DBミラーリングシステムは、ハードウェア、ソフトウェアを含め、業務で運用するデータベースサーバを完全に二重化したシステムです。また、DBミラーリングシステムでは、運用中のデータも二重化しており、データベースに蓄積するデータの保護を含め、高信頼なデータベースの運用を実現します。
業務アプリケーションでは、データベースサーバの二重化を意識する必要がありません。そのため、データベースサーバで予期せぬトラブルが発生した場合でも、トラブルを意識せずに運用を継続することができます。
データベースのミラーリングの操作を一時的に停止させ、ソフトウェアのパッチ適用などを行うことができます。
また、Symfoware Server Mirroring Controllerを使用することで、二重化したデータベースを利用し、通常の業務を運用しながら、同じデータを活用した参照業務や集計業務などの別の業務を運用することができます。
Symfoware Serverでは、DBミラーリングシステムを実現するため、データベースを二重化する機能を提供しています。
データベース二重化の機能を説明します。
データベースのミラーリング
正系ノード(業務で利用されるデータベースサーバ)のデータベースへのデータ更新時に取得する更新情報を、副系ノード(ミラーリングされたデータベースサーバ)にコピーし、データベースに逐次反映することで、データベースのミラーリングを実現します。正系ノードから副系ノードへのデータ転送は、通常のネットワーク(TCP/IP)を利用します。
図5.23 データベースのミラーリング
データベースサーバの縮退
片方のシステムがなんらかの原因で停止しても、障害が発生したノードを切り離すことで、業務継続が可能です。利用者がデータベース二重化のコマンドにより手動で切替えます。
図5.24 データベースサーバの縮退
参照
データベース二重化についての詳細は、“データベース二重化導入運用ガイド”を参照してください。
Symfoware Serverでは、標準に搭載されているデータベース二重化の機能に加え、異常発生時の高速な縮退や安定したレスポンスを実現する、Mirroring Controllerが提供されています。
自動ノード切替え
Mirroring Controllerの動作環境ファイルに設定された監視対象や監視方法に応じて、異常発生時には、ノードを自動的に切り替えることができます。
副系ノードの活用
副系ノードのデータを活用することで、正系ノードでの業務と並行し、データ分析や帳票出力などの参照業務を行うことができます。参照業務を行う場合も、正系ノードでの業務に影響を与えることなく、安定したレスポンスが保証されます。また、副系ノードのデータベースへのデータ反映を一時的に止めて、ある時点でのスナップショットを作成し、データの集計処理に利用することも可能です。
ストレージ機能によるデータ転送
正系ノードから副系ノードへのデータ転送は、ストレージのリモートコピー機能を利用します。
高スループット、高速な縮退を実現するDBミラーリングシステムが構築可能です。より高いレベルでの業務継続が求められるミッションクリティカルシステムに対応できます。
参照
Mirroring Controllerの概要については、“データベース二重化導入運用ガイド”を参照してください。
データベース二重化は、Mirroring Controllerと組み合わせることで、ノード切替えや資源活用といったデータベース運用をさらに強化することができます。
データベース二重化とMirroring Controllerを組み合わせた場合に、利用可能な機能を以下の示します。
機能 | Mirroring Controllerの有無 | |
---|---|---|
データベースのミラーリング | - | |
データベースサーバの縮退 | 手動によるノード切替え | - |
自動ノード切替え | ○ | |
副系ノードの活用 | ○ |
○:Mirroring Controllerが必要
-:Mirroring Controllerが不要
参照
データベース二重化をMirroring Controllerと組み合わせて使う場合は、“データベース二重化導入運用ガイド”を参照し、セットアップや運用作業を実施してください。