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Symfoware Server アプリケーション開発ガイド(埋込みSQL編)

1.2 クライアント・サーバモデルの概要

ここでは、クライアント・サーバモデルの概要について、以下の順に説明します。

クライアントとは

クライアントとは、データ処理を要求する動作単位のことです。データベースシステムをクライアント・サーバモデルで運用する場合には、データベースに対してアクセスを要求するアプリケーションは、クライアントとして位置づけられます。

サーバとは

サーバとは、データ処理を実行する動作単位のことです。データベースシステムをクライアント・サーバモデルで運用する場合は、データベース本体が存在する側として位置づけられます。

通信方法

クライアントとサーバとの間の通信方法は、クライアントのサーバに対するアクセス方法によって異なります。

ローカルアクセス

ローカルのサーバに接続し、データの操作などを行うことを、ローカルアクセスといいます。

リモートアクセス

リモートのサーバに接続し、データの操作などを行うことを、リモートアクセスといいます。

通信方法の選択

ローカルアクセスする場合は、自動的にサーバと接続されます。リモートアクセスする場合の通信方法には、以下の2種類があります。

  • 性能を重視したRDB2_TCP連携

    Symfoware/RDB専用のプロトコルを使用すると、高速にデータベースにリモートアクセスすることができます。

  • OSI(Open Systems Interconnection)の汎用プロトコルを使用したRDA-SV連携

    RDAプロトコルでアクセスするアプリケーションを作成する場合に使用します。

リモートアクセスする場合の通信方法は、クライアント用の動作環境ファイルのSERVER_SPECで指定します。通信方法とSERVER_SPECの指定および接続できるサーバの種類と接続方法について以下に示します。

表1.1 通信方法とSERVER_SPECの指定について

通信方法

SERVER_SPECの指定

リモートアクセス

性能を重視したRDB2_TCP連携

RDB2_TCP

OSIの汎用プロトコルを使用したRDA-SV連携

RDA

表1.2 接続できるサーバの種類と接続方法について

SERVER_
SPEC

接続形態

Windows

Solaris

Linux

グローバルサーバ

RDB2_TCP

TCP/IP

RDA

TCP/IP

×

○ : 接続可能

× : 接続不可能

トランザクション制御

データベースの定義、検索および更新に対してデータの整合性を保つためのトランザクション制御機能が、有効に働きます。そのため、ローカルを含む複数のサーバとの連携時も安全にデータベースへアクセスすることができます。ただし、1トランザクション内で複数サーバに対するデータベースの同時更新はできません。1つのトランザクション内では1つのサーバの1つのデータベースに対してだけ更新できます。

クライアント・サーバモデルの利用パターン

Symfoware/RDBは、Solaris、Linux、Windows(R) 2000、Windows(R) XP 、Windows Server(R) 2003、Windows Vista(R)、Windows Server(R) 2008および日本語MS-DOS上のアプリケーションをクライアントとし、Solaris、Linux、Windows(R) 2000、Windows Server(R) 2003、Windows Server(R) 2008またはグローバルサーバをサーバとして使用することができます。ローカルのデータベースとリモートのデータベースを1つのアプリケーションから同時にアクセスすることができます。利用パターンを以下に示します。

図1.2 クライアント・サーバモデルの利用パターン