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Symfoware Server V10.1.0 セキュリティ運用ガイド

2.2.6 実行資源の制御

ある特定の利用者が資源を膨大に使い、全体の資源を枯渇させることによって、他の正当な利用者の処理実行を妨げるという脅威を防ぐために、各利用者が使用できる資源量を制御する機能です。

Symfoware Serverが資源を獲得しようとして、その資源が使い尽くされて獲得できない場合があります。この時、不当に資源を使用しているのがSymfoware Server以外のプロセスの場合と、Symfoware Server自身の場合があります。前者は、利用者がログインして不当なプログラムを実行した場合で、後者は利用者がSymfoware Serverの機能を不当に使用している場合です。

図2.4 実行資源の制御機能

Symfoware Serverで制限する資源

Symfoware Serverが資源量を制御しているものは、以下があります。

これらに対して、実行資源量を制限する方法としては、以下の2つの視点から考えてください。

Symfoware Serverの機能で資源へのアクセス制限は、SET SYSTEM PARAMETER文を使ってセキュリティパラメタをチューニングすることで行います。

実行資源の制御方法について以下の表に示します。

表2.3 実行資源の制御方法

制限する資源

Symfoware Serverの機能で制限する方法

セキュリティ
パラメタ名

OSの機能で制限
する方法

利用者数

1人の利用者が同時に接続可能なコネクション数

MAX_CONNECTION

カーネル編集ファイルで仮想端末数を調整

SolarisSolarisの場合
/etc/system

LinuxLinuxの場合
/etc/sysctl.conf

メモリ

1つのコネクションで使用可能なメモリ量

MAX_MEMORY_USE

limitsコマンド

ファイル

1つのコネクションで使用可能な作業用ファイルの量

MAX_WORKFILE_USE

limitsコマンド

1つのコネクションで使用可能な作業用ファイルの数

MAX_WORKFILE_NUM

トランザクション資源

1つのトランザクションで使用可能な時間

MAX_TRAN_TIME

なし

1つのトランザクションで使用可能なトランザクション用メモリ量

MAX_TRAN_MEM

処理時間

アプリケーションの無応答待ち時間

MAX_WAIT_TIME

なし

セキュリティパラメタの詳細については、“2.5 セキュリティパラメタのチューニング”を参照してください。