Linkexpress 導入ガイド
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第3章 Linkexpressサーバの導入> 3.2 システムの設定> 3.2.2 システムパラメタの設定

3.2.2.1 Solaris の場合

以下のシステムパラメタについて調整を行います。なお、以下のシステムパラメタ値はLinkexpressサーバが動作するために必要な値です。システム全体として、Linkexpress以外の各ミドルウェアおよびユーザアプリケーションが使用するシステムパラメタ値についても考慮してください。

システムパラメタの設定箇所は、以下のとおりです。設定後、システムの再起動を実施してください。

  1. メッセージの最大バイト数(MSGMNB、またはprocess.max-msg-qbytes)の調整

    Linkexpressサーバで同時に実行できる業務定義、転送コマンド、および利用者プログラムからの転送依頼の総計は、システムのプロセス間通信において、1つのメッセージキューで受け入れ可能なメッセージの最大バイト数(MSGMNBまたは process.max-msg-qbytes)の値によって異なります。

    以下にMSGMNB、または process.max-msg-qbytesとLinkexpressサーバへの転送依頼数との関係を記述します。なお、転送依頼数とは、同時に実行する業務定義内のイベント数、転送コマンド実行数、および利用者プログラムからの転送依頼の全ての合計です。また、同時ファイル転送多重度数とは、ネットワーク定義comdef定義命令scaleオペランドに指定した値です。scaleオペランド省略時、および簡易導入機能を利用される場合のscaleオペランド値は"256"で計算してください。

    (Linkexpressサーバへの同時転送依頼数 × 64)+(Linkexpressサーバの同時ファイル転送多重度 × 380)+ 9216 <= MSGMNB または process.max-msg-qbytes

    なお、MSGMNBの特性は「最大値」です。システムのデフォルト値とLinkexpress、およびLinkexpress以外のソフトウェアごとの推奨値・指定値の最大値を指定します。

  2. システムメッセージのヘッダ数

    Linkexpressサーバで同時に実行できる業務定義、転送コマンド、および利用者プログラムからの転送依頼の総計は、システムのプロセス間通信において、1つのメッセージキューで受け入れ可能なメッセージの最大数(MSGTQLまたは process.max-msg-messages)の値によって異なります。

    以下にMSGTQL、または process.max-msg-messagesとLinkexpressサーバへの転送依頼数との関係を記述します。

    MSGMNB ÷ 10 <= MSGTQL または process.max-msg-messages(注)

    注)
    MSGTQLまたは process.max-msg-messagesが8192以下の場合は8192を指定してください。

  3. 共有メモリセグメントの最小値の確認

    システムパラメタで共有メモリセグメントの最小値(shminfo_shmmin)に1より大きい値を設定すると、Linkexpressサーバは起動できなくなります。共有メモリセグメントの最小値は設定しないでください。(設定しない場合のデフォルト値は1です。)

  4. その他のシステムパラメタの調整

    MSGMNBおよびprocess.max-msg-qbytes以外でシステムのプロセス間通信(IPC)において調整が必要なパラメタとLinkexpressサーバ利用時の推奨値を説明します。なお、下記以外のパラメタは、デフォルトの値で動作します。

    Solaris8または9のIPCパラメタ

    項番

    パラメタ

    Solaris8
    の初期値

    Solaris9
    の初期値

    Linkexpressが
    必要とする値
    (推奨値)

    特性
    (注1)

    意味

    1

    shminfo_shmseg
    (SHMSEG)

    6

    [廃止]

    20以上

    最大値

    プロセスごとの共有メモリ
    セグメント数

    2

    msginfo_msgmni
    (MSGMNI)

    50

    50

    512

    加算

    メッセージ待ち行列識別子
    の数

    3

    msginfo_msgmnb
    (MSGMNB)

    4096

    4096

    上記1.を参照

    最大値

    1つのメッセージキューに
    保有できるメッセージの
    最大サイズ

    4

    msginfo_msgtql
    (MSGTQL)

    40

    40

    上記2.を参照
    (8192以上)

    加算

    システムメッセージの
    ヘッダ数

    5

    seminfo_semmni
    (SEMMNI)

    10

    10

    512

    加算

    セマフォ識別子の数

    6

    seminfo_semmns
    (SEMMNS)

    60

    60

    120

    加算

    システム内のセマフォ数

    7

    seminfo_semmnu
    (SEMMNU)

    30

    30

    (注2)

    加算

    システム内のundo構造体の数

    8

    rlim_fd_max

    1024

    65535

    65535

    最大値

    ファイル同時オープン数の
    上限値 (注3)

    9

    rlim_fd_cur

    256

    256

    2816

    最大値

     

    注1)
    IPC関連のパラメタは、ソフトウェアごとに提示された推奨値・指定値をもとに、システム全体の指定値を決定してください。

    注2)
    プロトコルにHICSを使用する場合、ネットワーク定義の通信パス数×2以上の値を指定してください。ただし、通信パス数が15未満の場合、指定する必要はありません。

    注3)
    業務を同時に複数実行する場合に必要です。Rlim_fd_maxとrlim_fd_curは両方とも設定してください。システムパラメタで設定しない場合はLinkexpress起動コマンドを投入する前に以下のコマンドを実行してください。

    Solaris10のIPCパラメタ

    項番

    資源制御

    OS初期値

    Linkexpressが
    必要とする値
    (推奨値)

    特性
    (注)

    旧パラメタ

    1

    project.max-msg-ids

    128

    512

    加算

    msginfo_msgmni

    2

    project.max-msg-qbytes

    65536

    上記1.を参照

    最大値

    msginfo_msgmnb

    3

    process.max-msg-messages

    8192

    上記2.を参照
    (8192以上)

    加算

    msginfo_msgtql

    4

    project.max-sem-ids

    128

    512

    加算

    seminfo_semmni

    5

    process.max-file-descriptor

    256

    2816

    最大値

    rlim_fd_cur

    注)
    IPC関連のパラメタは、ソフトウェアごとに提示された推奨値・指定値をもとに、システム全体の指定値を決定してください。


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