DataSetオブジェクトを使用して、任意の方向で更新可能なデータ参照をするサンプルコードについて説明します。
カーソルとは異なりデータをVisual Basic .NETの内部にコレクション(DataSet)として取り込んで参照します。
更新方法については“D.3.6 データのメモリ内キャッシュを使用した更新”を参照してください。
本サンプルコードでは、取得データをデータグリッドコントロールで表示します。事前にフォームへデータグリッドコントロール(DataGrid1)を追加してください。
アプリケーションの手順
OdbcConnectionオブジェクトでコネクションを接続します。詳細は、“D.3.1 接続および切断”を参照してください。
OdbcDataAdapterオブジェクトを生成します。(SelectCommandTextプロパティへSELECT文を設定する)
DataSetオブジェクトを生成します。
OdbcDataAdapter.FillメソッドでデータをDataSetへ取得します。
DataSet のデータをデータグリッドコントロールにて参照します。
コネクションを切断します。
オブジェクトを破棄します。
エラー処理については、“D.3.9 エラー処理”を参照してください。
'オブジェクト宣言
Dim con As Microsoft.Data.Odbc.OdbcConnection
Dim adp As Microsoft.Data.Odbc.OdbcDataAdapter
Dim dst As DataSet
'OdbcConnectionオブジェクトの生成
con = New Microsoft.Data.Odbc.OdbcConnection("DSN=DSN01;UID=USER01;PWD=PASS01")
Try
'1. コネクション接続
con.Open()
'2. OdbcDataAdapterオブジェクトの生成
adp = New Microsoft.Data.Odbc.OdbcDataAdapter("SELECT * FROM TESTTBL", con)
'3. DataSetオブジェクトの生成
dst = New DataSet
'4. DataSet オブジェクトへデータを取得
adp.Fill(dst, "TESTTBL")
'5. DataSet のデータを DataGrid コントロールで参照する
DataGrid1.DataSource = dst
DataGrid1.DataMember = "TESTTBL"
DataGrid1.DataBind()
'6. コネクション切断
con.Close()
'7. オブジェクトの破棄
con.Dispose()
adp.Dispose()
dst.Dispose()
'エラー処理
Catch ex As Microsoft.Data.Odbc.OdbcException
'エラー処理ルーチンを記述
End Try