DSSファイルシステムを共用するノードごとにカーネル層(ファイルシステム層)で動作するモジュールです。それぞれのノードで動作するユーザアプリケーションからシステムコールを通じてアクセス要求があると、各 AC は MDS と通信を行います。MDS から渡されるメタデータと、直接アクセスする実データを用いてファイル操作を行います。
抽出処理を実行する際に、処理ごとに設定されるIDです。抽出処理実行時に利用者が任意の文字列を指定することができます。
抽出処理実行時に指定しなかった場合、抽出制御プロセスにより自動的にIDが割り当てられます。
蓄積データファイル削除コマンド実行時、削除に失敗したファイル名を出力するファイルです。コマンド実行時に出力先ファイル名を指定します。
指定を省略した場合は資源管理動作環境定義ファイルの定義に従い出力されます。
DSSファイルシステムを運用するうえで必要な情報を管理しています。また、ファイルシステム監視機構が情報の整合性を保つためにもこれを用いています。管理パーティションには以下の情報が含まれています。
DSSファイルシステムを構成するDSSサーバの情報
各DSSファイルシステムのDSSサーバと共用デバイスの対応情報
各DSSファイルシステムの MDS動作情報
ファイルに含まれるCPMキーの値や保存先、バックアップファイルの有無、ファイルの保存期限など蓄積データファイルに関する情報を管理しています。ロードコマンド実行時に資源管理上に作成されます。
共用ディスク装置の使用形態の 1つです。各ノードのアプリケーションの責任により、同時にアクセス可能な形態(共用ディスク装置と、共用ディスクは意味が異なることに注意してください。明確に区別するために"共用ディスク”を"同時アクセス用の共用ディスク”と呼ぶこともあります)。
複数のノードに接続されるディスク装置です。複数のノードから同時にアクセスさせるか/させないかという使用形態によって、共用ディスクと、切替えディスクの2つに分類できます(共用ディスク装置と、共用ディスクは意味が異なることに注意)。
サーバ間でのファイル共有を管理・提供するためのファイルシステムの総称です。
Interstage Information Storageでは共用ファイルシステムとしてDynamic Store Services(DSS)をサポートしています。
PRIMECLUSTER がノード間の通信処理で専用に使用するネットワーク接続です。詳細は、“PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書 (Linux版)”を参照してください。
クラスタシステムを構成するノード間の整合性が保たれている状態です。具体的には、クラスタシステムを構成する、各ノードの CF の状態が UP または DOWNである状態です (LEFTCLUSTERとなっているノードが存在しない)。詳細は、“PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書 (Linux版)”を参照してください。
クラスタノードの一部のノードの通信が停止した状態です。詳細は、“PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書 (Linux版)”を参照してください。
参照可能開始日時と参照可能終了日時の間を指し、抽出対象とされる期間です。データロード時に設定されます。参照期間が過ぎた蓄積データファイルは抽出対象からは除外されますが、蓄積データファイル削除コマンドの削除対象になりません。設定が省略された場合は保存期限と同一となります。
Interstage Information Storageへ格納されたデータの管理を行う機能です。
Interstage Information Storageに格納された蓄積データファイルについて、保存場所、保存期限、CPMキー範囲などの情報を管理します。
資源管理、資源管理コマンド、資源管理常駐プロセスから構成されます。
蓄積データファイル削除コマンド、資源管理状態変更コマンドなど、Interstage Information Storageに格納されているデータの管理、運用に使用するコマンド群のことです。
以下のコマンドが該当します。
カテゴリ定義参照コマンド(dcccat)
蓄積データファイル削除コマンド(dccdelete)
資源管理状態変更コマンド(dccres)
稼働状況表示コマンド(dccstatus)
終了指示コマンド(dccterm)
蓄積データファイル作成中状態解除コマンド(dccunlock)
抽出処理を実行する際に、実行環境を分けるための定義です。
実行クラスを分けることで、以下の設定を抽出処理ごとに変更することができます。
・相乗り待ち合わせ時間
・使用するデータ抽出セル
・使用する出力先ディレクトリ
・最大使用データ抽出セル数
DSS サーバで動作する MDS がファイルシステムのマウントを許可する、DSS クライアントのリストです。接続許可リストはファイルシステムごとに作成し、DSS サーバの /etc/sfcfs/server.conf.fsid に配置します。
