Symfoware Serverの標準技術について、説明します。
ネットワークを支えるテクノロジーとして、最も重要なもののひとつに、Java技術があります。プラットフォーム無依存で開発可能なJava技術を採用することで、システムの効率的な開発が可能になります。次に重要な技術として、XML技術が挙げられます。XML技術を適用することによって、柔軟なプロトコルを実現し、ネットワーク環境における接続性を飛躍的に向上させます。
Symfoware Serverの標準技術には以下の3つの特長があります。
標準技術の完全サポート
Java/J2EEのアーキテクチャ
XML技術の適用
Symfoware Serverの標準技術の特長について、以下に説明します。
標準技術の完全サポート
Symfoware Serverは、Interstage Application Serverと連携することによって、ネットワーク上のあらゆる標準プロトコル、CORBA (Common Object Request Broker Architecture)、EJB (Enterprise JavaBeans)、Web連携、XMLを核とするSOAP (Simple Object Access Protocol)といったプロトコルに対応しています。さらに、これら各種のプロトコルを用いて処理するためのアプリケーションを実行するフレームワークとして、J2EE (Java2 platform Enterprise Edition)や、JTA(Java Transaction API)あるいは、XML技術をサポートしています。このようにSymfoware Serverは、Interstage Application Serverと連携することによって、アプリケーションサーバに必要なあらゆる標準プロトコル、標準技術をサポートしています。またインターネットプロトコルの新しいプロトコルであるIPv6環境に対応しています。
さらに、データベースサーバ上にも、これらのアプリケーションサーバと柔軟に連携するための標準技術であるプロシジャやトリガなどの機能をサポートしています。これらの機能を利用することによって、データベースサーバは、単なるデータを格納する箱ではなく、アプリケーションロジックを組み込むことができ、それらのロジックを共有することによって、アプリケーションの生産性を上げることができます。
Symfoware Serverへアクセスするアプリケーションの開発には、Visual BasicやVisual C++など使い慣れたプログラミングアプリケーションに対応したアプリケーションインタフェース(API)を提供しているため、簡単にデータベースへアクセスするアプリケーションを開発することができます。
Javaについての詳細は、“5.6.2 Javaアプリケーションの開発”を、XMLについての詳細は、“2.3.3 SQL/XML”を参照してください。
標準技術の完全サポートについて、以下に示します。
図1.17 標準技術の完全サポート
現在、アプリケーションの処理ロジックを開発する環境として、キーとなるのは、Javaと言えます。Java技術は、単なるアプリケーションには留まらず、ネットワークとの連携、データベースとの連携、トランザクションの操作といったシステム全体を操作するフレームワークをJ2EEという形で作っています。Symfoware ServerはInterstage Application Server と連携しながら、このフレームワークを採用しており、Java技術のさまざまなメリットを活かしたシステム開発が可能です。
Javaについての詳細は、“5.6.2 Javaアプリケーションの開発”を参照してください。
Java/J2EEのアーキテクチャについて、以下に示します。
図1.18 Java/J2EEのアーキテクチャ
ネットワーク環境における標準化技術として、Java技術と並んで重要なのが、XML技術です。
XMLは、データ構造を保持したまま受け渡しが可能であり、業務やシステムの要件の変化に対応しやすいといった柔軟性に富んでいます。
Symfoware Serverでは、表の列にXMLデータを格納することができます。格納したXMLデータは、SQL標準のインターフェースにより、柔軟に操作することが可能です。XMLデータへのアクセス方法としては、SQL/XMLとXMLアンロードがあり、業務要件に応じて使い分けることができます。
XML技術を用いたシステム運用について、以下に示します。
図1.19 XML技術を用いたシステム運用
SQL/XMLは、SQLの標準的なインタフェースを使用してXMLデータへのアクセスができ、従来のアプリケーションの流用が可能になります。また、検索条件として指定するものはXMLデータの内容だけでなく、データベースの別カラムのデータを指定することも可能です。これにより、その都度要件の変わるXMLデータ検索を柔軟に行うことが可能です。
詳細は、“2.3.3 SQL/XML”を参照してください。
XMLに着目したデータ活用として、サービスバスを行き来するXMLデータを蓄積し、活用する方法が提唱されています。Symfoware Serverは、サービスバスを通るさまざまなXMLデータを蓄積し、その膨大なXMLデータの中から必要な情報を高速で取り出す機能を備えています。
XMLアンロードは、Symfoware Serverに蓄積された大量のXMLデータより、業務目的に応じた複数の検索を、1回の読込みで同時に高速で行うユーティリティです。XMLデータの構造に対する事前の設定を必要とせず、XMLの特徴である拡張性、柔軟性を活かしたシステム運用を可能にします。企業の基幹システム間を流通するさまざまなXMLデータをログとして蓄積し、業務プロセスの有効性、効率性の確認、コンプライアンスのための監査などのシステムに利用できます。
ユーティリティコマンドを使用したXMLアンロードについては、“5.3.1 データベースの運用”を参照してください。