ページの先頭行へ戻る
Systemwalker Centric Manager 導入手引書

4.5.4 SNMPエージェントのインストール

監視対象ノードにSNMPエージェントをインストールするとしないでは、監視内容に以下の違いがあります。

SNMPエージェントをインストールする場合

MIB情報を採取することができます。このため、“ノード検出”時にベンダー名やOS種別を自動判別したり、MIB情報を利用した性能監視を行うことができます。また、SNMPトラップを監視することができます。

SNMPエージェントをインストールしない場合

IPアドレスだけの管理となります。“稼働状態の監視”の設定を行うことにより、SNMPエージェントがインストールされていないノードの状態の変化(UP/DOWN)を監視することができます。

SNMPエージェントをインストールする場合の作業を以下に示します。

注意

監視対象のコード系がUTF-8の場合の注意事項

監視対象のSNMPエージェントでコード系としてUTF-8を使用した場合、以下の機能で文字化け等が発生する可能性があります。

  • ノード検出

  • MIB監視

  • MIB取得

  • 簡易MIB取得

  • SNMPトラップの受信

詳細については、“UTF-8環境を利用する場合の注意事項【UNIX版】”を参照してください。

SNMPエージェントから採取するMIB情報

SNMPエージェントから採取するMIB情報は機能ごとに異なります。各機能を使用する場合は、以下のMIB情報をSNMPエージェントから採取できることが前提となります。

ノード検出

MIB

OID

説明

sysName

1.3.6.1.2.1.1.5.0

システム名(ホスト名)

sysObjectID

1.3.6.1.2.1.1.2.0

ベンダ固有のエージェント装置識別名

sysDescr

1.3.6.1.2.1.1.1.0

システムのハードウェア・OS・SNMPエージェントの名称やバージョン

ipForwarding

1.3.6.1.2.1.4.1.0

IPゲートウェイとして受信データをフォワーディングするかどうか

rptrGroupDescr

1.3.6.1.2.1.22.1.2.1.1.2.0

リピータMIB

ifIndex

1.3.6.1.2.1.2.2.1.1.(*1)

インタフェースの番号

ipAdEntAddr

1.3.6.1.2.1.4.20.1.1.(*1)

IPアドレス

ipAdEntIfIndex

1.3.6.1.2.1.4.20.1.2.(*1)

IPアドレスの識別番号

ipAdEntNetMask

1.3.6.1.2.1.4.20.1.3.(*1)

IPアドレスのサブネットマスク

ifPhysAddress

1.3.6.1.2.1.2.2.1.6.(*1)

インタフェースのMACアドレス

ifDescr

1.3.6.1.2.1.2.2.1.2.(*1)

インタフェース名

ifType

1.3.6.1.2.1.2.2.1.3.(*1)

インタフェースのタイプ

ifSpeed

1.3.6.1.2.1.2.2.1.5.(*1)

インタフェースの現在の帯域幅(ビット/秒)

ipNetToMediaType

1.3.6.1.2.1.4.22.1.4.(*1)

マッピングのタイプ

ipNetToMediaPhysAddress

1.3.6.1.2.1.4.22.1.2.(*1)

MACアドレス(物理アドレス)

*1) 採取可能なインデックスすべてを採取します。

稼働状態の監視

MIB

OID

説明

ifAdminStatus

1.3.6.1.2.1.2.2.1.7.(*1)

IP通信を行うインタフェースの現在の状態(管理上)

ifOperStatus

1.3.6.1.2.1.2.2.1.8.(*1)

IP通信を行うインタフェースの現在の状態(運転上)

*1) 採取可能なインデックスすべてを採取します。

SNMPエージェントのインストール方法

SNMPエージェントのインストール方法をOS別に説明します。

Windows(R) 2000

注意

サービスパックの適用についての注意事項

サービスパックを適用済みのシステムの場合、SNMPサービスをインストールした後、サービスパックを再度適用する必要があります。

SNMPエージェントを、すでにWindows(R) 2000が実行されているコンピュータにインストールする方法を以下に示します。

  1. [コントロールパネル]の[アプリケーションの追加と削除]を選択します。

  2. [アプリケーションの追加と削除]ダイアログボックスで[Windowsコンポーネントの追加と削除]をクリックし、[Windows コンポーネントウィザード]を表示します。

  3. [Windows コンポーネントウィザード]の[コンポーネント]で、一覧から[管理とモニタツール]を選択し、[詳細]ボタンをクリックします。

  4. [管理とモニタツール]ダイアログボックスで[簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)]を選択し、[OK]ボタンをクリックします。

