複写用ローデバイスのセットアップについて説明します。
DBミラーリングシステムで使用する以下の複写用ローデバイスを両ノードに作成します。
主系RLPの送信用RLM用のローデバイス
主系RLPの受信用RLM用のローデバイス
主系RLPのRLC用のローデバイス
従系RLPの送信用RLM用のローデバイス
従系RLPの受信用RLM用のローデバイス
従系RLPのRLC用のローデバイス
参照
作成するローデバイスの領域長、RLCファイル数の見積りは、“付録B 資源の見積り(詳細版)”を参照してください。
複写用ローデバイスの作成方法について説明します。
以下の機能を利用してパーティションまたはボリュームを作成します。
OS機能のformatユーティリティ
パーティションを切り出すディスクの番号を入力したあと、“partition”を選択し、メニューの指示に従って行います。
PRIMECLUSTER GDS
なお、ローデバイスに対して初期化を行う必要はありません。
注意
ローデバイス作成時に、シリンダ0は指定しないでください。
スライス2は、ディスク全体を表すため、ローデバイスとして使用しないでください。
DBミラーリングシステムで使用するローデバイスは、formatユーティリティまたはPRIMECLUSTER GDSで作成したものを使用してください。DBミラーリングシステムの運用に必要なローデバイスに対してリンクを作成しないでください。
マルチパスディスクやPRIMECLUSTER GDSを使用する場合は、マルチパスディスク制御やPRIMECLUSTER GDSで作成した文字型特殊ファイル名を使用してください。それらの文字型特殊ファイル名に対してリンクを作成しないでください。
OSのユーティリティでパーティションを切り出す場合、ユーティリティで指定したサイズと、実際に切り出されるサイズが若干異なることがあります。また、複数のパーティションを切り出す場合に、OSのユーティリティにそれぞれ同一のサイズを指定しても、実際に切り出されるパーティションによってサイズが異なることがあります。そのため、実際に切り出されたパーティションのサイズについては、OSのユーティリティで確認してください。
参照
ローデバイスの作成方法およびformatユーティリティの詳細については、使用しているシステムベンダのドキュメントを参照してください。
PRIMECLUSTER GDSの詳細については、“PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書”を参照してください。
ローデバイスの作成後に、使用するSymfoware/RDB環境の起動ユーザおよびスーパユーザしかアクセスできないようにchownコマンドおよびchmodコマンドを使用して、アクセス権の設定を行ってください。
参照
chownコマンドおよびchmodコマンドの詳細については、使用しているシステムベンダのドキュメントを参照してください。
複写用ローデバイスの作成方法について説明します。
RHEL-AS4の場合
以下の機能を使用してパーティションまたはボリュームを作成します。
OS機能のpartedコマンド
PRIMECLUSTER GDS
/etc/sysconfig/rawdevicesを編集します。
OS機能で作成したパーティションの場合、デバイス名としてudevにより作成される固定のデバイス名を指定してください。ETERNUSのディスクに対してローデバイスを作成する場合、udevのブロックデバイス名には、by-id名を使用します。
PRIMECLUSTER GDSのボリュームの場合、ブロック特殊ファイルを指定してください。
udevによりローデバイスのアクセス権が正しく設定されるように、/etc/udev/permissions.d/ディレクトリにある追加パーミッションルールファイルを必要に応じて編集します。
ntsysvコマンドを実行し、“rawdevices”を選択します。すでに“rawdevices”が有効になっている場合は、以下のコマンドを実行して/etc/sysconfig/rawdevicesファイルの変更内容を反映してください。
$ /sbin/service rawdevices restart
なお、ローデバイスの初期化を行う必要はありません。
注意
udevのブロックデバイスはパーティションを指定してください。パーティション番号のないハードディスクデバイスは、ディスクラベル(パーティションテーブル)を含んでいるため、使用しないでください。
DBミラーリングシステムで使用するローデバイスは、rawコマンドで作成したものを使用してください。DBミラーリングシステムの運用に必要なローデバイスに対してリンクを作成しないでください。
OSのユーティリティでパーティションを切り出す場合、ユーティリティで指定したサイズと、実際に切り出されるサイズが若干異なることがあります。また、複数のパーティションを切り出す場合に、OSのユーティリティにそれぞれ同一のサイズを指定しても、実際に切り出されるパーティションによってサイズが異なることがあります。そのため、実際に切り出されたパーティションのサイズについては、OSのユーティリティで確認してください。
参照
partedコマンド、rawコマンド、ntsysvコマンド、udevおよびシステムファイルの編集の詳細については、使用しているシステムベンダのドキュメントを参照してください。
PRIMECLUSTER GDSの詳細については、“PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書”を参照してください。
例
RLCファイル数を3としたときの設定例を以下に示します。
/etc/sysconfig/rawdevices の設定例
/dev/raw/raw157 /dev/disk/by-id/scsi-36000b5d0006a0000006a01e000870000-part6 /dev/raw/raw158 /dev/disk/by-id/scsi-36000b5d0006a0000006a01e000870000-part7 /dev/raw/raw159 /dev/disk/by-id/scsi-36000b5d0006a0000006a01e000870000-part8 /dev/raw/raw160 /dev/disk/by-id/scsi-36000b5d0006a0000006a01e000870000-part9 /dev/raw/raw161 /dev/disk/by-id/scsi-36000b5d0006a0000006a01e000870000-part10
