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Interstage Shunsaku Data Manager 導入・運用ガイド

8.1.3 searcherの縮退機能

searcherに異常が発生した場合、searcherの縮退機能により、最小限の時間で運用を再開することができます。
ただし、正常なsearcherへ割り振られるサーチデータの量が増加するため、縮退前と同等の性能は期待できなくなります。また、異常が発生したサーチサーバを正常な状態に復旧する際に、サーチデータの再配置が必要になります。

以下の図に、searcher縮退時の処理の流れを示します。


図8.6 searcher縮退時の処理の流れ

参照

縮退前の状態に戻したい場合の対処方法については、“トラブルシューティング集”の“縮退からの復旧”を参照してください。


searcherの縮退制御

searcherの縮退が作動することで、検索性能が予想以上に劣化し、業務に支障をきたす場合があります。また、想定外の数のサーチサーバが多重障害になることにより正常なsearcherのメモリ不足を引き起こし、縮退運用さえ継続できない場合があります。
これらに備え、事前に縮退可能なsearcher数を設定しておくことにより、何らかの異常でsearcherに縮退が発生した場合、設定値を超えたsearcherの縮退実行を抑止することができます。
本機能は、システム用動作環境ファイルまたはdirector用動作環境ファイルにDegradableSearcherCntを設定することで動作します。

本機能が有効なdirectorにおいて、接続するsearcherで異常が発生した場合、以下の動作をします。

これにより、以下の利点が生まれます。

設定値については、検索性能とsearcherメモリの観点で決定してください。
検索性能に関しては、縮退時にデータがsearcherに割り振られるデータ量に比例して遅くなることを想定して見積もります。メモリに関しては、縮退時にsearcherに割り振られるデータ量を考慮してメモリ見積り式より見積もります。


以下の図に、searcherの縮退制御の考え方を示します。


図8.7 searcherの縮退制御の考え方

注意

異常searcher数が定義値を超えた場合、運用業務が一時停止するので、注意が必要です。
業務における検索性能の優先度が高く、かつ復旧のために業務中断する時間を取れる場合に、本機能の適用をお勧めします。

参照

システム用動作環境ファイルまたはdirector用動作環境ファイルの詳細は、“付録A 動作環境ファイルの実行パラメタ”を参照してください。


“DegradableSearcherCntパラメタ”の指定値を超えた場合の対処方法については、“トラブルシューティング集”の“searcherのフェイルオーバからの復旧”を参照してください。