機能説明
イベントの自動対処をします。
障害発生時に通知されるイベント(異常メッセージ用)とその障害が復旧したときに通知されるイベント(復旧メッセージ用)を定義することにより、障害の復旧メッセージを受信したときに異常メッセージと復旧メッセージの両方を自動的に対処済にします。
以下の2つのスクリプトを一組として使用します。
関係イベント自動対処(異常メッセージ用):メッセージ監視アクション型
障害発生時に通知されるイベントのアクションとして定義するスクリプト(プロシジャ)。
関係イベント自動対処(復旧メッセージ用):メッセージ監視アクション型
障害復旧時に通知されるイベントのアクションとして定義するスクリプト(プロシジャ)。
サンプルスクリプトファイル
OS種別 | 格納場所とファイル名 |
---|---|
Windows | Systemwalkerインストールディレクトリ\mpwalker.dm\mpsc\sample\scAutoResolvedTarget.swt |
Solaris | /etc/opt/FJSVssc/sample/scAutoResolvedTarget.swt |
Linux | /etc/opt/FJSVssc/sample/scAutoResolvedTarget.swt |
HP-UX | 提供なし |
AIX | 提供なし |
編集可能な項目
関係イベント自動対処(異常メッセージ用)(scAutoResolvedTarget.swt)
プロシジャ名
プロシジャ名の規約に従い編集します。
必ずプロシジャ名の先頭文字は“Usr”にします。
有効期間
動作定義パート[単独定義型]の規約に従い編集します。
異常メッセージ用のイベントが、復旧メッセージ用のイベントの発生を待つ期間を定義します。有効期間を過ぎても対応する復旧メッセージが発生しなかった異常メッセージについては、Systemwalker再起動時に自動的に対処済にします。
復旧キーの設定
可変情報操作処理の規約に従い編集します。
以下のイベント情報がキーに利用できます。
イベントテキスト
復旧キーは、異常メッセージ用と復旧メッセージ用で対応を取るため同一の文字列を設定します。
ほかの登録済みの復旧キーと重複しない任意の固定文字列を指定します。
発生元が同一ホストで異常-復旧の組み合わせが複数ある場合は、イベントの異常-復旧の組み合わせごとにスクリプトを分けて異なる文字列を設定します。
関係イベント自動対処(復旧メッセージ用)(scAutoResolved.swt)
プロシジャ名
プロシジャ名の規約に従い編集します。
必ずプロシジャ名の先頭文字は“Usr”にします。
復旧メッセージ自動対処
動作定義パート[単独定義型]の規約に従い編集します。
復旧メッセージ自身を自動対処するか否かを選択します。
復旧キーの設定
可変情報操作処理の規約に従い編集します。
以下のイベント情報がキーに利用できます。
イベントテキスト
復旧キーは、異常メッセージ用と復旧メッセージ用で対応を取るため同一の文字列を設定します。
ほかの登録済みの復旧キーと重複しない任意の固定文字列を指定します。
発生元が同一ホストで異常-復旧の組み合わせが複数ある場合は、イベントの異常-復旧の組み合わせごとにスクリプトを分けて異なる文字列を設定します。
注意事項
以下のような自動で対処済になるイベントに対しては、自動対処させることはできません。
GSからの返答メッセージ、高輝度イベント、アプリケーションの稼働監視イベントなど。
上位ノードと下位ノードの両方でイベントの自動対処を行う設定をした場合、下位ノード側の設定で自動対処済になります。
Systemwalkerのバージョンレベルは、V12.0L10または12.0以降で動作します。V11.0L10または11.0以前では動作しません。
関係イベント自動対処の未対処の異なる異常メッセージは、スクリプト実行しているノードごとに最大1000です。この数を超える場合、古い異常メッセージから自動的に対処済になります。
異常メッセージと復旧メッセージの発生元は同じホスト名である必要があります。
異常メッセージと復旧メッセージの発生元が異なる場合や、異常メッセージ通知後、復旧メッセージが通知される前にホスト名の変更を行った場合は自動対処されません。
同一のホストから同一の異常メッセージ(または同一の復旧キーを指定された異常メッセージ)が複数発生した場合、それらは1つの復旧メッセージで一括して対処済になります。
使用例
例1
ある業務アプリケーションで動作に異常が起きた場合、また、その後異常状態から回復した場合にそれぞれ下記のような異常メッセージと復旧メッセージが通知されるシステムがあります。
"DBアプリケーションで異常が発生しました。AplName=DBApl_1"
"DBアプリケーションが復旧しました。AplName=DBApl_1"
このように異常と復旧の通知メッセージが同一ホストから通知された場合、復旧メッセージを契機に異常メッセージと復旧メッセージの両方を対処済にします。
編集内容
関係イベント自動対処(異常メッセージ用)
[プロシジャ名]
set ProcName UsrDBAplTrouble
[有効期間(日)]
set TimeLimit 30
[復旧キーの定義]
set Key {DBApl_1}
関係イベント自動対処(復旧メッセージ用)
[プロシジャ名]
set ProcName UsrDBAplRecovery
[復旧メッセージ自動対処]
set Resolve ON
[復旧キーの定義]
set Key {DBApl_1}
イベント監視の条件定義
異常メッセージ用
メッセージテキストの特定:アプリケーションで異常が発生しました。
プロシジャ名 :UsrDBAplTrouble
復旧メッセージ用
メッセージテキストの特定:アプリケーションが復旧しました。
プロシジャ名 :UsrDBAplRecovery
例2
以下のように同じような形式で通知される複数の異常-復旧メッセージに対して、それぞれ対応するスクリプトを作成するのではなく、一組の異常-復旧メッセージ用スクリプトで自動対処します。
"DBアプリケーションで異常が発生しました。AplName=DBApl_1"
"DBアプリケーションが復旧しました。AplName=DBApl_1"
"顧客管理アプリケーションで異常が発生しました。AplName=CsDBSV_1"
"顧客管理アプリケーションが復旧しました。AplName=CsDBSV_1"
復旧キーは、対応するイベントテキストの組ごとに復旧キーが定義されるようにイベントテキストからAplName=以降の文字列(DBApl_1とCsDBSV_1)を切り出す設定をします。
編集内容
関係イベント自動対処(異常メッセージ用)
[プロシジャ名]
set ProcName UsrMultiAplTrouble
[有効期間(日)]
set TimeLimit 30
[復旧キーの定義]
regexp {AplName=([^ ]*)} $EventText All Key
関係イベント自動対処(復旧メッセージ用)
[プロシジャ名]
set ProcName UsrMultiAplRecovery
[復旧メッセージ自動対処]
set Resolve ON
[復旧キーの定義]
regexp {AplName=([^ ]*)} $EventText All Key
イベント監視の条件定義
異常メッセージ用
メッセージテキストの特定:アプリケーションで異常が発生しました。 プロシジャ名 :UsrMultiAplTrouble
復旧メッセージ用
メッセージテキストの特定:アプリケーションが復旧しました。 プロシジャ名 :UsrMultiAplRecovery