運用形態名を定義することで、[Systemwalkerコンソール]にクラスタ名の代わりに運用形態名を表示することができます。運用形態名の定義を行うことで、クラスタのフェールオーバに連動して、運用形態名を動的に変化させることができます。(運用管理サーバの場合を除く)
使用しているクラスタソフトウェアに応じてプライマリ、およびセカンダリで設定を行ってください。
PRIMECLUSTERを使用する場合
業務サーバ(プライマリとセカンダリ)に運用形態名を定義することで、クラスタ名の代わりに運用形態名が、[Systemwalkerコンソール]に表示されます。また、クラスタのフェールオーバに連動して、運用形態名を動的に変化させることができます。
注意
運用形態名の定義を有効にするには、設定後、Systemwalker Centric Managerの再起動が必要となります。
PRIMECLUSTER上で、RMS Wizardを使用してサービスを登録した場合、Systemwalker Centric Managerの監視対象となるクラスタサービスに対して、PRIMECLUSTER上で、PRIMECLUSTER対応製品用リソースの登録の作業が必要になります。PRIMECLUSTER対応製品用リソースの登録については、“付録E クラスタサービスの登録/関連付け(PRIMECLUSTER Linux版)”およびPRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。
[通信環境定義]-[メッセージ送信先システム]で、クラスタシステムに構築されているWindows版の部門管理サーバが定義されている場合、部門管理サーバで“リモートコマンド発行時・運用形態名定義時の注意点”の注意事項の設定を行ってください。詳細は、“Systemwalker Centric Manager クラスタ適用ガイド Windows編”を参照してください。
定義ファイル
定義ファイルは、以下の場所に格納されています。
/etc/opt/FJSVsagt/oparuntype |
ファイルの形式
定義ファイルの形式は以下のとおりです。
DEFRUNTYPE ON | OFF RUNTYPE “運用形態名" GROUP “サービス名" ON | OFF GROUP “サービス名" ON | OFF : RUNTYPE “運用形態名"
DEFRUNTYPE
運用形態名を定義しない場合や、定義された運用形態名の表示条件に一致しない場合のデフォルト表示として、[Systemwalkerコンソール]上の運用形態名の表示域にクラスタ名を表示するか否かを指定します。
ONの場合は、クラスタ名を表示します。
OFFの場合は、クラスタ名は、表示されません。
初期状態ではこの定義はコメント化されています。この場合、ONが指定された場合と同じ扱いになります。定義が削除された場合についても同様です。
RUNTYPE、GROUP
グループの状態が、RUNTYPEの定義行の次行以降に定義したグループの状態になると、RUNTYPEに定義した運用形態とみなされます。上の行にある定義が優先されます。RUNTYPE定義は、64行まで定義することができます。
グループを定義していない場合は、“ON”でも“OFF”でも一致とみなされます。
最大16バイトの文字列で定義します。
PRIMECLUSTERを使用する場合
クラスタソフトウェアに登録したuserApplicationのuserApplicationNameを最大256バイトの文字列で定義します。
ON:グループの状態が、オンラインです。
OFF:グループの状態が、オフラインです。
DEFRUNTYPE、RUNTYPEおよびGROUPの組み合わせと表示結果を、以下の表に示します。
DEFRUNTYPE | RUNTYPE,GROUP | 表示 |
---|---|---|
ON | 一致する運用形態名なし | クラスタ名 |
一致する運用形態名あり | 運用形態名 | |
OFF | 一致する運用形態名なし | なし |
一致する運用形態名あり | 運用形態名 |
定義ファイルの設定例
以下に設定例を示します。以下の設定例では、サービスAが運用系で動作している場合、運用形態名は“正常”と表示され、フェールオーバによりサービスAが待機系に移行した場合、運用形態名は“異常”と表示されます。
運用系
DEFRUNTYPE ON RUNTYPE “正常" GROUP “サービスA" ON RUNTYPE “異常" GROUP “サービスA" OFF
待機系
DEFRUNTYPE ON RUNTYPE “正常" GROUP “サービスA" OFF RUNTYPE “異常" GROUP “サービスA" ON
Sun Clusterを使用する場合
運用管理サーバに運用形態名を通知することで、[Systemwalkerコンソール]にクラスタ名の代わりに運用形態名を表示することができます。運用形態名は、クラスタのスイッチオーバ/スイッチバックに連動して、動的に変化させることができます。
スイッチオーバ/スイッチバック時に、ユーザが作成したリソースグループのメソッドを実行するために、以下のコマンドを実行してください。なお、リソースグループのメソッドの登録方法については、Sun Clusterのマニュアルを参照してください。
/opt/systemwalker/bin/opapostr 運用形態名 |
注意
予期しないshutdown後に、運用形態名が表示されない場合
電源異常や瞬間的なダウンなど、予期しないshutdown後に起動しても、[Systemwalkerコンソール]に上記で定義した運用形態名が表示されない場合があります。
このような場合に対処するために、起動時に上記で定義した運用形態名を通知するための、起動スクリプトを作成します。起動スクリプトの中では、上記のopapostrコマンドを実行してください。
