PRIMECLUSTER GDS(以降GDSと記します)は、主にディスク装置間のミラーリング機能を持ったソフトウェアです。
AdvancedCopy Managerでは、GDSのSDXオブジェクトのバックアップ、レプリケーション運用を行うことが可能です。
SDXオブジェクトとは、GDSが管理する仮想的な資源であり、クラス、グループ、ディスク、ボリューム、スライスの総称です。
AdvancedCopy Managerでは、論理ボリューム単位またはスライス単位で、SDXオブジェクトのバックアップ/レプリケーション運用を行うことが可能です。
論理ボリューム単位の場合とスライス単位の場合で、AdvancedCopy Managerに指定するデバイス名の形式が以下のように異なります。
論理ボリューム単位の運用
/dev/sfdsk/(クラス名)/dsk/(ボリューム名)
スライス単位の運用
/dev/sfdsk/(クラス名)/dsk/(ボリューム名):(ボリュームを構成するデバイス名)
ボリュームを構成するデバイス名は、以下のいずれかを使用します。
sdxinfoのDEVNAMの値
例) sda
sdxinfoのDEVNAMの値が指すudev機構により生成するデバイス名(udevデバイス名)
例)/dev/disk/by-id/xxxxxxxx
(xxxxxxxxは、ディスクに設定されている識別情報から生成される情報)
例)/dev/disk/by-path/yyyyyyyy
(yyyyyyyyは、ディスクの位置情報から生成される情報)
udevデバイス名が存在する環境では、udevデバイス名を優先して使用します。udevデバイス名はby-id名とby-path名が使用可能ですが、by-id名とby-path名の両方が存在する環境の場合、by-id名を優先して使用します。
udevデバイス名が存在する環境であっても、sdxinfoのDEVNAMの値を使用して運用する場合には、デバイス情報取得/反映処理の前に、udevデバイス名を使用しないように、情報取得モードを変更しておく必要があります。
詳細は、stgxfwcmsetmode(情報取得モード設定コマンド)を参照してください。
例:クラス名がclass1、ボリューム名がvolume1、sdxinfoのDEVNAMの値がsda、sdaが指すudevデバイス名が/dev/disk/by-id/scsi-3600e000000cb00000000000100020000の場合
論理ボリューム単位の運用
/dev/sfdsk/class1/dsk/volume1
スライス単位の運用(sdxinfoのDEVNAMの値)
/dev/sfdsk/class1/dsk/volume1:sda
スライス単位の運用(udevデバイス名)
/dev/sfdsk/class1/dsk/volume1:/dev/disk/by-id/scsi-3600e000000cb00000000000100020000
注意
ETERNUSマルチパスドライバが導入されている環境でudevデバイス名を使用する場合には、by-id名を使用するようにしてください。
by-id名が生成されていない場合には、by-id名が生成されるように設定を変更してください。
ETERNUSマルチパスドライバが導入されていない環境で、udevデバイス名を使用する場合、以下に注意してください。
by-id使用時のディスク交換、by-path使用時の接続構成変更の場合、udevデバイス名が変更になる可能性があります。udevデバイス名が変更になった場合、「デバイス構成の変更」の手順による対応が必要となります。
論理ボリューム単位の運用を行うためには、PRIMECLUSTER GDS 4.1A30以降とPRIMECLUSTER GDS Snapshot 4.1A30以降が必要です。
1つのStorageサーバにおいて、論理ボリューム単位の運用とスライス単位の運用を同時に行うことはできません。なお、クラスタ運用時は、Storageサーバ業務ごとに、論理ボリューム単位またはスライス単位の運用が可能です。
SDXオブジェクトのバックアップ運用については、「4.8 SDXオブジェクトの運用」を、SDXオブジェクトのレプリケーション運用については、「8.8 SDXオブジェクトの運用」参照してください。
なお、インストール先のシステム環境により、ソフトウェアのバージョンレベルは異なります。詳細については、関連するソフトウェアのマニュアルなどを参照してください。