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ETERNUS SFRecovery Manager for Oracle 14.1 説明書

5.1.2 リカバリー

リカバリー機能について説明します。

注意

Oracle Database 10g Release 2、および、Oracle Database 11g Release 2において、以下のすべての条件を満たす場合、「リカバリー」は使用できません(「5.1.3 リストア」は使用可能です)。

  • バックアップ方法 : RMAN

  • 破損箇所 : UNDO表領域およびSYSTEM表領域以外の表領域のみが破損

破損箇所は、「5.1.1 DBチェック」を使用して確認してください。

リカバリーでは、以下の処理が行われます。

  1. データベース破損状態のチェック

    データベースの破損状態を確認します。
    リカバリーを行う前に、DBチェック機能を使用してデータベースの破損状態を確認している場合は、既に確認したDBチェック結果を利用することで、処理時間を短縮できます。

    注意

    以下の場合は、DBチェックで破損が検知できないことがあるため、正常にリカバリーできないことがあります。

    • 1つのREDOログ・グループ内の、一部のREDOログ・メンバーが破損している場合

    • 非アクティブなREDOログ・グループが破損している場合

    • 一時表領域・一時ファイルが破損している場合

  2. 破損状態に応じたリカバリー方法の自動決定

    データベースの破損状態に応じて、最適なリカバリー方法を自動的に決定します。
    リカバリー方法を決定するときには、データベースを破損直前の状態まで最も早く復旧できる可能性が高いリカバリー方法が採用されます。

  3. リカバリー計画の提示

    自動的に決定されたリカバリー方法の詳細が表示されます。
    提示されたリカバリー方法でデータベースを復旧したくない場合は、リカバリーの実施を取り止めることもできます。

    注意

    リカバリー計画には、提示したリカバリー計画でリカバリーを実行するに当たっての注意事項や警告メッセージも表示されますので、必ず内容を確認・了承の上、リカバリーを続行してください。

    リカバリー計画は、以下のように表示されます。

    ■ 制御ファイルリストア:しない
    ■ 表領域リストア:する
       表領域リストア方法:RMAN
       修復対象:
          USERS
    ■ 一時ファイル修復:しない
    ■ REDOログ・メンバー修復:しない
    ■ メディアリカバリー:する
       完全リカバリー
       表領域リカバリー
       RESETLOGS:なし
    ■ オンライン復旧
    ■ 復元ポイント:破損直前
       指定ポイント:-
       データベース復旧地点:-

    リカバリー計画に表示される内容とその意味については、以下のとおりです。

    表5.1 リカバリー計画

    リカバリー計画項目

    表示内容

    意味

    制御ファイルリストア

    する

    制御ファイルをリストアします。

    しない

    制御ファイルをリストアしません。

    表領域リストア

    する

    表領域内のデータファイルをリストアします。

    しない

    表領域内のデータファイルをリストアしません。

    表領域リストア方法

    リストア方法

    計画値の方法で表領域をリストアします。

    • RMAN

      RMANでリストアします

    • ACM

      AdvancedCopy Manager(ACM)を使用してリストアします

    修復対象(表領域)

    修復される表領域名/ボリューム名が一覧表示されます

    • 表領域リストア方法が「RMAN」の場合

      計画値の表領域をリストアします。

    • 表領域リストア方法が「ACM」の場合

      計画値のボリュームをリストアします。

    一時ファイル修復

    する

    一時ファイルを修復します。

    しない

    一時ファイルを修復しません。

    修復対象(一時ファイル)

    修復される一時ファイル名が一覧表示されます

    計画値の一時ファイルを修復します。

    REDOログ・メンバー修復

    する

    REDOログ・メンバーを再作成します。

    しない

    REDOログ・メンバーを再作成しません。

    修復対象(REDOログ・メンバー)

    修復されるREDOログ・ファイル名が一覧表示されます。

    計画値のREDOログ・メンバーを再作成します。

    メディアリカバリー

    する

    メディアリカバリーを行います。
    以下のようなメディアリカバリー方法の詳細も同時に表示されます。

    • 完全リカバリー/不完全リカバリー

    • データベースリカバリー/表領域リカバリー

    しない

    メディアリカバリーを行いません。

    RESETLOGS

    あり

    RESETLOGSを行い、REDOログをリセットします。
    オンラインREDOログの内容やログ順序番号がリセットされます。リカバリー実施前に取得したバックアップはすべて無効になります。

    なし

    RESETLOGSは行いません。

    復旧方法

    オンライン復旧

    データベースを停止せずにリカバリーを行います。

    オフライン復旧

    データベースを停止してリカバリーを行います。

    復元ポイント

    復元ポイント種別

    以下の復元ポイント種別が表示されます。

    • 破損直前

      破損直前までリカバリーします

    • 世代指定

      指定ポイントのバックアップ時点までリカバリーします

    • ログ順序番号指定

      指定ポイントのログ順序番号-1までリカバリーします

    • 時間指定

      指定ポイントの時間までリカバリーします

    指定ポイント

    指定ポイント

    復元ポイント種別が「破損直前」以外の場合、復元ポイント詳細が表示されます。

    データベース復旧地点

    復旧ポイント

    復元ポイント種別が「破損直前」以外の場合、実際にデータベースが復旧されるポイントが表示されます。

    注意

    • リカバリー計画に、「[注意]RESETLOGSが実行されるため、過去に取得したバックアップはすべて無効になります。」という警告メッセージが出力される場合があります。このメッセージが表示された場合は、リカバリー時にREDOログがリセットされ、リカバリー実施前に取得したバックアップがすべて無効になるため、データベース復旧後、すぐにオンラインバックアップを取得する必要があります。

    • リカバリー時の復元ポイントは、自動的に「破損直前」が設定されます。ユーザーが復元ポイントを指定することはできません。

    ポイント

    復元ポイントの詳細については、「表5.2 復元ポイント」を参照してください。

  4. リカバリーの実行

    リカバリー計画に従って、データベースのリカバリーを実行します。

    注意

    • リカバリーでは、破損直前までのデータベース更新履歴をすべてデータベースに反映する必要があるため、バックアップ完了時点から破損直前までのすべてのアーカイブログが存在する必要があります。また、オンラインREDOログの更新履歴がすべて適用可能である必要があります。アーカイブログの消失やオンラインREDOログの破損によってリカバリーに失敗した場合は、リストア機能を使用してデータベースの復旧を行ってください。

    • リカバリー中にRESETLOGSが実行された場合は、リカバリー前に取得したオンラインバックアップがすべて無効になっています。必要であれば、すぐにオンラインバックアップを取得してください。

    • RAC構成では、システムダウンしているクラスタノードがある場合、データベースの復旧ができません。すべてのクラスタノードを起動した後、リカバリーを行ってください。

    • データベースがノーアーカイブ・モードの場合は、正常にリカバリーできません。

  5. データベースファイルの正常性チェック

    DBチェックを行い、データベースが正常に復旧されたことを確認します。