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Interstage Application Server セキュリティシステム運用ガイド

8.2.3 HTTPトンネリングの起動方法

  HTTPトンネリングを使用する場合は、クライアントアプリケーションで呼び出しているCORBA_ORB_init関数に下表に示すパラメタを指定します。

  Javaアプレット以外のアプリケーションの場合

アプリケーション起動時に、パラメタとして指定します。
ただし、アプリケーション側では起動時のパラメタをCORBA_ORB_init関数に渡す作りになっている必要があります。mainの引数をCORBA_ORB_init関数にそのまま渡しているアプリケーションの場合は問題ありませんが、そうでないアプリケーションの場合はアプリケーションロジックを修正してCORBA_ORB_init関数にHTTPトンネリング用のパラメタを渡す必要があります。

  Javaアプレットの場合

HTMLファイルで<param>タグを使用して、アプレット起動時のパラメタを指定します。

HTTPトンネリングのパラメタ

パラメタ名

意味

-ORB_FJ_HTTP
HTTPトンネリングを使用する/しないを設定します。
  yes : HTTPトンネリングを使用する。(注1)
省略された場合、またはyes(大文字小文字は意識しない)以外の値が設定された場合は、HTTPトンネリングを使用しません。
-ORB_FJ_SSL
HTTPトンネリング使用時に、SSL通信を行う/行わないを設定します。
  yes : SSL通信を行う。
アプレットのダウンロードでHTTPSが使用されず、パラメタが省略された場合、またはyes(大文字小文字は意識しない)以外の値が設定された場合は、SSL通信を行いません。
アプレットのダウンロードでHTTPSを使用した場合は、パラメタの有無および設定内容にかかわらず、SSL通信を行います。
-ORB_FJ_HTTPGW
HTTPトンネリングを処理するゲートウェイを指定します。省略時は、HTTPトンネリングを使用しません。(注2)
(1) Interstage HTTP Serverの場合 [SSL通信を行う場合の書式]   https://ホスト名/URL名 [SSL通信を行わない場合の書式]   http://ホスト名/URL名 ホスト名:   HTTP-IIOPゲートウェイが動作するWebサーバを指定します。 URL名:   od-httpgwを指定します。URL名にはLocationディレクティブのURLを指定します(詳細は“Interstage HTTP Server 運用ガイド”参照)。
(2) Internet Information Servicesの場合 
[SSL通信を行う場合の書式]
  https://ホスト名/cgi識別名/ゲートウェイ名
[SSL通信を行わない場合の書式]
  http://ホスト名/cgi識別名/ゲートウェイ名

ホスト名:
  HTTP-IIOPゲートウェイが動作するWebサーバを指定します。
cgi識別名:
  「仮想ディレクトリ」のエイリアス名を指定します。
ゲートウェイ名:
  ODhttp.dll(HTTP-IIOPゲートウェイ)を指定します。

なお、SSL通信を行う場合の書式を指定すると、“-ORB_FJ_SSL”パラメタの設定内容にかかわらずSSL通信を行います。“-ORB_FJ_SSL”パラメタに“yes”を設定すると、上記の書式にかかわらずSSL通信を行います。
  注1)

yesを指定した場合、CORBA_ORB_init()にパラメタで通知されたargc,argvの値を設定するとHTTPトンネリング機能が有効になります。

  注2)

“-ORB_FJ_HTTPGW”に渡す引数として、指定可能なホスト名の形式を以下に示します。

(1) Interstage HTTP Serverの場合

  http://ホスト名・IPv4アドレス/URL名
  http://ホスト名・IPv4アドレス:ポート番号/URL名
  http://[IPv6アドレス]/URL名
  http://[IPv6アドレス]:ポート番号/URL名
  https://ホスト名・IPv4アドレス/URL名
  https://ホスト名・IPv4アドレス:ポート番号/URL名

(2) Internet Information Servicesの場合

  http://ホスト名・IPv4アドレス/cgi識別名/ゲートウェイ名
  http://ホスト名・IPv4アドレス:ポート番号/cgi識別名/ゲートウェイ名
  http://[IPv6アドレス]/cgi識別名/ゲートウェイ名
  http://[IPv6アドレス]:ポート番号/cgi識別名/ゲートウェイ名
  https://ホスト名・IPv4アドレス/cgi識別名/ゲートウェイ名
  https://ホスト名・IPv4アドレス:ポート番号/cgi識別名/ゲートウェイ名

  IPv6形式のアドレスを使用する場合は、大カッコ(“[” と “]”)で囲む必要があります。
  なお、IPv6環境ではSSL機能が使用できないため、“https”は指定できません。

  アプリケーションタイプ別のパラメタ指定方法を説明します。

Javaアプレット以外のアプリケーションの場合

  クライアントアプリケーション(sample_c)を起動する場合、パラメタを以下のように指定します。

(1) Interstage HTTP Serverの場合

  sample_c -ORB_FJ_HTTP yes -ORB_FJ_SSL yes
      -ORB_FJ_HTTPGW http://host.com/od-httpgw

(2) Internet Information Servicesの場合

  sample_c -ORB_FJ_HTTP yes -ORB_FJ_SSL yes
      -ORB_FJ_HTTPGW http://host.com/cgi-bin/ODhttp.dll

Javaアプレットの場合

  Javaアプレットを使用する場合のHTMLの記述例を以下に示します。

  なお、HTMLにパラメタを記述する場合、パラメタ名のハイフン(“-”)は指定しません。

■プレインストール型Javaライブラリを使用する場合

(1) Interstage HTTP Serverの場合

  <HTML>
  <HEAD><!--demo.html-->
  <TITLE>Java sample Applet </TITLE>
  </HEAD>
  <BODY>
  <H1>Java sample Applet</H1>
  <applet code="Sample.class" width=300 height=250>
  <PARAM NAME=ORB_FJ_HTTP VALUE=yes>
  <PARAM NAME=ORB_FJ_SSL VALUE=yes>
  <PARAM NAME=ORB_FJ_HTTPGW VALUE=http://host.com/od-httpgw>
  </applet><BR>
  </BODY>
  </HTML>

(2) Internet Information Servicesの場合

  <HTML>
  <HEAD><!--demo.html-->
  <TITLE>Java sample Applet </TITLE>
  </HEAD>
  <BODY>
  <H1>Java sample Applet</H1>
  <applet code="Sample.class" width=300 height=250>
  <PARAM NAME=ORB_FJ_HTTP VALUE=yes>
  <PARAM NAME=ORB_FJ_SSL VALUE=yes>
  <PARAM NAME=ORB_FJ_HTTPGW VALUE=http://host.com/cgi-bin/ODhttp.dll>
  </applet><BR>
  </BODY>
  </HTML>

  Javaアプレットを使用する場合のHTMLファイルの記述方法については、“アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”の“アプリケーションの開発(Java言語)”を参照してください。