OPCを利用したスナップショット型高速バックアップでは、バックアップ(OPC)を起動するたびに業務ボリューム全体をバックアップボリュームへコピーする必要がありました。しかし、同じ業務ボリュームとバックアップボリュームのペアを使用する限り、業務ボリューム全体を毎回物理コピーする必要はなく、前回のバックアップ起動時点からの差分データのみを物理コピーすることによって完全なスナップショットイメージを作成できるため、物理コピー時間の大幅な短縮が可能です。
QuickOPC機能は、前回の物理コピー時点からの差分データのみをコピーする機能です。この機能を利用することによって、物理コピーの短縮を図ることが可能です。
QuickOPC機能を使用したスナップショット型高速バックアップを差分スナップショット型高速バックアップと呼びます。
通常のスナップショット型高速バックアップと差分スナップショット型高速バックアップの比較を以下に示します。
注意
QuickOPC機能を利用した差分スナップショット型高速バックアップを行うには、QuickOPC機能に対応したETERNUS ディスクアレイが必要です。
SDXオブジェクトを論理ボリューム単位にバックアップする場合は、QuickOPC機能を利用できません。
図7.1 通常のスナップショット型高速バックアップと差分スナップショット型高速バックアップの比較
テープへのバックアップ動作は、従来のスナップショット型高速バックアップと差分スナップショット型高速バックアップで違いはありません。テープのバックアップ履歴は、QuickOPCのコピー先であるバックアップボリュームから作成されます。そのため、テープからのリストア動作も、スナップショット型高速バックアップと差分スナップショット型高速バックアップで違いはありません。