AdvancedCopy Manager CCMは、ディスクのボリュームをコピーするときに、コピー元のボリュームのエクステント開始位置、エクステントサイズ、およびコピー先のボリュームのエクステント開始位置を指定することで、ボリュームの内容をパーティションにバックアップすることができます。
この機能を、AdvancedCopy Manager CCMでは、LU to Partitionとよびます。
図3.5 ボリュームをパーティションにコピー
注意
本機能は、テープなどの二次媒体にバックアップする場合だけ使用できます。
ディスクからディスクにコピーする場合は、本機能を使用しないでください。
コピーペアの追加
LU to Partitionを使用するためには、エクステント開始位置を指定して、コピーペアを追加する必要があります。
コピーペアとは、コピー元およびコピー先の論理ボリュームを定義した文字列です。
図3.6 コピーペアの形式
(1) コピー元のETERNUS名
(2) コピー元の論理ボリューム番号
(3) コピー元ボリュームのエクステント開始位置(ブロック単位)
(4) コピー元ボリュームのエクステントサイズ(ブロック数)
(5) コピー先のETERNUS名
(6) コピー先の論理ボリューム番号
(7) コピー先ボリュームのエクステント開始位置(ブロック単位)
"0x"で始まる文字列は16進数を表しています。
以下の手順に従って、コピーペアを追加してください。
コピー元のエクステントサイズの算出
コピーペアに追加するコピー元のエクステントサイズを算出します。
バックアップサーバで「A.3.1 acinq lv (論理ボリューム情報の表示コマンド)」を実行し、コピー元の論理ボリューム番号(LV No)と論理ボリュームのサイズ(LV Size)を確認します。
[実行例]
> acinq lv -a E4000 LV No LV Name LV Size LV Type RG No Encrypt ------ ------- ------- ------- ----- ------- 0x0000 128M Open 0 - 0x0001 128M Open 0 - 0x0002 128M Open 0 - 0x0003 128M Open 0 - 0x0004 128M Open 0 - 0x0005 128M Open 0 - 0x0006 128M Open 0 - 0x0007 128M Open 0 - 0x0008 1024M Open 0 - 0x0009 1024M Open 0 - 0x000A 1024M Open 0 - 0x000B 1024M Open 0 - 0x000C 1024M Open 0 - 0x000D 1024M Open 0 - 0x000E 1024M Open 0 - 0x000F 1024M Open 0 - |
論理ボリュームのサイズ(メガバイト単位)から、エクステントサイズ(ブロック数)を算出します。
以下の式を使用して、エクステントサイズ(ブロック数)を算出してください。
エクステントサイズ(ブロック数)=論理ボリュームのサイズ(メガバイト単位)×1024×1024/512 |
参考
コピー元の論理ボリューム番号がわからない場合
Solaris/Linux/HP-UX/AIXの場合
業務サーバで「A.9.2 acgetvolinfo (論理ボリューム情報の表示コマンド)」を実行し、コピー元の論理ボリューム番号(LV No)とエクステントサイズ(Size)を確認します。
[実行例]
[Solarisの場合]
# acgetvolinfo /dev/rdsk/c4t0d10s2 BOX-ID,LV No,Address,Size 00E4000M3#####E450S20A####KD4030639004##,0x001,0x0,0x40000 |
[Linuxの場合]
# acgetvolinfo /dev/sdo BOX-ID,LV No,Address,Size 00E4000M3#####E450S20A####KD4030639004##,0x001,0x0,0x40000 |
[HP-UXの場合]
# acgetvolinfo /dev/rdsk/c1t0d20 BOX-ID,LV No,Address,Size 00E4000M3#####E450S20A####KD4030639004##,0x001,0x0,0x40000 |
[AIXの場合]
# acgetvolinfo /dev/hdisk10 BOX-ID,LV No,Address,Size 00E4000M3#####E450S20A####KD4030639004##,0x001,0x0,0x40000 |
論理ボリュームのエクステントサイズ(ブロック単位)から、論理ボリュームのサイズ(バイト単位またはメガバイト単位)を算出します。
以下の式を使用して、論理ボリュームのサイズ(バイト単位またはメガバイト単位)を算出してください。
論理ボリュームのサイズ(バイト単位)=エクステントサイズ(ブロック単位)×512 論理ボリュームのサイズ(メガバイト単位)=エクステントサイズ(ブロック単位)×512/(1024×1024) |
Windowsの場合
業務サーバで「A.9.2 acgetvolinfo (論理ボリューム情報の表示コマンド)」を実行し、コピー元の論理ボリューム番号(LV No)を確認します。
[実行例]
C:\> acgetvolinfo F: BOX-ID,LV No,Address,Size 00E4000M3#####E450S20A####KD4030639004##,0x001,0x80,0x20000 |
バックアップサーバで「A.3.1 acinq lv (論理ボリューム情報の表示コマンド)」を実行し、論理ボリュームのサイズを確認します。
パーティションの作成
コピー先のボリュームに、パーティションを作成します。
パーティションのサイズは、コピー元の論理ボリュームのサイズより大きくする必要があります。コピー元の論理ボリュームに、128MBを加えたサイズを目安として、パーティションを作成してください。
注意
メガバイトの単位
ここでは、メガバイトの単位は1024×1024バイトとして定義しています。
