任意の時刻にシステムを自動的にシャットダウンすることができます。具体的には、終了処理ジョブネットをジョブスケジューラに登録して、システムをシャットダウンさせたい日時に終了処理ジョブネットを起動させます。
通常のジョブネットのようにジョブネットの登録ウィンドウで終了処理ジョブネットを追加します。ただし、以下の条件を満たしたジョブネットを登録してください。
終了処理ジョブネットは、プロジェクト名が“SYSTEM”のプロジェクトに登録してください。
ジョブネット名は、用途に応じて以下のいずれかを登録してください。
終了処理ジョブネット起動時に、実行中のジョブネットがあった場合には、そのジョブネットの終了を待ってから、ジョブの実行を開始します。ただし、グループの終了については待ち合わせません。
終了処理ジョブネット起動時に、実行中のジョブネットがあった場合には、実行中のジョブネットを強制終了してから、ジョブの実行を開始します。
ジョブネット名称ではなく、必ずジョブネット名に上記の名前を登録してください。
終了処理ジョブネットに組み込むジョブには、ファイルのバックアップなど他のジョブが動作していない時に実行したいジョブや、“サービス状態確認コマンド”などを利用して、各種サービスを停止するようなジョブを登録します。特に処理を行う必要がない場合には、“setecodeコマンド”などを使用して、正常終了するダミーのジョブを登録してください。
なお、“サービス状態確認コマンド”については、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。“setecodeコマンド”については、“B.6.2 ジョブとしてバッチファイルを使う場合【Windows版】”を参照してください。
注意
終了処理ジョブネットには、マシンをシャットダウンするようなジョブを登録しないでください。シャットダウンは、終了処理ジョブネットが正常終了した後に起動されるシャットダウン出口で実施されます。
終了処理ジョブネットが起動された場合、以下の処理ができなくなります。
終了処理ジョブネットの後続のジョブネットの起動
起動時刻の到来、メッセージ事象の発生によるグループ/ジョブネット/ジョブの起動
起動、再起動操作によるグループ/ジョブネット/ジョブの起動
プロジェクト/グループ/ジョブネット/ジョブ/起動日雛形の定義情報の変更
JSHENDの場合:
終了処理ジョブネットとしてJSHENDを登録した場合、JSHENDは、以下の状態にあるジョブネットの終了を待って起動されます。
実行中のジョブネット
“ジョブネット起動API”によって起動され、ジョブネット起動キューにつながっているジョブネット
注意
グループ内ジョブネットの場合、実行中のグループ内ジョブネットが終了後、グループは強制終了状態となります。実行中のグループを強制終了させたくない場合は、グループが終了した後にJSHENDジョブネットを起動するようにしてください。例えば、グループの終了をメッセージ事象を利用して待ち合わせ、JSHENDジョブネットを起動してください。
JSHFORCEの場合:
終了処理ジョブネットとしてJSHFORCEを登録した場合、JSHFORCEは、以下に示す処理が行われた後に起動されます。
実行中ジョブネットは強制終了されます。
“ジョブネット起動API”によって起動され、ジョブネット起動キューにつながっているジョブネットはキャンセルされます。
終了処理ジョブネットの実行が終わると、ジョブスケジューラは、終了処理ジョブネットの実行結果(正常終了または疑似正常/異常終了)に応じて、以下に示すシャットダウン出口(プログラム)を呼び出します。
“jobschendexit.bat”または“jobschendexit.exe”
ジョブスケジューラおよびジョブ実行制御のサービスを停止し、“待ち合わせ終了通知コマンド”を呼び出すプログラムです。
なお、“待ち合わせ終了通知コマンド”については、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
“jobschnoendexit.bat”または“jobschnoendexit.exe”
何の処理も行わないプログラムです。
標準提供の出口プログラムでは、待ち合わせ終了通知コマンド“f3crheet”が設定されています。任意の時刻にシステムをシャットダウンする場合は、待ち合わせ終了通知コマンド“f3crheet”をOSが提供するシャットダウンコマンドに変更してください。
注意
出口プログラムの変更について
標準提供の出口プログラム(バッチファイル)のままでは、終了処理ジョブネットが異常終了した時には、シャットダウンは行われません。また、JSHEND/JSHFORCEを動作させたことにより、ジョブスケジューラサービスが再起動されるまで、新たなジョブネットの起動もされない状態となります。
終了処理ジョブネットの実行結果に応じて、何らかの処理を行いたい場合には、上記出口プログラム(バッチファイル)を変更してください。また、JSHEND/JSHFORCEを動作させたことにより、ジョブスケジューラサービスが再起動されるまで、新たなジョブネットの起動がされない状態となることを考慮して異常時の運用を設計してください。
サブシステム運用を行う場合には、運用形態に合わせて必ず出口プログラムの変更を行ってください。
シャットダウン出口について詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
図B.1 終了処理ジョブネットからシャットダウン出口への処理の流れ
注意
クラスタシステムを利用している場合
クラスタシステムで管理されているサービスを、クラスタシステムのサービス停止機能を使用しないで停止した場合、クラスタシステムによっては、サービスの停止をリトライするものがあります。クラスタシステムを利用している場合は、シャットダウン出口で、ジョブスケジューラおよびジョブ実行制御サービスを、クラスタシステムのサービス停止機能を使用して停止するように変更してください。
クラスタシステムにおけるサービスの起動/停止の詳細については、“Systemwalker Operation Manager クラスタ適用ガイド”を参照してください。