アクセス権の設定方法について説明します。
複数の動作環境を作成する場合は、ほかのSymfoware/RDB環境とローデバイスを二重に使用しないよう注意が必要です。ローデバイスの作成後に、使用するSymfoware/RDB環境の起動ユーザおよびスーパーユーザしかアクセスできないようにchownコマンドおよびchmodコマンドを使用して、アクセス権の設定を行ってください。
参照
chownコマンドおよびchmodコマンドの詳細については、使用しているシステムベンダのドキュメントを参照してください。
注意
デバイスのアクセス権はudevによって設定されます。udevの設定ファイルにより、ローデバイスのアクセス権を設定してください。
例
Symfoware/RDBの起動ユーザをsymag、グループをrdbとし、ローデバイスとして /dev/raw/raw10を使用する場合、以下の内容で、/etc/udev/permissions.d/48-raw.permissions ファイルを作成します。
raw/raw10:symag:rdb:0660
参照
udevの詳細については、使用しているシステムベンダのドキュメントを参照してください。
RHEL5の場合
ディスクから必要な大きさのパーティションを切り出してローデバイスを作成します。ローデバイスは、ブロックデバイスに対してシンボリックリンクを設定して使用します。なお、PRIMECLUSTER GDSを使用する場合は、GDSのブロックデバイスを直接使用します。以下に作成手順を示します。
以下の機能を利用してパーティションまたはボリュームを作成します。
OS機能のpartedコマンド
PRIMECLUSTER GDS
PRIMECLUSTER GDSを使用している場合は、上記の作業でローデバイスの作成は完了となります。
以降の作業は、PRIMECLUSTER GDSを使用していない場合に実施してください。
ディスクのパーティションに対応するudevのブロックデバイス名を特定します。
ETERNUSのディスクに対してローデバイスを作成する場合、udevのブロックデバイス名には、by-id名を使用します。なお、特定したudevのブロックデバイスとディスクパーティションの情報は対応表などを作成することを推奨します。
udevのブロックデバイスへシンボリックリンクを作成します。
シンボリックリンクの作成先は、/dev_symfobcディレクトリを作成後、/dev_symfobc配下に作成します。
/dev_symfobcディレクトリのアクセス権は、データベース管理者からアクセス可能なようにchownコマンドおよびchmodコマンドを使用してアクセス権の設定を行ってください。
なお、ローデバイスに対して初期化を行う必要はありません。
注意
OSのユーティリティでパーティションを切り出す場合、ユーティリティで指定したサイズと、実際に切り出されるサイズが若干異なることがあります。また、複数のパーティションを切り出す場合に、OSのユーティリティにそれぞれ同一のサイズを指定しても、実際に切り出されるパーティションによってサイズが異なることがあります。そのため、実際に切り出されたパーティションのサイズについては、OSのユーティリティで確認してください。
参照
partedコマンド、udev、chownコマンドおよびchmodコマンドの詳細については、使用しているシステムベンダのドキュメントを参照してください。
PRIMECLUSTER GDSの詳細については、“PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書”を参照してください。
アクセス権の設定方法について説明します。
PRIMECLUSTER GDSを使用している場合
“PRIMECLUSTER Global Disk Services説明書”の“ボリュームのブロック型特殊ファイルのアクセス権”を参照して設定してください。
PRIMECLUSTER GDSを使用していない場合
ローデバイスへのアクセス権の設定ルールを記述します。
設定ルールは、“/etc/udev/rules.d/99-symfobc.rules”を作成して記述します。
設定ルールは、すべてのローデバイス分記述します。
参照
udevの詳細については、使用しているシステムベンダのドキュメントを参照してください。
等価性コピーを利用してRERUNログ転送を行うために、ノード間の複写用ローデバイスの対応付けを行います。
ノード間での複写用ローデバイスの対応付けは両ノードで実施します。
本作業は、RECテンプレート作成シェルスクリプトdxrecsetvol.shにて行います。
dxrecsetvol.shでは、以下が実行されます。
ACMのswsrpsetvolコマンドによるノード間での複写用ローデバイスの対応付け
正系ノードでの操作
$ dxrecsetvol.sh -d 主系RLPの複写元RLPのRLP定義ファイル名 -x
副系ノードでの操作
$ dxrecsetvol.sh -d 従系RLPの複写元RLPのRLP定義ファイル名 -x
注意
システム間での複写用ローデバイスの対応付けを開始する前に、ACMの設定(デバイス情報の取り込みなど)を完了させてください。
ノード間の複写用ローデバイスの対応について、複写元ボリュームと複写先ボリュームは必ず同じサイズのものを指定してください。
エラーが発生した場合は、原因を取り除いたあと、dxrecsetvol.shのoオプションで、コマンド実行シェルスクリプトを作成し、必要に応じて編集したものを実行してください。
参照
dxrecsetvol.shの詳細は、“Mirroring Controller コマンドリファレンス”を参照してください。
RLP定義ファイルの記述については、“G.5 RLP定義ファイルの編集”を参照してください。
swsrpsetvolコマンド、各動作モードの詳細は、“ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書”を参照してください。
