以降の作業はRORサーバ上で行います。
始めにRORサーバにスーパーユーザーでログインします。そして以下のDVD-ROMをDVD-ROM装置にセットします。
Systemwalker Service Catalog Manager V14g メディアパック (14.1.0)
ボリューム管理デーモンが動作していない場合、DVD-ROMをマウントします。
# mount -t iso9660 -r /dev/mnt DVD-ROMのマウントポイント
次に以下の手順で作業を行ってください。
◆システムパラメーターのチューニング
Interstage Application Serverを動作させるためのシステムパラメーター(IPC資源)の変更を行います。
/etc/sysctl.confを編集して以下に説明する設定値を設定してください。
共有メモリ
パラメーター | 意味 | 設定値 | 備考 |
---|---|---|---|
kernel.shmmax | 共用メモリの最大サイズ | 57413492 | 左の値より大きい値が既に設定されている場合は、その値をそのまま使う。 |
kernel.shmmni | 共用メモリセグメントの最大数 | 4140 | 値が既に設定されている場合には (現在の設定値)+ 44 を設定する。 |
セマフォ
セマフォの設定値は、各パラメタ値を以下の形式で指定します。
kernel.sem = para1 para2 para3 para4
パラメーター | 意味 | 設定値 | 備考 |
---|---|---|---|
para1 | セマフォIDあたりのセマフォの最大数 | 512 | 左の値より大きい値が既に設定されている場合は、その値をそのまま使う。 |
para2 | システム全体のセマフォの最大数 | 37778 | 値が既に設定されている場合には (現在の設定値)+ 5778 を設定する。 |
para3 | セマフォコールあたりのセマフォ操作の最大数 | 50 | 左の値より大きい値が既に設定されている場合は、その値をそのまま使う。 |
para4 | セマフォIDの最大数 | 1294 | 値が既に設定されている場合には (現在の設定値)+ 1166 を設定する。 |
メッセージキュー
パラメーター | 意味 | 設定値 | 備考 |
---|---|---|---|
kernel.msgmax | メッセージの最大サイズ | 16384 | 左の値より大きい値が既に設定されている場合は、その値をそのまま使う。 |
kernel.msgmnb | メッセージキュー上のメッセージの最大バイト数 | 32767 | 左の値より大きい値が既に設定されている場合は、その値をそのまま使う。 |
kernel.msgmni | メッセージキューIDの最大数 | 541 | 値が既に設定されている場合には (現在の設定値)+ 525 を設定する。 |
設定の例
(変更前)
# Controls the maximum size of a message, in bytes kernel.msgmnb = 65536 # Controls the default maxmimum size of a mesage queue kernel.msgmax = 65536 # Controls the maximum shared segment size, in bytes kernel.shmmax = 68719476736 # Controls the maximum number of shared memory segments, in pages kernel.shmall = 4294967296
(変更後:下線部を追加)
kernel.msgmnb、kernel.msgmax、kernel.shmmaxは既に大きい値が設定されているのでそのまま使います。
# Controls the maximum size of a message, in bytes kernel.msgmnb = 65536 # Controls the default maxmimum size of a mesage queue kernel.msgmax = 65536 # Controls the maximum shared segment size, in bytes kernel.shmmax = 68719476736 # Controls the maximum number of shared memory segments, in pages kernel.shmall = 4294967296 kernel.shmmni = 4140 kernel.sem = 512 37778 50 1294 kernel.msgmni = 541
/etc/sysctl.confの編集が完了したら、以下のコマンドを実行して編集結果をシステムに反映させます。
# sysctl -p /etc/sysctl.conf
◆Interstage Application ServerのJ2EE機能のインストール
Interstage Application ServerのJ2EE機能をインストールします。
以下のファイルを実行します。
# cd DVD-ROMのマウントポイント # /bin/sh unified/Disc2/isas/install.sh
システムパラメーターのチューニングに関する確認メッセージが表示されるので、y(省略値)を選択します。
Interstage Application Server を正常に動作させるためには、IPC資源を適切にチューニングする必要が あります。 IPC資源のチューニングを行っていない場合は、必要資源の見積もり、およびチューニングを実施してから インストールを実行してください。 インストールを開始しますか?(省略: y) [y,n]:
セキュリティモードの選択では「1:強化モード」(省略値)を選択します。
セキュリティモードを選択してください。(1: 強化モード, 2: 互換モード) (省略: 1) [1,2,q]:
Interstage運用コマンドを操作するシステムのグループ名はroot(省略値)のままにします。
Interstage運用コマンドを操作するシステムのグループ名を入力してください。(省略: root) [?,q]:
インストールするサーバタイプでは「1:アプリケーションサーバ機能」を選択します。
インストールするサーバタイプを選択してください。(1: アプリケーションサーバ機能,2: 管理サーバ機能, 3: Web Package機能)[1,2,3,q]: 1
インストール方法では「2:カスタム」を選択します。
インストール方法を選択してください。(1: 標準, 2: カスタム) [1,2,q]: 2
機能選択またはパッケージ選択では「1:機能選択」を選択します。
機能選択またはパッケージ選択を選択してください。(1: 機能選択, 2: パッケージ選択) [1,2,q]: 1