データ抽出セルが抽出結果を出力するファイルです。1回の抽出で、抽出対象となった蓄積データファイルごとに出力されます。
抽出処理が完了した場合、または抽出処理をキャンセルした場合には自動的に削除されます。
API連携機能や抽出コマンドを通じて依頼された抽出処理の実行制御を行う機能です。抽出依頼を受け付け、実行制御、結果の取りまとめを行う「抽出制御プロセス」と、抽出制御プロセスの依頼を受けてデータ抽出セルを起動させる「データ抽出エージェント」、蓄積データファイルから抽出条件に合致したデータを抽出する「データ抽出セル」から構成されます。
資源管理に登録された情報の確認、削除などの運用処理と、クライアントから抽出依頼を受け付け抽出処理の制御を行う機能の集まりです。
抽出制御プロセス、資源管理コマンド、資源管理常駐プロセス、DSSクライアントから構成されます。
抽出処理を実行するプロセスです。1抽出対象ファイルに対し1つのプロセスが割り当てられます。1抽出要求で複数の抽出対象ファイルが選択された場合は、複数のデータ抽出セルが並列に動作し、抽出処理を行います。
他システムで出力された、ロードコマンドの入力となるファイルです。
ロードコマンドによって解析と圧縮が行われた後、蓄積データファイルとしてInterstage Information Storageに格納されます。
入力データファイルがInterstage Information Storageで使用できるデータ形式になっているかをチェックするコマンドです。
CSV形式の入力データファイルのデータ形式をチェックするコマンド(iisloadcheckcsv)と、XML形式の入力データファイルのデータ形式をチェックするコマンド(iisloadcheckxml)があります。
PRIMECLUSTER システムで、各ノードにとって普遍となるように付ける名前です。
通常は、各ノードのノード名と同一で構いません。しかし、ホットスタンバイなどでノード名を待機ノードに引き継いだりすると、物理的な名称とノード名の対応が一時的に変更されます。そのようなときに物理的な名称であるノード識別名で管理することができます。
クラスタ運用管理ビューで、各ノードを指す名前として表示されます。
クラスタ内のすべてのノードは、同じクラスタにある他のすべてのノードのローカル状態を管理します。クラスタ内のノードは、すべて UP、DOWN、または LEFTCLUSTER のいずれかの状態にあります。詳細は、“PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書 (Linux版)”を参照してください。
DSSファイルシステムを構成するパーティションのパーティション情報を持ちます。構成パーティションの、メタデータ領域、アップデートログ領域、ファイルデータ領域 (データ領域) のサイズ、配置の情報を保持します。
DSS クライアントで使用する DSS ファイルシステムの構成情報です。構成情報には、以下が含まれています。
データ領域を構成するデバイス情報
MDS の情報
ファイルシステム構成情報はファイルシステムごとに作成し、DSS クライアントの /etc/sfcfs/client.conf.論理ファイルシステム名 に配置します。
資源管理にて管理されている全レコードと、全ての蓄積データファイルのマッチングを行います。管理レコードの状態と蓄積データファイルの状態に不整合が見つかった場合、結果をファイルに出力します。
蓄積データファイルに設定された、資源管理上の保存期限です。データロード時に設定されます。保存期限を過ぎた蓄積データファイルは抽出対象から除外され、蓄積データファイル削除コマンドの削除対象となります。
CSV形式の入力ファイルまたは出力ファイルにおいて、項目名の並ぶ先頭行のことです。Interstage Information StorageでCSVファイルを格納する場合は、入力ファイルの先頭に見出し行が必要となります。
ファイルシステムの制御情報(メタデータ)を一元管理するプログラムです。プライマリ DSS サーバおよびセカンダリ DSS サーバで動作します。各 AC は MDS と通信を行い、MDS によって渡されるメタデータをもとにファイル操作を行います。
物理スライス (ディスクパーティション) と同様に、ブロック型デバイスインタフェースを利用者に提供する論理ディスクデバイスです。利用者は、論理ボリュームにアクセスすることによって、物理ディスクのデータにアクセスできます。論理ボリュームには、シングルボリューム、ミラーボリューム、ストライプボリューム、コンカチネーショングループ内のボリューム、およびスイッチボリュームの 5種類があります。論理ボリュームを「ボリューム」と呼ぶこともあります。詳細は、“PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書 (Linux版)”を参照してください。