また、起動スクリプトは、/etc/rc2.d/S73XXX(※:“XXX”はシステムで一意になる任意の名前)という名前で作成します。
以下に作成例を示します。例では運用形態名の初期状態が“SUB”とし、“/etc/rc2.d/S73opapostr”という起動スクリプトを作成します。
#!/bin/sh LANG=ja export LANG case $1 in 'start') /opt/FJSVsagt/usr/lib/opapostr SUB > /dev/null 2>&1 exit 0 ;; 'stop') exit 0 ;; *) exit 1 esac
MC/ServiceGuardを使用する場合
運用管理サーバに運用形態名を通知することで、[Systemwalkerコンソール]にクラスタ名の代わりに運用形態名を表示することができます。運用形態名は、クラスタのフェールオーバに連動して、動的に変化させることができます。
パッケージ制御スクリプトに、運用形態名通知コマンド(opapostr)コマンドを登録します。
定義ファイルの設定例
以下に、登録例を示します。
パッケージ起動時に運用形態名“unyou”、停止時に運用形態名“taiki”を通知する設定の例を示します。
運用系
# START OF CUSTOMER DEFINED FUNCTIONS # This function is a place holder for customer define functions. # You should define all actions you want to happen here, before the service is # started. You can create as many functions as you need. function customer_defined_run_cmds { # ADD customer defined run commands. : # do nothing instruction, because a function must contain some command. /opt/systemwalker/bin/opapostr unyou
test_return 51 } # This function is a place holder for customer define functions. # You should define all actions you want to happen here, before the service is # halted. function customer_defined_halt_cmds { # ADD customer defined halt commands. : # do nothing instruction, because a function must contain some command. /opt/systemwalker/bin/opapostr taiki
test_return 52 } # END OF CUSTOMER DEFINED FUNCTIONS
待機系
# START OF CUSTOMER DEFINED FUNCTIONS # This function is a place holder for customer define functions. # You should define all actions you want to happen here, before the service is # started. You can create as many functions as you need. function customer_defined_run_cmds { # ADD customer defined run commands. : # do nothing instruction, because a function must contain some command. /opt/systemwalker/bin/opapostr taiki
test_return 51 } # This function is a place holder for customer define functions. # You should define all actions you want to happen here, before the service is # halted. function customer_defined_halt_cmds { # ADD customer defined halt commands. : # do nothing instruction, because a function must contain some command. /opt/systemwalker/bin/opapostr unyou
test_return 52 } # END OF CUSTOMER DEFINED FUNCTIONS
HACMPを使用する場合【AIX版】
運用管理サーバに運用形態名を通知することで、[Systemwalkerコンソール]にクラスタ名の代わりに運用形態名を表示することができます。運用形態名は、クラスタのスイッチオーバ/スイッチバックに連動して、動的に変化させることができます。
ユーザが作成するリソース・グループに登録されているアプリケーション・サーバーの始動スクリプト、および停止スクリプトには、以下のコマンドを登録してください。なお、アプリケーション・サーバーの始動スクリプト、および停止スクリプトへの登録方法についてはHACMPのマニュアルを参照してください。
/opt/systemwalker/bin/opapostr 運用形態名 |