コマンド実行シェルスクリプトの利用方法については“付録K コマンド実行シェルスクリプトの利用方法”を参照してください。
等価性コピーの開始は、両ノードで実施します。
本作業は、RECテンプレート作成シェルスクリプトdxrecstartsync.shにて行います。
dxrecstartsync.shでは、以下が実行されます。
ACMのswsrpstartsyncコマンドによる等価性コピーの開始
正系ノードでの操作
$ dxrecstartsync.sh -d 主系RLPの複写元RLPのRLP定義ファイル名 -m s -x
副系ノードでの操作
$ dxrecstartsync.sh -d 従系RLPの複写元RLPのRLP定義ファイル名 -m s -x
等価性コピーを開始したのち、等価性コピーの状態を確認します。
本作業は、RECテンプレート作成シェルスクリプトdxrecstat.shで行います。
dxrecstat.shでは、以下が実行されます。
ACMのswsrpstatコマンドによる等価性コピーの状態の確認
正系ノードでの操作
$ dxrecstat.sh -d 主系RLPの複写元RLPのRLP定義ファイル名 -x
副系ノードでの操作
$ dxrecstat.sh -d 従系RLPの複写元RLPのRLP定義ファイル名 -x
dxrecstat.shの実行結果から、“Status”欄がすべて“equivalent”となっていることを確認してください。
正系ノードでの操作
$ dxrecstat.sh -d 主系RLPの複写元RLPのRLP定義ファイル名 -x Server Original-Volume Replica-Volume Direction Status Execute SRC-SV /dev/blockdev11@SRC-SV /dev/blockdev11@TARG-SV regular equivalent 100% SRC-SV /dev/blockdev12@SRC-SV /dev/blockdev12@TARG-SV reverse equivalent 100% SYMFOWARE_SYMDX: INFO: 14311: RLM用ブロックデバイスのREC状態確認に成功しました SRC-SV /dev/blockdev13@SRC-SV /dev/blockdev13@TARG-SV regular equivalent 100% SYMFOWARE_SYMDX: INFO: 14313: RLC #1用ブロックデバイスのREC状態確認に成功しました SRC-SV /dev/blockdev14@SRC-SV /dev/blockdev14@TARG-SV regular equivalent 100% SYMFOWARE_SYMDX: INFO: 14313: RLC #2用ブロックデバイスのREC状態確認に成功しました SRC-SV /dev/blockdev15@SRC-SV /dev/blockdev15@TARG-SV regular equivalent 100% SYMFOWARE_SYMDX: INFO: 14313: RLC #3用ブロックデバイスのREC状態確認に成功しました
副系ノードでの操作
$ dxrecstat.sh -d 従系RLPの複写元RLPのRLP定義ファイル名 -x Server Original-Volume Replica-Volume Direction Status Execute SRC-SV /dev/blockdev21@TARG-SV /dev/blockdev21@SRC-SV regular equivalent 100% SRC-SV /dev/blockdev22@TARG-SV /dev/blockdev22@SRC-SV reverse equivalent 100% SYMFOWARE_SYMDX: INFO: 14311: RLM用ブロックデバイスのREC状態確認に成功しました SRC-SV /dev/blockdev23@TARG-SV /dev/blockdev23@SRC-SV regular equivalent 100% SYMFOWARE_SYMDX: INFO: 14313: RLC #1用ブロックデバイスのREC状態確認に成功しました SRC-SV /dev/blockdev24@TARG-SV /dev/blockdev24@SRC-SV regular equivalent 100% SYMFOWARE_SYMDX: INFO: 14313: RLC #2用ブロックデバイスのREC状態確認に成功しました SRC-SV /dev/blockdev25@TARG-SV /dev/blockdev25@SRC-SV regular equivalent 100% SYMFOWARE_SYMDX: INFO: 14313: RLC #3用ブロックデバイスのREC状態確認に成功しました
注意
エラーが発生した場合は、原因を取り除いたあと、dxrecstat.sh のoオプションで、コマンド実行シェルスクリプトを作成し、必要に応じて編集したものを実行してください。
参照
dxrecstartsync.shおよびdxrecstat.shの詳細は、“Mirroring Controller コマンドリファレンス”を参照してください。
RLP定義ファイルの記述については、“G.5 RLP定義ファイルの編集”を参照してください。
swsrpstartsyncコマンド、swsrpstatコマンドの詳細は、“ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書”を参照してください。
コマンド実行シェルスクリプトの利用方法については“付録K コマンド実行シェルスクリプトの利用方法”を参照してください。
参考
DBミラーリングシステムでは、ACMの筐体間レプリケーション機能を使用して、RERUNログの転送を行います。
DBミラーリングシステムでは、ACMの筐体間レプリケーション機能の以下の動作モードを使用します。
転送モードは、同期Writeモードを使用
Splitモードは、Manual SplitモードおよびAutomatic Splitモードを使用
Recoveryモードは、Manual Recoveryモードを使用