FUJITSU Linkexpress Replication option説明書 |
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第2章 オープンサーバ間:Symfoware抽出レプリケーション | > 2.2 レプリケーション運用のためのセットアップ | > 2.2.1 レプリケーションシステムの設計 |
Linkexpress Replication optionのチューニング項目には以下があります。これらは、Linkexpress Replication optionの動作環境ファイルに指定します。
トランザクションログファイルへの書き込みバッファ枚数の指定 (REP_TRFW_BUFF_NUMオペランド)
差分ログ処理単位の指定 (REP_DLF_WRITE_MODEオペランド)
差分ログファイルの書き込み保証処理の並列化の指定 (REP_DLF_SYNC_PNUMオペランド)
有効ログ範囲の指定 (REP_RELLOG_RATEオペランド)
トランザクションログファイル異常時の差分ログ取得停止(REP_TRF_INH_CLOGオペランド、REP_TRF_COFFオペランド)
トランザクションログファイルへの書き込みバッファ枚数をLinkexpress Replication optionの動作環境ファイルのREP_TRFW_BUFF_NUMオペランドで指定します。本バッファを拡張することで、トランザクションログファイルへの書き込みバッファの枯渇削減、トランザクションログファイルへのi/o処理を軽減することができます。
バッファ枚数1000から始めて、利用者プログラムの処理時間、およびトランザクションログファイルへのi/o処理に効果があるまで増やしてみてください。
なお、トランザクションログファイルへのi/o負荷が低い場合、効果のでない場合があります。
バックグラウンド処理における差分ログファイルへの書き込み保証処理の実行単位をLinkexpress Replication optionの動作環境ファイルのREP_DLF_WRITE_MODEオペランドで指定します。本オペランドに“MULTI”を指定することで、適切な単位で差分ログファイルへの書き込み保証処理を行い、バックグラウンド処理が効率的に動作します。
一定時間内に発生するトランザクション数が多い場合(例:最大が数十TPS)に、“MULTI”を指定してください。
なお、“MULTI”を指定した場合、以下の点を考慮する必要があります。
複数のトランザクションをまとめて処理するため、抽出コマンドが差分ログファイルの排他待ちになることがあります。
このため、抽出コマンドを実行するイベントのジョブ結果待ち時間を設定する場合は、この排他待ち時間を抽出コマンド処理時間の最大見積もり値の3倍程度以上に指定されることを推奨します。
複数のトランザクションをまとめて処理するため、トランザクションログファイルのサイズは、大きめに見積もってください。(“SINGLE”を指定した場合と比較して1.5倍程度で見積もりすることを推奨します)
差分ログファイルへの書き込み保証処理の並列数(CPUが必要)をLinkexpress Replication optionの動作環境ファイルのREP_DLF_SYNC_PNUMオペランドで指定します。一度に大量のトランザクションが発生し、かつ複数の差分ログファイルに対して差分ログを取得する場合に効果があります。
以下を目安に見積もります。
REP_DLF_WRITE_MODEオペランドの指定値 |
REP_DLF_SYNC_PNUMオペランド指定値の見積り方法 |
---|---|
“SINGLE”を指定した場合 |
トランザクション内で対象となる差分ログファイル数の最大で見積もります。 |
省略した場合 |
|
“MULTI”を指定した場合 |
お客様業務単位内で対象となる差分ログファイル数の最大で見積もります。 |
Linkexpress Replication optionでは、Symfoware/RDBのダウンリカバリ処理が発生すると、Linkexpress Replication optionのダウンリカバリ処理を行います。
このダウンリカバリ処理の処理時間は、トランザクションログファイルに差分ログファイルへの転送待ちとなっている差分ログ(リカバリ対象ログと呼びます)の量に依存します。有効ログ範囲の指定は、Linkexpress Replication optionのダウンリカバリ時間をできるだけ一定にしたい時、またはクラスタシステムの切替え時間内にLinkexpress Replication optionのダウンリカバリ処理時間をできるだけ抑えたい場合に指定します。
