対象バージョンレベル
Solaris版:5.0以降
Linux版:5.2、V10.0L10以降
Linux for Itanium版:V12.0L10以降
HP-UX版:5.1以降
対処
原因
同時実行するジョブネットおよびジョブが多い場合や、メッセージ起動のジョブネットが多い場合、ジョブネットおよびジョブの起動が遅れたり、ジョブ実行制御属性のジョブの状態が、ジョブスケジューラで正しく認識できなくなったりすることがあります。
対処方法
以下に示す方法で、メッセージキューを拡張してください。
Solaris 7/8/9の場合:
/etc/systemファイルに以下の設定を追加し、ファイルの編集後にシステムを再起動してください。
set msgsys:msginfo_msgtql=同時起動ジョブネット数(注1) × 4 |
ジョブ実行制御属性およびInterstage属性のジョブネットを利用する場合は、同時起動ジョブ数も足して計算してください。
“200”は標準的な値であり、ホスト名や出力ファイルへのパスの長さに依存して変化します。十分に検証を行って、適切な値を設定してください。
Solaris8以降では、“msgsys:msginfo_msgseg” および“msgsys:msginfo_msgmap”の値を設定する必要はありません。
先にmsgsys:msginfo_msgtqlの値を求め、その値をもとに計算してください。
EE版の場合です。SE版の場合は、利用サブシステム数を1としてください。
msgsys:msginfo_msgmnbとmsgsys:msginfo_msgmapは、最大値を指定するパラメタのため、現在の値が上記より小さい場合に修正してください。それ以外のパラメタについては、現在の値に上記の設定値を加算してください。
Solaris 10の場合
/etc/projectファイルの設定値を、以下の値にしてください。
process.max-msg-qbytes=(privileged,同時起動ジョブネット数(注1)×200(注2),deny) |
ジョブ実行制御属性のジョブを利用する場合は、同時起動ジョブ数も足して計算してください。
“200”は標準的な値であり、ホスト名や出力ファイルへのパスの長さに依存して変化します。十分に検証を行って、適切な値を設定してください。
EE/GEE版の場合です。SE版の場合は、利用サブシステム数を1としてください。
max-msg-qbytesとmax-msg-idsのOSのデフォルト値は、以下のとおりです。
max-msg-qbytes:64KB
max-msg-ids:128
HP-UX版の場合:
システムの管理マネージャなどを使用して、以下のカーネルパラメタを変更し、カーネルを再作成してください。
msgtql 同時起動ジョブネット数(注1) × 4 |
ジョブ実行制御属性のジョブを利用する場合は、同時起動ジョブ数も足して計算してください。
“200”は標準的な値であり、ホスト名や出力ファイルへのパスの長さに依存して変化します。十分に検証を行って、適切な値を設定してください。
先にmsgtqlの値を求め、その値をもとに計算してください。
EE版の場合です。SE版の場合は、利用サブシステム数を1としてください。
msgmnbとmsgmapは、最大値を指定するパラメタのため、現在の値が上記より小さい場合に修正してください。それ以外のパラメタについては、現在の値に上記の設定値を加算してください。
Linux版の場合:
/etc/sysctl.confファイルに以下の設定を追加し、ファイルの編集後にシステムを再起動してください。
kernel.msgmnb = 同時起動ジョブネット数(注1) × 200(注2) |
ジョブ実行制御属性のジョブを利用する場合は、同時起動ジョブ数も足して計算してください。
“200”は標準的な値であり、ホスト名や出力ファイルへのパスの長さに依存して変化します。十分に検証を行って、適切な値を設定してください。
EE版の場合です。SE版の場合は、利用サブシステム数を1としてください。
kernel.msgmnbは、最大値を指定するパラメタのため、現在の値が上記より小さい場合に修正してください。それ以外のパラメタについては、現在の値に上記の設定値を加算してください。
(EE版のみ)
Linux版で複数サブシステム運用を行う場合、使用されるメッセージキューの数は、サブシステム数の4倍になります。そのため、使用可能なメッセージキューの最大数をオーバーしてしまい、サブシステムの起動ができなくなることがあります。
この場合は、/etc/sysctl.confファイルに以下の設定を追加し、システムで使用可能なメッセージキューの最大数を拡張してください。ファイルの編集後にはシステムを再起動してください。
kernel.msgmni(使用可能なメッセージキューの最大数)=4×利用サブシステム数 |