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Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド(イベントサービス編)

1.1 イベントサービス

  CORBA(Common Object Request Broker Architecture)では、分散システム構築に必要な基本的サービスとして「オブジェクトサービス」を規定しています。イベントサービスおよびノーティフィケーションサービスは、後述するイベントチャネルを介し、分散アプリケーション間の通信をオブジェクトを使用して非同期に行う機能を提供するオブジェクトサービスです。

  CORBA規定によるイベントサービスに完全準拠したInterstageイベントサービスでは、マルチスレッドによる高速処理などの高性能機能、およびイベントチャネルの各種カスタマイズなどの優れた運用性・保守性を提供しています。



  イベントサービスについての機能内容を以下に説明します。ノーティフィケーションサービスについては、“1.2 ノーティフィケーションサービス”を参照してください。

注意

  本マニュアルにおいてノーティフィケーションサービスと対比されていない「イベントサービス」は、ノーティフィケーションサービスについての機能も含みます。

機能概要

  イベントサービスは、アプリケーションプログラムの処理中に発生したエラーメッセージの通知、およびシステム間でのメッセージ送信など片方向通信を必要とする業務処理などに使用します。特に、1対多、多対多の通信において有効となります。イベントサービスの概要を以下に示します。



  イベント通信でのイベントデータ、サプライヤ、コンシューマ、およびイベントチャネルの位置づけを以下に示します。



  イベントサービスを使用してアプリケーションプログラム間を通信する場合、データを送受信するアプリケーションは、イベントチャネルを通して通信することにより、アプリケーションプログラムでは通信相手を認識する必要がありません。イベントチャネルに接続するサプライヤ、およびコンシューマを変更することで通信相手の変更に対応できます。

ポイント

  イベントサービスで使用する主な用語について以下に説明します。

イベント通信 (Event Communication)

  イベントサービスでの通信をイベント通信と呼びます。

イベントデータ(Event Data)

  イベントサービスで送受信を行う利用者のデータをイベントデータと呼びます。

サプライヤ(Supplier)

  イベントサービスでは、イベントデータの送信者をサプライヤと呼びます。サプライヤは、利用者がアプリケーションプログラム上で作成するオブジェクトです。

コンシューマ(Consumer)

  イベントサービスでは、イベントデータの受信者をコンシューマと呼びます。コンシューマは、利用者がアプリケーションプログラム上で作成するオブジェクトです。

イベントチャネル(EventChannel)

  イベントチャネルは、イベント通信を行う場合に、サプライヤとコンシューマの間に存在するオブジェクトで、イベントデータの受渡しを制御します。
  イベントチャネルには、以下の2つがあります。

  • イベントサービスが提供するコマンドで生成するオブジェクト

  • 利用者が作成するアプリケーションプログラム上で作成するオブジェクト

イベントファクトリ(EventFactory)

  イベントファクトリは、アプリケーションプログラムから動的にイベントチャネルを生成するオブジェクトです。