Linkexpress Replication optionの動作環境ファイルのREP_RELLOG_RATEオペランドで指定します。
考え方を以下に示します。
Linkexpress Replication optionのダウンリカバリ処理時間< Linkexpress Replication optionのダウンリカバリ処理許容時間 |
以下を目安に見積もってください。
(A)דREP_RELLOG_RATE”指定値÷100÷(B)×(C)< Linkexpress Replication optionのダウンリカバリ処理許容時間(秒) |
A:トランザクションログファイルのサイズ(Mバイト)
B:ディスク性能(Mバイト/秒)
C:安全係数(1.5)
なお、本オプションは、リカバリ対象ログ範囲の最新化を最優先で行いますので、利用者プログラムの処理性能に影響があります。
トランザクションログファイルの容量不足や入出力障害が発生すると、複写元データベースを更新するお客様業務が継続できなくなる場合があります(更新SQL文がエラーまたは処理遅延)。このため、トランザクションログファイルを配置するディスクの冗長化や容量監視などの対策が重要となります。
なお、絶対にサービス停止が許されないシステムでは、これらの対策を実施した上で、容量不足や入出力障害が発生した場合に備えて、差分ログの取得を停止することでお客様業務を継続させることを検討してください。
動作環境ファイルのREP_TRF_COFF オペランドを利用することで、トランザクションログファイルが容量不足になりそうな場合に、差分ログの取得を自動的に停止し、お客様業務を継続することが可能です。また、動作環境ファイルのREP_TRF_INH_CLOGオペランドを利用することで、トランザクションログファイルが入出力障害となった場合に、差分ログの取得を停止し、お客様業務を継続することが可能です。以下に機能ごとに説明します。
REP_TRF_COFFオペランド
トランザクションログファイルが容量不足になる場合に備えて、本オペランドにトランザクションログファイルの使用率を指定することで、使用率に達した場合に差分ログの取得を停止して、お客様業務を継続することが可能となります。本オペランドの指定値は、通常の運用中に発生する使用率より大きい値を指定してください。
トランザクションログファイルの使用率が、本オペランドの指定値に到達した場合、その時点で実行中のトランザクションは差分ログ取得停止とはなりません。
このため、トランザクションログファイルの使用率が本オペランドの指定値に到達した時点で実行中のトランザクションに関して、エラーを発生させないために以下を考慮してください。
実行中のトランザクションが出力するログ量により、トランザクションログファイルの使用率が100%に達しないように、トランザクションが出力するログ量を考慮して、本指定値を設定します。なお、指定値を超えた後に発生するトランザクションは、差分ログを取得しないため、エラーにはなりません。
REP_TRF_INH_CLOGオペランド
利用者プログラム実行中にトランザクションログファイルが入出力障害などの理由で閉塞した場合、システムが自動的に差分ログの取得を停止します。
注意事項
トランザクションログファイルの容量不足または入出力障害などにより、エラーとなったトランザクションは、再実行することを推奨します。(本機能により差分ログが取得されないため、再実行後はエラーにはなりません)
本機能を利用して差分ログの取得を停止した場合は、複写元と複写先のデータベースの一致性を保証できなくなるため、運休日などを利用して、トランザクションログファイル(管理部)の再作成および全複写機能による複写先データベースの再創成を実施してください。再作成の詳細は、“2.11.1.5 トランザクションログファイルへの差分ログ停止後の再開”を参照してください。
Symfoware/RDBの起動時にトランザクションログファイルが入出力障害となるとSymfoware/RDBの起動が失敗します。お客様業務を優先させる場合は、動作環境ファイルにREPLICATION=OFFを指定した後、Symfoware/RDBの起動を再実行することで、Linkexpress Replication optionを止めて業務を継続することが可能です。
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