  5. [アプリケーションの追加と削除]ダイアログボックスで[次へ]ボタンをクリックし、画面の指示に従ってWindows(R) 2000のCD-ROMをセットするとインストールを開始します。

Windows(R) 2000以外】

この手順は、以下のWindows OSに適用されます。

SNMPエージェントを、すでにWindows OSが実行されているコンピュータにインストールする方法を以下に示します。

  1. [コントロールパネル]の[プログラムの追加と削除]を選択します。

  2. [プログラムの追加と削除]ダイアログボックスで[Windowsコンポーネントの追加と削除]をクリックし、[Windows コンポーネントウィザード]を表示します。

  3. [Windows コンポーネントウィザード]の[コンポーネント]で、一覧から[管理とモニタツール]を選択し、[詳細]ボタンをクリックします。

  4. [管理とモニタツール]ダイアログボックスで[簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)]を選択し、[OK]ボタンをクリックします。

  5. [プログラムの追加と削除]ダイアログボックスで[次へ]ボタンをクリックし、画面の指示に従ってWindows OSのCD-ROMをセットするとインストールを開始します。

Windows Server 2008 Server Core

SNMPエージェントのインストール方法

  1. Server Core環境にSNMPエージェントがインストールされていることを確認します。コマンドプロンプトから以下のコマンドを実行します。

    > oclist

    → SNMPエージェントは、“SNMP-SC”と言うコンポーネント名で表示されます。

  2. SNMPエージェントがインストールされていない場合は、コマンドプロンプトから以下のコマンドを実行し、SNMPエージェントをインストールします。

    > Start /wait ocsetup SNMP-SC

  3. Windowsファイアウォールが有効になっている場合は、SNMPエージェントが使用するポート番号に対するブロックを解除してください。
    ブロックを解除する際に実行するコマンドの例を以下に示します。

    > netsh firewall add portopening protocol = UDP port = 161 name = snmp mode = ENABLE scope = ALL

SNMPサービスの設定

Server Core環境にインストールされているSNMPサービスの設定を変更する場合は、他のWindowsのコンピュータ(以下、設定用のコンピュータと表記します)からネットワーク経由で行う必要があります。

  • Server Core環境のコンピュータ上での作業

    1. 設定用のコンピュータがServer Core環境のコンピュータに接続できるようにファイアウォールの設定をします。
      Server Core環境のコンピュータで、次のとおりポートのブロックの解除を行います。

      > netsh firewall set service FILEANDPRINT enable SUBNET
      > netsh firewall set service REMOTEADMIN enable SUBNET

  • 設定用のコンピュータ上での作業

    1. Server Core環境のコンピュータに対して、ネットワークドライブ接続を行い、セッションを確立します。

    2. [管理ツール]の[サービス]を起動します。

    3. [操作]メニューより[別のコンピュータへ接続]を選択します。

    4. [別のコンピュータ]欄にServer Core環境のコンピュータのホスト名、またはIPアドレスを入力します。
      Server Core環境のコンピュータにインストールされているサービスの一覧が表示されます。一覧から[SNMP Service]のプロパティを編集することで、SNMPサービスの設定を行ってください。

Solaris

SNMPエージェントをインストールする場合、以下のパッケージをインストールします。

【Solaris 9】

【Solaris 10】

インストール時に選択したソフトウェアグループが以下のどれかの場合、OSと共にインストールされるため、別途、インストールする必要はありません。

使用するコマンドについて

Linux

注意

Update Releaseについての注意事項

Update Releaseを適用済みのシステムの場合、SNMPサービスをインストールした後、Update Releaseを再度適用する必要があります。

SNMPエージェントをインストールする場合、以下のrpmパッケージをインストールします。

使用するコマンドについて

[設定ファイル]

/etc/snmp/snmpd.conf

以下にSNMPエージェントの設定ファイルの編集例を記述します。

詳細はmanコマンドを参照してください。

変更前

#       sec.name       source        community
com2sec notConfigUser  default       public

#       groupName      securityModel securityName
group   notConfigGroup v1            notConfigUser
group   notConfigGroup v2c           notConfigUser

# Make at least  snmpwalk -v 1 localhost -c public system fast again.
#       name          incl/excl  subtree         mask(optional)
view    systemview    included   .1.3.6.1.2.1.1
view    systemview    included   .1.3.6.1.2.1.25.1.1

#       group          context sec.model sec.level prefix read   write  notif
access  notConfigGroup ""      any       noauth    exact  systemview none none

変更後

#       sec.name       source           community
com2sec systemwalker   default          public

#       groupName      securityModel securityName
group   RWGroup        v1            systemwalker
group   RWGroup        v2c           systemwalker
group   RWGroup        usm           systemwalker

