場合は、XAインタフェースを利用したアプリケーションからSymfoware/RDBへの接続方式が“RDB2_TCP接続”に変更となったため、従来の環境のままでは、Symfoware/RDBに接続できません。
  リソース定義ファイルにおいて、環境変数SQLRTENVに、パラメタ“SERVER_SPEC”を設定したクライアント用の動作環境ファイルを指定するなどの設定を行う必要があります。
  本手順の詳細については、Symfoware Serverのマニュアルを参照してください。Symfoware Server V10の場合は、以下のマニュアルに説明があります。

  • “アップデート情報”の“互換に関する情報”-“XAインタフェースの接続方式の変更”

  • “RDB運用ガイド”の“トランザクションモニタとの連携”-“アプリケーションの実行準備”-“リモートアクセス用の設定”



  リソース管理プログラムを使用するサーバアプリケーションの起動時に指定するデータベースへの環境変数と同一の環境変数を指定してください。
  また、リソース定義ファイルには、以下のように$を指定することはできません。

LD_LIBRARY_PATH=$LD_LIBRARY_PATH:/opt/oracle/lib

  使用するデータベースがSymfoware/RDBの場合は、環境変数LD_LIBRARY_PATHに、Symfoware/RDBの必須製品であるライブラリのパス名を指定してください。また、RDBシステム名を指定している場合は、環境変数RDBNAMEを指定してください。


  使用するデータベースがOracle10g/Oracle11gの場合は、環境変数LD_LIBRARY_PATHに、32ビット互換ライブラリ格納先へのパスを指定してください。


NAME=リソース定義名

  otssetrscコマンドで登録するリソース定義名を、32文字以内で指定します。いったん登録されたリソース定義ファイルは、すべてリソース定義名で扱うことができます。
  “JTSRMP”は、予約語です。リソース定義名として、使用できません(一部またはすべてを小文字にしても使用できません)。

  リソース定義名として、DOSデバイス名は使用できません。


RMNAME = "system_name"

  system_nameに、データベースのシステム名を以下のいずれかで指定します。

  • Oracleの場合:“Oracle_XA”

  • Symfoware/RDBの場合:“RDBII”


  • MQDの場合:“XA_MQD”


OPENINFO = "open_data"

  open_dataに、データベースのオープン時に必要なopen文字列を、256文字以内で指定します。open文字列は、データベースのベンダから公開されています。詳細については、各データベースのマニュアルを参照してください。


注意

  OPENINFOに指定するユーザ名において各データベースに対するアクセス権限がない場合、リソース管理プログラムの起動に失敗します。必要な権限については、“付録A アプリケーション作成時の注意”を参照してください。また、詳細については、各データベースのマニュアルを参照してください。


CLOSEINFO = "close_data"

  close_dataに、データベースのクローズ時に必要なclose文字列を、256文字以内で指定します。close文字列は、データベースのベンダから公開されています。詳細については、各データベースのマニュアルを参照してください。


THREADS=TRUE | FALSE

  リソース管理プログラムのタイプを以下のどちらかで指定します。

  • プロセスモードの場合:“FALSE”(省略時)

  • スレッドモードの場合:“TRUE”


注意


  プロセスモード/スレッドモードのタイプがリソース管理プログラムの作成時と動作時(リソース定義ファイル内のスレッド指定)で異なる場合、リソース管理プログラムの起動が誤動作する可能性があります。必ずタイプをあわせて運用してください。


OTS_RMP_PROC_CONC=OTS用のリソース管理プログラムの多重度

  OTS用のリソース管理プログラムの多重数を、1~31の範囲で指定します(省略時:多重度5)。通常、変更する必要はありません。
  最大値を超えた場合は、警告メッセージots9017が出力され、自動的に31を設定します。


ポイント

  リソース管理プログラムの多重度は、トランザクション処理性能を最大限に引き出すようにチューニングされているため、デフォルト値を変更する必要はありません。
  変更する場合は、OTSシステムのスレッド多重度とリソース管理プログラムの多重度の関係を、以下のように設定してください。

