記述形式
fprscli HostName {/p | /e} /s:SourceName /d:DestName |
機能説明
クライアントでファイルの圧縮および伸長を行います。
転送元でファイルを圧縮して、転送先でファイルを伸長するといった使い方ができ、ファイルの転送時間が短縮され、ネットワーク上の負荷を軽減できます。
パラメタ
HostName
ファイルの圧縮/伸長元クライアントのホスト名を指定します。HostNameに、半角英数字15文字以内でホスト名を指定します。空白文字を含む場合は、ダブルクォーテーション「"」で囲んでください。
/p
ファイルを圧縮します。
/e
ファイルを伸長します。
/s:SourceName
圧縮/伸長元ファイルのパス名をローカルドライブパスで指定します。圧縮元ファイルの場合は、ファイル名には、ワイルドカードも指定できます。
ワイルドカードは、シェルによって特別な意味を持つ文字(「*」など)があるため、必要に応じてSourceNameを一対の引用符(「'」または「"」)で囲む必要があります。
SourceNameに、255文字以内でパス名を指定します。空白文字を含む場合は、ダブルクォーテーション「"」で囲んでください。
/d:DestName
圧縮/伸長先のファイルのパス名をローカルドライブパスで指定します。伸長先ファイルの場合は、ファイル名には、ワイルドカードで指定もできます。
ワイルドカードは、シェルによって特別な意味を持つ文字(「*」など)があるため、必要に応じてDestNameを一対の引用符(「'」または「"」)で囲む必要があります。
DestNameに、255文字以内でパス名を指定します。空白文字を含む場合は、ダブルクォーテーション「"」で囲んでください。
既に存在するファイル名を指定した場合は、上書きされます。また、/sに指定するファイルのパス名(SourceName)と同じパス名を指定しないでください。
/rc:nn
ファイルの圧縮/伸長でエラーが発生した場合のリトライ回数を指定します。
nnに0~99の整数を指定してください。それ以外の値を設定した場合は、エラーになります。省略した場合は、リトライを行いません。
圧縮元または伸長先ファイルにワイルドカードを指定した場合は、失敗したファイルのみリトライを行います。
/ri:nnnn
エラーが発生した場合のリトライ間隔を指定します。
nnnnに0~9999の整数を秒単位で指定してください。それ以外の値を設定した場合は、エラーになります。省略値は0です。
本パラメタは、/RCパラメタで1以上を指定した場合に有効となります。
復帰値
復帰値 | 意 味 |
---|---|
0 | 正常終了 |
0以外 | 異常終了 |
コマンド格納場所
Solaris | /opt/FJSVsnjss/bin |
HP-UX | /opt/FHPsnjss/bin |
AIX | /opt/FAIXsnjss/bin |
Linux | /opt/FJSVsnjss/bin |
記述例
クライアント“foo”に対して、クライアント上のローカルファイル“c:\database\master\*.*”を“d:\database\database.prs”に圧縮します。圧縮に失敗した場合は、60秒間隔で最大3回リトライします。
fprscli foo /p /s:c:\\database\\master\\*.* /d:d:\\database\\database.prs |
処理結果
コマンドの処理が終了すると、終了時の情報を標準出力に出力します。
出力される内容を以下に示します。
[処理開始日時] YYYY-MM-DD HH:MM:SS |
ワイルドカードが指定された場合、それぞれのファイルについてファイル単位で出力されます。
[発生したエラー]には、正常終了の場合は“なし”が出力されます。強制終了やエラーの場合はメッセージが出力されます。メッセージ内容については“Systemwalker Operation Manager メッセージ説明書”を参照してください。
圧縮/伸長処理を行う前にエラーが発生した場合は、以下の形式でメッセージが出力されます。
[処理開始日時] YYYY-MM-DD HH:MM:SS |
メッセージ内容については、“Systemwalker Operation Manager メッセージ説明書”を参照してください。
使用上の注意
本コマンドを使用する場合は、クライアント側でクライアント業務連携を起動させておいてください。
UNIXのシェルによっては、PC用のパス名の「\」がエスケープシーケンスとなります。この場合は、「\\」と入力してください。
本バージョンレベル以降のSystemwalker Operation ManagerのUNIXサーバで/wオプションを付けずに作成された圧縮ファイルを、クライアントで伸長することはできません。
本コマンドで作成した圧縮ファイルは、UNIXサーバで/wオプションを付けて作成したファイルの形式と同じWindowsプラットフォーム形式となります。
サーバ圧縮/伸長コマンドで/wオプションを付けて圧縮されたファイルを本コマンドを使ってWindows上で伸長した場合、次のように展開されます。
圧縮元で書込みが誰にも許可されていない場合は、Windows上では読み取り専用属性になります。
圧縮元で書込みがowner/group/otherのいずれかに許されていた場合は、Windows上では読み書き可能な属性になります。
本コマンドで作成したWindowsプラットフォーム形式の圧縮ファイルをUNIX上で伸長した場合、次のように展開されます。
圧縮前の | 展開後のファイルの情報 |
---|---|
読み取り専用 | 所有者/グループ情報は、コマンドを実行したユーザの情報となる。 |
読み取り専用 以外 | 所有者/グループ情報は、コマンドを実行したユーザの情報となる。 |
すべてのユーザから読込み可能な状態で、ls -lコマンドで-r--r--r--と表示されるファイルのパーミッションをさします。
すべてのユーザから読み書き可能な状態で、ls -lコマンドで-rw-rw-rw-と表示されるファイルのパーミッションをさします。
圧縮するユーザに、読み取り可能のパーミッションが設定されていない場合は圧縮することはできません。ただし、スーパーユーザは圧縮可能です。
コマンドの強制終了は、1つのファイル圧縮/伸長が完了した時点で行われます。このため、大きなファイルを圧縮中に強制終了を行うと、コマンドの終了を待たされる場合があります。
本コマンドの/sパラメタに指定したファイル名に、ワイルドカードを指定した場合は、次の注意が必要です。
同じクライアントに対して、同時に実行するクライアント業務連携コマンドで処理するファイル数を含めて、合計500ファイル以下となるようにしてください。
本コマンドの実行時には、クライアント上の以下の場所に、一時ファイルが作成されます。
環境変数TEMPに指定されているディレクトリ
TEMP領域が不足した場合、圧縮・伸長することはできません。一時ファイルのサイズは、一度に圧縮・伸長するファイルサイズの合計となります。