インストールする機能では「4 J2EE (Servlet Service/Interstage EJB Service)」を選択します。
Functions: 1 Webサーバ(Interstage HTTP Server) 2 JDK/JRE 5.0 3 JDK/JRE 6 4 J2EE (Servlet Service/Interstage EJB Service) 5 Java EE 6 Interstage管理コンソール 7 SOAPサービス (互換機能) 8 UDDIクライアント 9 シングル・サインオン 10 ディレクトリサービス 11 非同期通信 12 オプションライブラリ 13 分散トランザクション 14 JDK/JRE 1.4 15 Tomcat4.1ベースのServlet (互換機能) 16 フレームワーク 17 サンプル インストールする機能を選択してください。複数選択する場合、“,”で区切って指定してください。 [?,??,all,q]: 4
CORBAサービスのポート番号は8002(省略値)を選択します。/etc/servicesの設定を上書きするかどうかの確認メッセージが表示されるので、yを選択します。
CORBAサービスのポート番号を指定してください。(省略: 8002) [?,q]: 指定されたポート番号は既に /etc/services で設定されています。 /etc/servicesの設定を上書きしますか? [y,n,q]: y
参考
Red Hat Enterprise Linux 5では、ポート8002はTeradata ORDBMS用に割り当てられています。このデータベースシステムを使用するのでなければポート8002の設定を上書きしてもかまいません。
JDKまたはJREの選択では「1:JDK」(省略値)を選択します。
JDKまたはJREを選択してください。(1: JDK, 2: JRE) (省略: 1) [1,2,q]:
Webサーバのホスト名は省略値のまま(このサーバのホスト名)とします。Webサーバのポート番号は80(省略値)とします。
Webサーバ(Interstage HTTP Server)のホスト名を指定してください。(省略: hostname) [?,q]: Webサーバ(Interstage HTTP Server)のポート番号を指定してください。(省略: 80) [?,q]:
Interstage管理コンソールのホスト名、ポート番号、SSL暗号化通信の使用有無、メッセージマニュアルを使用有無も省略値の設定のままとします。
Interstage管理コンソールのホスト名を指定してください。(省略: hostname) [?,q]: Interstage管理コンソールのポート番号を指定してください。(省略: 12000) [?,q]: Interstage管理コンソールでSSL暗号化通信を使用するか選択してください。(省略: y) [y,n,q]: Interstage管理コンソールでメッセージマニュアルを使用するか選択してください。(省略: y) [y,n,q]:
続いて、インストール情報が表示されます。設定内容を確認して、インストールを開始します。
インストールが完了したら、以下の3つのコマンドを実行してInterstageを起動します。
(Interstage管理コンソールの起動) # /opt/FJSVisgui/bin/ismngconsolestart (InterstageのWebサーバの起動) # /opt/FJSVihs/bin/ihsstart -all (Interstageの起動) # /opt/FJSVtd/bin/isstart
◆Interstage Business Process Manager Analyticsのセンサー機能のインストール
Interstage Business Process Manager Analyticsのセンサー機能をインストールします。
一時的な作業ディレクトリを用意します。ここでは/var/tmpを使用します。
Interstage Business Process Manager Analyticsのセンサーのインストーラを作業ディレクトリに展開します。
# unzip DVD-ROMのマウントポイント/unified/Disc5/ibpma/sensor/sensor_installer.zip -d /var/tmp
作業ディレクトリ内にsensor_installerというディレクトリができるので、そこに移動します。
# cd /var/tmp/sensor_installer
以下のファイルを実行します。
# /bin/sh install_sensor.sh
Analytics server(ダッシュボードサーバ)のIPアドレスを聞いてきますが、ここにはダッシュボードサーバのIPアドレスではなく"127.0.0.1"と入力します。ダッシュボードサーバのIPアドレスはこの後に行うリモートセンサーのセットアップ時に正しいものに設定されます。ポート番号も後で正しいものに設定されるので、ここでは80(省略値)のままとします。
Please specify Analytics server FQDN or IP address. [?,q] 127.0.0.1 Please specify Analytics server port number. (current: 80) [?,q]
インストール情報を変更するかの確認が表示されるので、n(省略値)を選択してインストールを開始します。
Would you like to change the install information? n [y,n,?,q]
◆リモートセンサーのセットアップ
リモートセンサーのセットアップ資材をインストールします。
rpmコマンドを用いて以下のパッケージをインストールします。
# cd DVD-ROMのマウントポイント/unified/Disc1/SETUP/sop/RPMS # rpm -ivh FJSVctdsr-14.1.0-1.0.i386.rpm
リモートセンサーのセットアップを実行します。
以下のコマンドを実行します。
# cd /opt/FJSVctdsr/setup # ./setupRemoteSensor.sh -h <host_address> -d <dsb_server_address> -p <dsb_server_port>
パラメーターの説明は次のとおりです。
パラメーター | 説明 |
---|---|
-h <host_address> | RORサーバのIPアドレスを指定します。 |
-d <dsb_server_address> | ダッシュボードサーバのIPアドレスを指定します。 |
-p <dsb_server_port> | ダッシュボードにアクセスする際に使用するポート番号を指定します。デフォルトは80です。 |
実行例は次のとおりです。
# cd /opt/FJSVctdsr/setup # ./setupRemoteSensor.sh -h 192.168.1.101 -d 192.168.1.100 -p 80