所有者、所有者のグループ、その他に加え、特定のユーザとグループにファイルアクセス権を定義するファイルセキュリティ方式です。詳細はオンラインマニュアルページのsetfacl(1)を参照してください。
/dev/disk/by-idから始まるデバイス名で、udev機能により、ハードディスクに設定されているユニークな識別情報(シリアル番号など)から生成されます。ディスク交換をした場合は、by-idが変更されるので注意が必要です。
基本的なクラスタリング通信サービスを提供するPRIMECLUSTERモジュールのことです。詳細は"PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書(Linux)版"を参照してください。
CPMキー(Category Partition Map キー)
蓄積データファイルごとにデータの内容を管理するための情報です。Interstage Information Storageは、CPMキーに指定した項目の値をロード時に解析し管理することで、データ抽出の際に対象となる蓄積データファイルを絞り込みます。
CSVファイルに含まれる、CSVヘッダレコード以外の行のことです。Interstage Information Storageでは1CSVデータレコードを1レコードと呼びます。抽出は1レコード単位で行われます。
カテゴリを追加する場合、資源管理上のカテゴリ管理テーブルの作成先と初期容量を定義することができます。DDF_DBEnvSettings.iniの編集については、“運用ガイド”の“3.6.5.2 DDF_DBEnvSettings.iniの編集”を参照してください。
ノードが使用不可であることを示すノード状態 (DOWN 状態と呼ぶ)です。LEFTCLUSTER 状態のノードをクラスタに再参入させるためには、事前にそのノードの状態を DOWN に変更する必要があります。詳細は、“PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書 (Linux版)”を参照してください。
DSS構成コンポーネントのすべて(MDS、AC、監視デーモン)が動作するノードです。DSSサーバは、プライマリDSSサーバ、セカンダリDSSサーバの2つに冗長化できます。DSSサーバの冗長化には、PRIMECLUSTERをインストールして、クラスタ環境を組む必要があります。
Global Disk Services は、SAN 環境におけるディスクストレージデバイスを統一的に管理し、データを確実に守るボリューム管理ソフトウェアです。詳細は、“PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書 (Linux版)”を参照してください。
Global Link Servicesは、複数のNIC(Network Interface Card)により、自システムが接続されるネットワークの伝送路を冗長化して、通信全体の高信頼化を実現するソフトウェアです。詳細は"PRIMECLUSTER Global Link Services説明書(伝送路二重化機能編)(Linux版)"を参照してください。
ノードが同じクラスタにある他のノードと通信できないことを示すノード状態です。ノードがクラスタを離れていることになります。LEFTCLUSTER という中間状態は、ネットワークパーティションの問題を防ぐために設けられています。詳細は、“PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書 (Linux版)”を参照してください。
Reliant Monitor Services (RMS)
監視、および切替え機能によりユーザが指定したリソースの高可用性を維持するパッケージです。詳細は、“PRIMECLUSTER RMS 導入運用手引書 (Solarisオペレーティングシステム/Linux版)”を参照してください。
コマンド - sfcfsd デーモンからの要求を受け付け、コマンド - sfcfsd デーモン、コマンド - sfcprmd デーモン、ノード間通信を実現するための通信路を提供します。構成データベースの管理、管理パーティション I/O 機能を提供します。
DSSファイルシステムを構成するプロセスの起動/停止/ダウン監視を行います。構成プロセスが他のデーモンやコマンドを起動/実行する場合、sfcprmd デーモンに要求を送信し、sfcprmd デーモンは要求に応じデーモンやコマンドを実行します。
要求を送信するプロセスをクライアントプロセスと呼び、要求に応じて sfcprmd デーモンから起動されるプロセスをターゲットプロセスと呼びます。
ターゲットプロセスは sfcprmd デーモンによって監視され、プロセスが正常終了/異常終了した場合、その状況をクライアントプロセスに通知します。
ノードが同じクラスタにある他のノードと通信できることを示すノード状態です。詳細は、“PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書 (Linux版)”を参照してください。