ページの先頭行へ戻る
Symfoware Server V10.0.0/V10.0.1 アプリケーション開発ガイド(埋込みSQL編)

1.3 アプリケーション開発作業の流れ

データベースの設計が完了したら、データベースへアクセスするアプリケーションを開発します。アプリケーションの開発作業の流れを以下に示します。なお、アプリケーションの実行処理を行うためには、Symfoware/RDBの起動が必要となります。

図1.3 アプリケーション開発作業の流れ

アプリケーションの設計

データベースを処理するアプリケーションの設計作業は、一般のアプリケーションの開発作業と変わりません。データベース特有に考慮すべき点を以下に示します。

アプリケーションの言語種の選択

データベースを処理するための言語には、C言語およびCOBOL言語があります。アクセス対象の表の列の属性などを考慮して選択する必要があります。

トランザクション

データベースは、複数のアプリケーションから共用して利用します。このため、アプリケーション間の排他を考慮してプログラムを設計する必要があります。たとえば、2つのアプリケーションが別の表を参照したあと、互いに他方のアプリケーションが参照している表を更新するようなプログラムを同時に実行すると、デッドロックが発生して処理ができなくなることがあります。

データ操作のSQL文の選択

アプリケーションで実行するSQL文が決定している場合は、通常のデータ操作のSQL文(動的SQL文以外のSQL文)をアプリケーション中に埋め込んで利用します。アプリケーションの実行中にSQL文を動的に実行する場合は、動的SQL文をアプリケーション中に埋め込んで利用します。

アプリケーションのコーディング

アプリケーションは、ホスト言語のプログラム中にSQL文を埋め込んで記述します。このようなプログラムをSQL埋込みホストプログラムと呼びます。ホスト言語には、C言語およびCOBOL言語があります。アプリケーションのコーディング方法については、“3.1 SQL埋込みCプログラムの作成方法”および“3.2 SQL埋込みCOBOLプログラムの作成方法”で説明します。

コンパイルおよびリンク

SQL埋込みホストプログラムをコンパイルするためには、利用者依存のコンパイル環境を作成し、この上でコンパイル処理を行います。

コンパイル環境と、コンパイルおよびリンクの方法については、“6.1 UNIX系を使用した場合のアプリケーションのコンパイル・リンク”および“6.2 Windows(R)を使用した場合のアプリケーションのコンパイル・リンク”で説明します。

アプリケーションの実行

アプリケーションのコンパイルとリンクが完了すると、実際に実行してデバッグを行い、意図した動作が行われることを確認します。

実行のためには、データ操作のSQL文で指定されている表に対して、表のDSIの定義およびDSIの初期化が完了している必要があります。

参照

表のDSIの定義およびDSIの初期化については、“RDB運用ガイド(データベース定義編)”を参照してください。

通常は、動作を確認するために必要なデータの創成を完了してから実行します。アプリケーションを実行するための実行方法については、“第7章 アプリケーションの実行”で説明します。また、アプリケーションのデバッグ方法については、“7.2 アプリケーションのデバッグ”で説明します。