OTSシステムのスレッド多重度 =< リソース管理プログラムの多重度

RSCTYPE=OTS

  リソース定義ファイルの種別を指定します(省略可)。otssetrscコマンドでの登録時に付加される情報です。otssetrsc -lコマンドの出力をリダイレクトし、そのままotssetrscコマンドで利用できるように追加されています。通常、指定する必要はありません。


USER=ユーザ名

  リソース管理プログラムの実行ユーザ名を指定します。otssetrscコマンドに-uオプションを指定して実行した場合は、オプションに指定されたユーザ名が有効となります。
  “GROUP”と同時に指定し、GRUUPに指定するグループに所属しているユーザを指定する必要があります。
  ただし、強化セキュリティモード環境の場合は、強化セキュリティモードで指定したグループに所属しているユーザを指定してください。


GROUP=グループ名

  リソース管理プログラムの実行グループ名を指定します。otssetrscコマンドに-gオプションを指定して実行した場合は、オプションに指定されたグループ名が有効となります。
  “USER”と同時に指定する必要があります。
  ただし、強化セキュリティモード環境の場合は、本項目は無効となり、強化セキュリティモードで指定したグループが有効となります。


JTS用のリソース定義ファイルの記述(JDBCを利用する場合)

  従来の方法でリソース定義を登録して使用する場合は、リソース定義ファイルを作成する必要があります。
  JDBCを利用してデータベースと連携する場合のリソース定義ファイルの設定例を以下に示します。
注)本製品のインストールパスがデフォルトの場合のパスです。


リソース定義ファイル例
# database1
  name=xads1
  rscType=JTS
  type=JDBC
  lookUpName=jdbc/XADataSource
  initialContextFactory=com.sun.jndi.fscontext.RefFSContextFactory
  providerURL=file://c:/tmp/JNDI
  user=dbuser
  password=dbpass
  logfileDir=c:\interstage\ots\var

リソース定義ファイル例
# database1
  name=xads1
  rscType=JTS
  type=JDBC
  lookUpName=jdbc/XADataSource
  initialContextFactory=com.sun.jndi.fscontext.RefFSContextFactory
  providerURL=file:/tmp/JNDI
  user=dbuser
  password=dbpass
  logfileDir=/opt/FSUNots/var

リソース定義ファイル例
# database1
  name=xads1
  rscType=JTS
  type=JDBC
  lookUpName=jdbc/XADataSource
  initialContextFactory=com.sun.jndi.fscontext.RefFSContextFactory
  providerURL=file:/tmp/JNDI
  user=dbuser
  password=dbpass
  logfileDir=/opt/FJSVots/var

  リソース定義ファイルは、テキストエディタで作成します。リソース定義ファイルの書式を以下に説明します。なお、1文字目に“#”を記述された場合は、コメント行とみなします。


name=リソース定義名

  otssetrscコマンドで登録するリソース定義名を、32文字以内で指定します(省略不可)。いったん登録されたリソース定義ファイルは、すべてリソース定義名で扱うことができます。
  “JTSRMP”は、予約語です。リソース定義名に使用できません(一部またはすべてを小文字にしても使用できません)。
  通常、isj2eeadminコマンドで登録するJ2EEリソース定義の接続対象となるリソースの定義名を指定することを推奨します。詳細については、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“isj2eeadmin”を参照してください。


rscType=JTS

  “JTS”を指定します(省略不可)。
  省略すると、“OTS”が指定されたものとして扱われるため、JTS用のリソース定義ファイルとして正しく動作しません。


type=JDBC

  “JDBC”または“DBMS”(旧バージョンでの指定方法)を指定します(省略不可)。


lookUpName=データソースをバインドした名前

  データベースが提供するデータソースをバインドした名前を指定します。isj2eeadminコマンドで登録するJ2EEリソース定義で設定したデータソース名と同じ値を指定してください。