# Make at least  snmpwalk -v 1 localhost -c public system fast again.
#       name           incl/excl     subtree         mask(optional)
view    all            included       .1              80

#       group          context sec.model sec.level prefix read   write  notif
access  RWGroup        ""      any       noauth    exact  all    none   none

設定ファイルを編集後はSNMPエージェントを再起動します。

# /etc/init.d/snmpd stop
# /etc/init.d/snmpd start

コミュニティ名の変更

コミュニティ名を変更する場合、以下のとおり編集します。

ここでは、SNMPエージェントに設定されているコミュニティ名を、“FUJITSU”と仮定して説明します。

設定ファイル

/etc/snmp/snmpd.conf

変更前

com2sec systemwalker default public

変更後

com2sec systemwalker default FUJITSU

アクセス許可するホストの設定

SNMPパケットの受け付けを許可するホストの IPアドレスを「*.*.*.*」と仮定して説明します。

ネットワークの性能監視、サーバの性能監視機能を利用する場合は、運用管理サーバ、部門管理サーバ、運用管理クライアントからのSNMPパケットを許可する設定にしてください。

設定ファイル

/etc/snmp/snmpd.conf

変更前

com2sec systemwalker default public

変更後

com2sec systemwalker *.*.*.* public

設定ファイルを編集後はSNMPエージェントを再起動します。

# /etc/init.d/snmpd stop
# /etc/init.d/snmpd start

NATを使用した環境で、SNMPパケット送信元のIPアドレスがNATによって変換される場合は、NATによる変換後のIPアドレス(このコンピュータから見える、SNMPパケット送信元のIPアドレス)を設定してください。

SNMPサービスの設

SNMPエージェントをインストールしたコンピュータで[サービス]ウィンドウから[SNMP Serviceのプロパティ]ダイアログボックスを起動し、以下の項目の設定をします。

コミュニティ名

Systemwalker Centric ManagerとSNMPエージェントとの通信において、認証に使用するコミュニティ名を事前に設定します。

コミュニティ名には、全角文字、半角カナ、半角空白、および以下の記号は使用できません。

“ノード検出”を行う場合や[Systemwalkerコンソール]にサブネットフォルダまたはノードを登録する場合に、SNMPエージェントで設定した値と同じコミュニティ名を指定します。

トラップ通知先アドレス

SNMPトラップを[Systemwalkerコンソール]で監視する場合は、以下の設定を行います。

運用管理サーバで直接監視するノードの場合

運用管理サーバのIPアドレスを設定します。

部門管理サーバを経由して監視する場合

部門管理サーバのIPアドレスを設定します。

NATを使用した環境で、トラップ通知先コンピュータのIPアドレスがNATによって変換される場合は、NATによる変換後のIPアドレス(このコンピュータから見える、トラップ通知先コンピュータのIPアドレス)を設定してください。

以下の監視機能では、代表インタフェースに対してSNMP要求を発行し監視を行います。

稼働状態の監視

MIB監視

MIBの取得/MIBの設定/MIB情報の表示/HUB接続状況の表示

仮想ノードの検出

そのため、SNMP要求に対する応答パケットの送信元IPアドレスは、代表インタフェースのIPアドレスと一致する必要があります。

SNMPパケットを受け付けるホストWindows

この手順は、以下のWindows OSに適用されます。

[セキュリティ]タブより以下の項目を設定します。

  1. 受け付けるコミュニティ名

  2. SNMPパケットを受け付けるホストを以下のどちらかの方法で設定します。

    • [すべてのホストから SNMP パケットを受け付ける]を選択します。

    • [これらのホストから SNMP パケットを受け付ける]を選択し、以下の設定をします。

      運用管理サーバから監視するノードの場合

      運用管理サーバのIPアドレスまたは、ホスト名を指定します。

      部門管理サーバから監視するノードの場合

      部門管理サーバのIPアドレスまたは、ホスト名を指定します。

      業務サーバから監視するノードの場合

      業務サーバのIPアドレスまたは、ホスト名を指定します。

      運用管理クライアントから[MIB情報の表示]を行う場合

      操作を行う運用管理クライアントのIPアドレスまたは、ホスト名を指定します。

      NATを使用した環境で、SNMPパケット送信元のIPアドレスがNATによって変換される場合は、NATによる変換後のIPアドレス(このコンピュータから見える、SNMPパケット送信元のIPアドレス)を設定してください。

その他

Systemwalker Centric Managerをインストール後にSNMPエージェントをインストールした場合に必要な作業