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Interstage Navigator Server9.2.0 概説書

4.1 管理ポイントの概要

管理ポイントとは、データをどのように見るかといった、くくり方や切り口のことをいいます。例えば、縦横集計表での座標軸の項目(表頭や表側)に相当します。

レポートは、基本的に縦横集計表の形をとっています。このとき、座標軸に現れる項目は、地域別、支店別、取引別、月度/期/半期/年度別、商品グループ別、事業部別、営業部別などの管理項目です。これらは、レポートを扱う人が、これらの管理項目の視点でビジネス状況を把握しようとしていると言えます。

レポートを容易に作成するには、指定したい管理項目を、たやすく設定できることが重要となります。これを実現するのが、管理ポイントです。

管理ポイントの概念を導入することによって、SQLではできない、あるいは複雑になる集計・加工処理が、簡単な操作でできるようになります。

日常業務で使っている分析の切り口は、すべて管理ポイントにすることができます。

以下に、分析の切り口の例を示します。


管理ポイントのねらい

管理ポイントの主なねらいは、次のとおりです。

情報活用モデルの提案

管理ポイントは、データに対する管理・分析の視点であり、管理ポイントを使用したデータの分類や、対象データの絞り込みを、簡単な操作で行うことができます。

管理ポイントをレポートの表側や表頭に配置することにより、単純な集計表から高度な分析に使用する縦横集計表を、自在にデータベースから取り出すことができます。

管理ポイントは、エンドユーザに対して、情報活用の1つの方法(モデル)を示します。

管理ポイントによって、データの利用方法を知らなかったエンドユーザでも、情報活用ができるようになります。

エンドユーザ主体の情報活用

データベースに対する問い合わせでは、データを大分類、中分類、小分類に分類して集計したり、○○別、△△ごとといった用途・目的別に分類して集計することが、高い頻度で発生します。

分類を行うためには、分類のためのキーを、データベースに物理的に配置する方法がありますが、この方式では、新たな分類を利用したい場合に、キーを新設するなどの作業が発生し、情報システム部門の対応が必要です。そのうえ、分類の方法や並び順は、部門や個人によって要件が異なり、要件は、時間とともに変化していくため、情報システム部門での対応も困難です。このため、分類を変更したり追加したりするのは、エンドユーザにとって、不可能なことでした。

管理ポイントは、データベースの構造を変更することなく定義・変更することができます。したがって、エンドユーザは、困難であった分類の方法や並び順の定義・変更を、自分自身の手でタイムリーに行うことができるようになります。

分析的な情報活用

多面的な情報の取り出しを繰り返して分析する操作を、ドリリングと呼びます。

ドリリングは、各データ項目の詳細な分析であり、一般には○○別、△△ごと、□□間で表現される管理の視点、または集約・分類の視点(これが管理ポイントそのもの)であり、粗いデータから徐々に深いところに分析をすすめる方法です。

管理ポイントは分類の方法や並び順を規定しており、管理ポイント間の階層関係を保持しているため、管理ポイントに対する簡単な操作でドリリングを行うことができます。

エンドユーザは、ドリリングを行うことで、より分析的な情報活用ができるようになります。