initialContextFactory=initialContextFactory名

  バインドされたデータソース参照時に使用するinitialContextFactoruy名を指定します。isj2eeadminコマンドで登録するJ2EEリソース定義で設定したクラス名と同じ値を指定してください。


providerURL=プロバイダURL

  バインドされたデータソース参照時に使用するprovider URLを指定します。isj2eeadminコマンドで登録するJ2EEリソース定義で設定したURLと同じ値を指定してください。


user=ユーザ名

  リソースとの接続時にユーザ名が必要な場合に指定します。isj2eeadminコマンドで登録するJ2EEリソース定義によって設定したユーザ名を指定してください。


password=パスワード

  リソースとの接続時にパスワードが必要な場合に指定します。isj2eeadminコマンドで登録するJ2EEリソース定義によって設定したパスワードを指定してください。


logfileDir=ログファイルの格納先ディレクトリ

  接続したリソースのトラブルを調査する場合は、トレースログを採取するディレクトリを指定します。ディレクトリ名の最後にセパレータを付加しないでください。
  通常、指定する必要がありません。


ポイント

  name、lookUpName、initialContextFactory、providerURLは、isj2eeadminコマンドで登録するJ2EEリソース定義と同じ値を指定するようにしてください。詳細については、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“isj2eeadmin”を参照してください。


JTS用のリソース定義ファイルの記述(J2EE Connector Architectureを利用する場合)

  従来の方法でリソース定義を登録して使用する場合は、リソース定義ファイルを作成する必要があります。
  リソースアダプタを利用してEISと連携する場合のリソース定義ファイルの設定例を以下に示します。
注)本製品のインストールパスがデフォルトの場合のパスです。


リソース定義ファイル例
# resource adapter1
  name=connector001
  rscType=JTS
  type=JCA
  lookupName=myEIS
  user=rauser
  password=rapass
  logfileDir=c:\interstage\ots\var

リソース定義ファイル例
# resource adapter1
  name=connector001
  rscType=JTS
  type=JCA
  lookupName=myEIS
  user=rauser
  password=rapass
  logfileDir=/opt/FSUNots/var

リソース定義ファイル例
# resource adapter1
  name=connector001
  rscType=JTS
  type=JCA
  lookupName=myEIS
  user=rauser
  password=rapass
  logfileDir=/opt/FJSVots/var

  リソース定義ファイルはテキストエディタで作成します。リソース定義ファイルの書式を以下に説明します。なお、1文字目に“#”を記述された場合は、コメント行とみなします。


name=リソース定義名

  otssetrscコマンドで登録するリソース定義名を、32文字以内で指定します(省略不可)。いったん登録されたリソース定義ファイルは、すべてリソース定義名で扱うことができます。
  “JTSRMP”は、予約語です。リソース定義名として使用できません(一部またはすべてを小文字にしても使用できません)。
  通常、isj2eeadminコマンドで登録するJ2EEリソース定義の接続対象となるリソースの定義名を指定することを推奨します。詳細については、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“isj2eeadmin”を参照してください。


rscType=JTS

  “JTS”を指定します(省略不可)。


type=接続するリソースの種類

  “JCA”を指定します(省略不可)。


lookUpName=リソース名

  リソースアダプタ配備時に設定した“リソース名”を指定します。


user=ユーザ名

  リソースとの接続時にユーザ名が必要な場合に指定します。リソースアダプタ配備時/定義変更時に設定したユーザ名を指定してください。


password=パスワード

  リソースとの接続時にパスワードが必要な場合に指定します。リソースアダプタ配備時/定義変更時に設定したパスワードを指定してください。


logfileDir=ログファイルの格納先ディレクトリ

  接続したリソースのトラブルを調査する場合は、トレースログを採取するディレクトリを指定します。ディレクトリ名の最後にセパレータを付加しないでください。
  通常、指定する必要はありません。


ポイント

  name、lookUpName、user、passwordは、リソースアダプタ配備時/isj2eeadminコマンドで定義変更時に設定した値と同じ値を指定してください。詳細については、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“isj2eeadmin”を参照してください。