Solaris 10での運用の注意について説明します。
環境
Non-global Zoneが存在する環境では、運用管理サーバ、部門管理サーバは構築できません。
Zone機能について
運用管理サーバ、部門管理サーバの場合
Solaris 10でNon-global Zoneが存在する環境には、運用管理サーバ、部門管理サーバをインストールできません。Global Zoneだけが存在する環境にしてください。
業務サーバの場合
Solaris 10のNon-global Zoneへ業務サーバをインストールする場合、以下の注意があります。
論理ネットワークインタフェースがGlobal Zoneから1つ以上割り当てられている必要があります。
以下に示すディレクトリは、Zoneの機能である「ディレクトリの継承」は利用することができません。
/opt 以下すべて
/etc 以下すべて
/var 以下すべて
/usr 以下すべて
/lib 以下すべて
Systemwalkerインストールディレクトリ、および以下のディレクトリを他のZoneと共用して使用することはできません。
/opt
/etc
/var
/usr
/lib
ネットワーク性能監視
Non-global Zoneで動作するノードは、ネットワーク性能監視機能のトラフィック情報となるMIBの値が0となります。ネットワーク性能監視機能の監視対象とした場合、性能監視マップ、インタフェース詳細表示(トラフィック) 、ヒストリ表示(トラフィック)、および性能情報出力で表示される値は0となります。
Non-global Zoneで動作するノードのサーバ性能は監視できません。
サーバ性能監視
Non-global Zoneで動作するノードでは、サーバ性能の監視はできません。
アプリケーション監視
アプリケーションの自動検出/稼働監視を行う場合の動作は以下のとおりです。
アプリケーションの自動検出の可否
Global Zoneのアプリケーション | Non-global Zoneのアプリケーション | ||
---|---|---|---|
検出対象ノードがGlobal Zone | 検出できる | 検出できない | |
検出対象ノードがNon-global Zone | 検出できない | 同一Zone | 検出できる |
異なるZone | 検出できない |
アプリケーションの稼働監視の可否
Global Zoneのアプリケーション | Non-global Zoneのアプリケーション | ||
---|---|---|---|
監視対象ノードがGlobal Zone | 監視できる | 監視できない | |
検出対象ノードがNon-global Zone | 監視できない | 同一Zone | 監視できる |
異なるZone | 監視できない |
Solaris 10で複数のCPUを搭載しているノードで、アプリケーションのCPU使用率のしきい値を設定する場合、シングルCPU搭載ノードと同じしきい値設定ではしきい値違反にならないことがあります。
OSによる負荷分散のため、アプリケーションに対するCPUの割り当てが動的に変化します。そのため、以下を目安に設定してください。
CPU使用率の設定
シングルCPU搭載ノード設定しきい値 ÷ CPU数 |
CPU使用率の異常検出判定基準、警告検出判定基準、サンプリング回数の設定は、継続して異常または警告検出した場合、しきい値違反になるように設定します。
異常検出判定基準:複数回 警告検出判定基準:複数回 サンプリング回数:複数回 ※ サンプリング回数 >= 警告検出判定基準 または 異常検出判定基準 |
インベントリ管理
Solaris 10のZone機能を使用して作成したNon-global Zoneに業務サーバをインストールした場合、下記に示す項目についてはインベントリ収集を実行しても採取されず、インベントリ情報の表示を行っても表示されません。
CPU詳細
MACアドレス
コマンド/APIの実行
Solaris 10では、特定の操作を行えないように設定できるため、そのような設定をした場合、root権限を持つユーザであってもコマンド/APIを実行することができません。Systemwalker Centric Managerの操作は、抑止の設定をしないでください。