Linuxではメガバイトの単位が1000×1000バイトとして計算されますので、パーティションを作成するときに注意してください。
ポイント
パーティションの作成
Windowsの場合
ドライブ文字を付けてパーティションを作成してください。
Solarisの場合
VTOCラベルを含めないようにパーティションを作成してください。
コピー先論理ボリュームの情報確認
バックアップサーバで「A.9.2 acgetvolinfo (論理ボリューム情報の表示コマンド)」を実行し、コピーペアに追加するコピー先の論理ボリューム番号(LV No)、エクステント開始位置(Address)、およびエクステントサイズ(Size)を確認します。
ポイント
コピー先パーティションのエクステントサイズが、コピー元ボリュームのエクステントサイズより大きいことを確認してください。
[実行例]
[Solarisの場合]
# acgetvolinfo /dev/dsk/c0t0d0s3 BOX-ID,LV No,Address,Size 00E4000M3#####E450S20A####KD4030639004##,0x008,0x0100000,0x140cc3 |
[Linuxの場合]
# acgetvolinfo /dev/sda1 BOX-ID,LV No,Address,Size 00E4000M3#####E450S20A####KD4030639004##,0x008,0x0100000,0x140cc3 |
[Windowsの場合]
C:\> acgetvolinfo X: BOX-ID,LV No,Address,Size 00E4000M3#####E450S20A####KD4030639004##,0x008,0x0100000,0x140cc3 |
Windowsの場合は、disppartコマンドでパーティションをアンマウントしてください。
[実行例]
C:\>mountvol X: /p |
注意
AdvancedCopy Manager CCMの運用中は、コピー先ボリュームのパーティションをマウントしないでください。
コピーペアを追加
「A.6.5 acpair add (コピーペアの追加コマンド)」で、コピーグループにコピーペアを追加します。
コピー元ボリュームに以下の値を指定して、コピーペアを作成してください。
コピー元ボリュームに指定する値
エクステント開始位置 : 0x0
エクステントサイズ: 手順1で算出した、論理ボリュームのエクステントサイズ
コピー先ボリュームに指定する値
エクステント開始位置 : 手順3で確認した、論理ボリュームのエクステント開始位置
コピーグループを追加するときの実行例を、以下に示します。
OPC、QuickOPC、EC、RECの場合
図3.7 コピーペアの追加(OPC、QuickOPC、EC、RECの場合)
[実行例]
> acpair add -g GRP1 -p E4000/0x25[addr=0x0,size=0x5000]:E4000/0x29[addr=0x10000] Successful completion. > acpair add -g GRP1 -p E4000/0x26[addr=0x0,size=0x5000]:E4000/0x30[addr=0x10000] Successful completion. > acpair add -g GRP1 -p E4000/0x27[addr=0x0,size=0x5000]:E4000/0x30[addr=0x30000] Successful completion. > acpair add -g GRP1 -p E4000/0x28[addr=0x0,size=0x5000]:E4000/0x30[addr=0x50000] Successful completion. |
SnapOPCPの場合【Linux 5 for Itanium版を除く】
図3.8 コピーペアの追加(SnapOPCPの場合)
[実行例]
> acpair add -g GRP2 -p E4000/0x31[addr=0x0,size=0x5000]:E4000/0x32[addr=0x10000] Successful completion. > acpair add -g GRP2 -p E4000/0x31[addr=0x0,size=0x5000]:E4000/0x33[addr=0x10000] Successful completion. > acpair add -g GRP2 -p E4000/0x31[addr=0x0,size=0x5000]:E4000/0x34[addr=0x10000] Successful completion. |
注意
SnapOPC+では、1つのボリューム(SDV)に複数のセッションを作成できません。
1つのボリュームごとに1つのパーティションを作成して、コピーペアを登録してください。
追加したコピーペアの確認
追加したコピーペアの論理ボリューム番号を確認します。
「A.6.3 acgroup detail (コピーグループの詳細表示コマンド)」でETERNUS ディスクアレイの情報を表示し、指定した論理ボリューム番号でコピーペアが追加されていることを確認してください。
[実行例]
> acgroup detail -g GRP1 Copy Group Name : GRP1 Copy Group Type : OPC Disk Array Name : E4000 (00E4000M3#####E450S20A####KD4030639004##) Pair --------------------- E4000/0x25[addr=0x0,size=0x5000]:E4000/0x29[addr=0x10000] E4000/0x26[addr=0x0,size=0x5000]:E4000/0x30[addr=0x10000] E4000/0x27[addr=0x0,size=0x5000]:E4000/0x30[addr=0x30000] E4000/0x28[addr=0x0,size=0x5000]:E4000/0x30[addr=0x50000] |